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森の中の貴族の少女

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宰相と呼ばれていると言うことはあの男がエリザベートの父親なのだろう、父親の前には座り込み抱き合って震えている馬鹿王子と馬鹿女が居るのとその周りには制服を着た男たちが倒れている。
エリザベートはそれほど父親に愛されているのだろうな。



「しっ、しかし、エリザベートはアイリスを虐めていたんだぞ!」

「あ゛? 私の可愛いエリーがそこの女を虐めていたと? 妻に似て美しくて賢い私の天使がそこの女に嫉妬して虐めていたと? そこの美しくも賢くもなさそうな女を??」



父親の手からは火花がパチパチとしているがそれを見た軍人たちが更に慌てて父親を抑え込んでる、残った軍人は何か煙のような物を出してる。
何かの合図だろうがそれを意味しているのは何かわからない、しかし軍人が必死な顔をしているので大事なことなのだろう。



「宰相、落ち着いて下さい! 今やることは第二王子を締めることではなくお嬢様を探すことでしょう!」

「そうですよ! 森に向かったのはわかったんですから探しに行きま……いや、俺らが絶対に見つけるんで宰相は城に戻ってて下さい!」

「可愛いエリーは私が迎えに来るのを待ってるんだぞ! 城になんて行ってられるか!!」



ギャーギャーと騒いでいる父親と軍人の様子を眺めていたが門の方から更に豪華な……と言うか王冠を頭に乗せてる王様みたいな男と綺麗な青色のドレスを着た女性が歩いて来た。
ふむ、地蔵鑑定で見てみたがやはりあの王冠を乗せてる男は王様のようだな、ドレスを着た女性はエリザベートの母親のようで慌ててる様子の王様とは違い落ち着いてるようだ。



「リアムっ、何をしておる!?」

「貴様の所の馬鹿息子が私の可愛いエリーを森の奥へ連れ去ったんだぞ! 消し炭にせんと許せん!」

「何を馬鹿なことを言っとる! そこの馬鹿息子はわしが処罰を言い渡すから大人しくしておれ!」

「ち、父上!?」



暴れる父親、止める軍人、説得しようとする王様、泣きそうな馬鹿王子、にこにこと微笑んでる母親、……母親がこの中では一番異質なように見えるが。
母親の手に魔力が集まっているのがわかるので何かしらの魔法を打とうとしているのだろう。



「ユリアも魔法を構築しようとするのは止めろ! 元魔法部隊隊長のお前の魔法だなんてシャレにならん!」

「あら、あの女の狂言を否定せずにこの男との婚約を許したのは可愛いエリーの幸せを思ってなのよ? それなのにエリーよりその女を選んでをエリー森の中に連れ去るなんて私たちに喧嘩を売ってるとしか思えないわ。 私たちはいつ国を出てもいいもの」

「そ、それは止めてくれ! アルソン家に国を出て行かれると困る!」



両親は娘であるエリザベートを溺愛しているようだな、エリザベートの為にはそれはいいが今のエリザベートの姿を見れば本当にあの馬鹿王子は消し炭にされるだろうな、馬鹿王子だけではなくあそこに居る馬鹿女とその取り巻きの馬鹿たちもだろうが。


 


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