38 / 48
38:(元)側妃視点4
しおりを挟む「新しいドレスが作れないって、どういう事よ!?」
お金の管理をしているって人が部屋に来て、今季の社交用のドレスが作れないって言ってきた。
「橋がなくなり、帝国からの輸入品の値段が10倍に跳ね上がったのです。そのせいで、物価が全て上がりました」
「だから何?あの女がいなくなった分、お金は浮いたでしょ?」
ドレスや宝石は私物だとしても、食費や王宮付メイドの給料なんかは払ってやってたのよね?
「正妃様がいなくなった分浮いた金額より、辺境伯家や今回帝国領になった伯爵家や子爵家の収めていた税金の方が何百倍も多いですから」
何コイツ、私の事馬鹿にしてるみたいな溜息吐かないでよ!
「正妃は私です!」
凄い冷たい目で見られた。
「そうでした。他国で大勢の前で恥を晒し、数多の国に外交を切られる原因になった王太子の正妃は貴女でしたね」
そう。あの女の店の事を知らなかっただけで、外交を切ってきた国がたくさんあった。
『たかが店を知らなかったから外交を切るような国はこちらからお断りです』って言ったら、お義父様に怒られた。
『妻に外交を任せきりにした上に、その妻が何をしていたかすら知らない王子がいる国など、信用されるわけがない』
なんて、意味わからない説教までされた。
そうだ、全部あの女が悪いんだから、いしゃりょう?とか言うのもらえば良いんじゃない?
だって、この岩山に囲まれた地域は全部王国のものなんでしょ?
だったら勝手に橋を無くしても、税金を払う義務もあるじゃない。
橋を壊した「いしゃりょう」と、税金をもらおう。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1,207
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる