ぽっちゃり女子の異世界人生

猫目 しの

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初めての学園

 





……あれからまた数日が経った。

神様の言う通り、私は目覚めると身体を動かそうにも動けない状態にあったのだ。



目が覚めてすぐにアルフが居るのに気づき挨拶をすればアルフに泣かれ、その泣き声を聞いて2階に上がってきたリーフィにも泣かれ、キースにはぐしゃぐしゃと頭を撫でられた。



リーフィから連絡が来たのか数時間後にはクロス、商マスター、ウィルさんも部屋に入ってきた。

ウィルさんには怒られ、商マスターには呆れられ、クロスには抱きつかれたのでもう私は倒れたくない。







身体を動かしてない時が長かったのかリハビリが大変だったし。

リハビリってかお腹が空いたり筋肉が落ちてたりしてたくらいだけどね。









今日やっと店を開店出来ると思ってたのに商マスターに呼ばれたのでアルフと一緒にギルドに向かう。

呼ばれた理由はわかんないけど。









「こんにちは、アヤミ」



「ウィルさん、こんにちは。 今日はどうかしたんですか?」



「ふふっ、それは秘密ですよ。 上でゼイルが待ってます」







楽しそうにしているウィルさんを見ていると何だか嫌な予感がしてくる。

いや、ウィルさんはいつも微笑んでるけど今日は嫌な予感が……。







「よく来たな」





ドアを開ければいつものように椅子に座っている商マスター。

ウィルさんはにこにこしながら私の後ろに居た。









「何かご用ですか?」



「実はファレスに頼みたい事がある。 店を再開する直前ですまないが」







戦マスターや他の人の頼み事なら断る所だが、商マスターに頼まれたら悩むな……。

ウィルさんは店のお得意様でもあるし、何かと気をつかってくれるのは商マスターだからね。







「私に出来る事でしたら」







商マスターがわざわざ私に頼むくらいだから私で役に立てるなら手伝ってあげたいし。

アルフも同じように事を思っているようなので優しく頭を撫でてあげる。







「そうか、頼みたいのは学園の事だ」



「学園って前にボルギルフさんが居た時に話していた学園ですよね?」



「ああ、学園長とは昔ながらの知り合いでな。 それで、食堂のおばちゃんが病気で入院するらしく、しばらくの間誰かに食堂を任せようとの話が出ていてな」








……あー、何だか話が読めてきたぞ。







「是非ファレスに頼みたいんだ」







主人公が教員になる話なら何度か小説で見たことあるけど、食堂のおばちゃん?

あのお残しは許しまへんでーの食堂のおばちゃん?



むしろ、何故に私を推薦する。

  




「1ヶ月ほどで構わない。 食堂のおばちゃんが急に入院することが決まってな、学園の食堂なので信用出来る人を探さなければならないのだが長期で働けて信用出来る人が中々見つからなくてな……」







つまり、信用出来て働ける人を1ヶ月経つまでに探すと。

魔法学園は信用出来る人でなければ働けないと。



……これってめっちゃ私信用されてるんだよね?

あれ、私の勘違いじゃないよね?









「アヤミは料理も得意じゃないですか。 私からもお願いします」







いつの間にか隣に居たウィルさんにビックリする。

後ろに居たはずなのに。









「魔法学園は購買やお弁当を持ってくる子も居るんですが食堂に来る子も多いのです。 王族や貴族も通っててもし適当な人を食堂に入れたら大変になります」





王族や貴族の生徒が毒殺されるかもしれないってことだよね。

……余計に私みたいな庶民でいいの?







「アヤミはオリジナルの料理しか店に出してないから、食堂で作る料理もオリジナルでいい」





確かにこっちの料理って向こうの料理とちょっと所か大分違うからね。

キャベツはキヤペツだし、向こうにあってこっちではまだ発見されてない食材あるし。









「……わかりました」





商マスターやウィルさんにはいつもお世話になってるからね。

出来ることがあるなら手伝おう。







「すまない、三日後から頼む」





「はい、もう帰っていいのですか?」





「ああ、学園の地図は当日にウィルに持って行かせる」





「わかりました。 それでは、失礼します」







ウィルさんと商マスターに軽くお辞儀をすれば私はギルドを出て行く。



……店どうしよう。







 
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