転生したらスキル転生って・・・!?

ノトア

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第306話 [国民レベリング用魔道具。]

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「うわぁ~ルークの言う通りだなぁ・・・スキア、コレってやっぱり俺の所為なのか?」

俺は迷宮のマップ画面に表示されている夥しい数の魔物を指差しながら尋ねてみるとスキアは呆れた表情で俺を見た。

「シュウト様が放出された魔力で迷宮や他のフィールドが破壊されない様にする為に迷宮に魔物を発生させているのですが、何か?」

「あぁ・・・そういう事か。しかし、これだけ多いとドラウの機王文殊を出せる場所が無いか・・・。」

「それでしたら迷宮ダンジョンの入って直ぐのセーフティーエリアを拡張しては如何でしょうか?」

「セーフティーエリアか、拡張とは言ってもどの程度まで拡げられるんだ?」

「現在の魔力供給量ですと先程申し上げました入口以外には10階層毎にボス部屋が有り、その階層はボス部屋以外の空間はセーフティーエリアに、その他各階層の階段前もセーフティーエリアになっており、その全てを拡張するという事で宜しいのですか?」

「・・・いや、入口とボス部屋のエリアだけで良いだろう。」

「確かに現状、攻略組の人々が利用されている為、多少の混雑するエリアが有り、それを解消なさる為と考えて宜しいでしょうか?」

「ドラウの事以外にそれも有るが、特に初級は一般人のレベリングとしても使用する予定だから広さを確保しておけば、それだけ多くの人々を同時に強くする事も可能だろうからな。」

「左様でございますか、であれば現状の50㎡から10倍の500㎡では如何でしょうか?」

「500㎡かぁ・・・確か、前世のイベントなんかの収容人数で300人規模の時がその位だったよなぁ・・・それならパーソナルスペースもある程度確保出来そうだし、レベリングでのストレスも少しは解消されそうだな。よし、それでって、そんなに拡げても大丈夫なのか?」

「現状ですと更に倍の1000㎡でも問題ございませんが、それですとボス部屋までの距離が遠過ぎるのではないかと。」

「ボス部屋まで何も無い空間が1kmか、確かに遠いな。よし、問題無いならそれで進めてくれ。」

「承知致しました。」

スキアはそう言うと端末に手を当てて念を込める様な行動をした。するとダンジョンの全ての頼んだセーフティーエリアが拡張された。

スキアはそれを確認すると俺に端末を差し出す様な仕草をし、後ろへと下がった。

「ん?終わったのか?」

「いえ、ダンジョンの設計が終了致しました。」

「設計?」

「はい。シュウト様の魔力で魔物を増やす事、宝物の再設定をする事は私が行えますが、元々設計されていない設計をダンジョンに新たに追加する、もしくは変更する事はマスターであるシュウト様の承認を得なければ出来ませんので。」

「あぁそういう事か。それで俺はどうすれば良いんだ?」

「私の設計に問題なければ、ダンジョン設計をタップして頂き、現状のダンジョン設計画面をスクロールして頂ければ、先程の設計図が出て来ますので再度タップして下さい。そうすれば承認画面に切り替わります。」

俺はスキアの言う通りに進めてダンジョンの変更をする事に承諾した。

「それで何時変わるんだ?」

「1時間程で変更されます。」

「1時間って事は間に合うか。っていうか、中の人達は大丈夫なのか?」

「基本的には何方も居らっしゃらない間に変更致しますし、居らっしゃらる場合はダンジョン内にアナウンスして、安全な位置まで移動してもらい、変更致します。」

「そういう事か、なら安心だな。というか、ダンジョンの階層変更って普通に有るものなのか?」

「侵入者への嫌がらせをコンセプトとしているダンジョン以外は殆どございません。ましてやダンジョン内へのアナウンス等の整った環境などございません。」

「まぁアナウンスが有るダンジョンなんて無いだろうな。というか、嫌がらせ目的のダンジョンってそれって迷宮神であるラビリス様の目的に反してないか?」

「ある程度は潜らせて、それ以上は潜らせない様にしている場所もございますので。」

「それって悪神や邪神が居る所か?」

「その通りにございます。」

「それって復活させようとしてる奴等にバレやすくないのか?」

「その辺りはシュウト様のみがお持ちの能力がない限りバレる心配はごさいません。」

「あぁ、ダンジョン内の全体図が分からないとって事か。」

「はい。」

「だがそれなら邪神悪神の魔力で増える魔物はどうするんだ?」

「その為の構造変更でもありますので。」

「あぁ、そういう事か。」

その後も雑談しながら待っていると変更が終了したので、俺はドラウ達を連れて戻ってきた。

「ん?めっちゃ広くなったなぁ。」

「ドラウの件も有るがレベリングする時により多くの人々を同時に出来たらなと思ってな。」

「あぁそういう事か。だがソレの準備はまだなんじゃないのか?」

「そうなのか?」

「おう。一応防具とか最低限の武器とかを依頼するってレイが言ってたぞ。なぁドラウ。」

「ん?あぁ、アレならもう少しマシなのを造ってる最中だな。」

「マシなのって何だよ?試作的なもんは出来てんのか?」

「携帯式結界魔道具と誘導式スリングショットは出来てるがレイがそれだと国民は安心出来ないって言われてよぅ。」

「携帯式結界ってどんなんだ?」

「コレだ。」

ドラウはそう言うと小さい魔石が幾つも付いたネックレスと宝石の様な物が付いたバックルを出してきた。

「コレだけか?」

「おう。一応、2種類造ったんだが、それだと守られてる感じがしねぇってよ。」

「まぁ確かに。それでどのくらいの効果が有るんだ?」

「身体を覆う結界が常に張られる様になってCランク程度ならビクともしねぇよ。」

「こんな小ささでそこまでの効果が有るのか・・・つっても確かに小さ過ぎると常識的に安心感は無いよなぁ。」

「ルークもレイと同じ事言うなぁ。レイはスケイルアーマーとかプレートアーマーに付けろとか言ってたが、そんなもん素人が着けてたら重さで魔物と対峙する前にへばっちまうって事で結界を施すもんをどうするか検討中だな。」

「確かにそれじゃあ進まねぇな。それでスリングショットって何だ?」

「シュウトが教えてくれた武器なんだがコレだな。」

ドラウはそう言うと引っ張る部分がゴムでは無い何かが取り付けて有るスリングショットと小さな玉を出した。

「?・・・あぁ、引っ張って、この玉を飛ばすのか。誘導式って事はコレも魔道具なのか?」

「おうよ。放たれた玉は最初に狙いを定めた魔物に自動的に向かう様になってる上に玉の色によって付与されてる属性が違ってな。目標物に当たった瞬間、その属性の効果を含んだ爆発を起こす様になってんだ。」

「へぇ~面白ぇな。それでどの程度の威力なんだ?」

「目ん玉に翼が生えた奴なら追い掛けて撃墜出来るだろうし、ブラットブルみてぇな重量級の奴でも吹き飛ばせるぞ。」

「レッドアイか。Cランクの中でも当てるのが難しい奴だな。ってか、そんな威力なら安心じゃないのか?」

「一般人だと引くのに時間が掛かるからってぇのと見た事も無い武器ってのが、有るみてぇだ。」

「引けないかぁ・・・確かにこの構造だと引く力はまぁまぁ要るな。」

「ん?シュウト、何か良い案でも有るのか?」

ドラウにそう言われた俺は足を引っ掛けて全身で弓を引く、弩弓の形と篭手を着ける様にスリングショットを腕に装着し、発射後は篭手から出た棒を地面に押し当て自身の体重でセットする構造を教えた。

「あぁ弩弓は俺も考えたが、その分重量が増すのを考えるといまいちだなぁって思ってたんだが、体重でかぁそれなら良さそうだな。」

「それとさぁ、自分で言うのもなんだけど、俺の称号っていうか、アレを利用したら皆んな安心するんじゃないか?」

「アレ?・・・あぁ使徒様御墨付きって事か。」

「そうやってハッキリ言われると恥ずかしいが少しは効果が有るかなって。」

「いや、確実に効果はあるぞ。シュウトが良いって言うならレイにそのまま伝えるが良いか?」

「あぁ。但し、面白そうっていうのもあるが、効果の確認だけはさせてくれよ。」

「おぉ、そりゃそうだ。何の確認もせずに丸投げする奴は信用出来ねぇからな。」

「なら今回の迷宮で魔物討伐をし終わったら何処か適当なCランクダンジョンに行ってみるか、言ってた結界の魔道具は出来てるんだろ?」

「おう。結界魔道具の方は外付けの魔力タンクが必要だし、シュウトの言ってたスリングショットも直ぐに出来っだろ。」

俺とドラウがそう話しているとスリングショットで遊んでいたルークが話し掛けてきた。

「なぁ何で初級で試さないんだ?」

「攻略組の人達が居ると思って。」

「・・・多分居ねぇぞ。」

「そうなのか?」

「おう、この前全員踏破したって言ってたからな。」

「そうなのか?」

「まぁ単独踏破はまだのヤツらは居るが一月は中級でレベル上げをする予定になってっからな。」

「そういう事なら初級で良いか。」

「そんでよぅ、一般人用の魔道具の試験って意味で試すなら最初に連れて来てぇヤツが居るんだがそいつに装備させて連れてっても良いか?」

「俺の事を知らない人はなぁ・・・。」

「それなら大丈夫だ。」

「?・・・ハロルドか?」

「いや、もっと身近なヤツだ。」

「身近?・・・もしかしてシェリーさんか?」

「おう、そうだ。」

「え?シェリーさんならもう既に迷宮に潜ってるんじゃないのか?」

「そうなんだがよぅ、元々やる気がねぇ上に戦闘センスもねぇから全然進んでねぇんだ。」

「誰かと一緒に行ってないのか?」

「俺達は色々忙しかったろ?」

「・・・そうだな。」

「かといって攻略組の連中に頼むにも本人がやる気ねぇのに連れてったら他の連中に危険が及ぶかもしんねぇって事で進んでないんだ。」

「それなら俺達が行く時に一気に強くしてしまおうって事か?」

「まぁ・・・そうだな。」

「そうかぁ・・・それならルークは昼から修行に戻ってくれ。その代わりに行けるかどうかは分からないが客観的に性能を見る事が出来そうな、ハロルドとセバスも連れて行く事にするよ。」

「セバスはかなり強いぞ。初級なんて意味は無いだろ?それにハロルドは無理した所為で戦える身体じゃないって話だぞ。」

「別に戦う必要は無いっていうより性能テストだからな。」

「なるほどな。」
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