ぽっちゃり女子の異世界人生

猫目 しの

文字の大きさ
171 / 280
妨害の行方

しおりを挟む
 

「コーネリアちゃん……」



ふるふると肩を震わしてるコーネリアちゃん、コーネリアちゃんは繊細なとこもあるからもしかしたら泣いてるもかも……。
コーネリアちゃんに声をかけようとするといきなりコーネリアちゃんが顔を上げた。



「許せませんわ!」


「コ、コーネリアちゃん?」


「今までも私の交友関係に口を出したりしてきてちょっと嫌な気分になったこともありますが、今回は許す許さないの問題ではありません!」



泣いてるかと思って居たけど、むしろお兄さんにぶち切れてるみたい。
過保護過保護だとは知っていたけど……コーネリアちゃんの友好関係にまで口を出すのは間違っているでしょう……。

お兄さんからしたら他人の私が口を出すなって思うかもしれないけど、コーネリアちゃんからしたら交友関係に口出すお兄さんとか絶対嫌だよね。



「まあ、リヒトはやりすぎたな。 今まではコーネリア嬢が我慢してたから何とかなったが今回ばかりはな……。 こりゃ、当主の座も危ないか?」


「こんな嫌がらせをするなんて当主には向いておりません」



えーと、コーネリアちゃんが怒るのはわかるけど、跡目は長男のお兄さんに変わりないんじゃないかな?
貴族のことはしらないけど、こんなちっちゃな嫌がらせをしたぐらいで跡目から外されるなんてないと思うし……。



「黒のは知ってると思うがリヒトはリアスの実の息子じゃないんだよ」


「え……?」


「だから、実子であるコーネリア嬢が本来は婿を取って跡目を継ぐだが……」


「私が当主になるのを嫌がったんです。 実子でも養子でも関係なく優れた者が当主になった方が民も幸せに暮らせることでしょうし……なのに……」



え? そんな貴族事情を私なんかに言っちゃっていいの?
クロスは知っててもおかしくないからあれだけど、私なんて何の関係もないただの一般人なんですけど!

コーネリアちゃんは実子だとかお兄さんは養子だとかあんまり知ってもどうしようもないというか……。



「まあ、私情で動く人間は当主には合わないよな」


「グェンおじ様、今日はお父様は?」


「話し合いがすぐ出来るように関係者はリアスの家に集めてるぜ」


「ありがとうございます」



……どんどん話が進むから私にはもう何が何だかわからないんだけど……。
コーネリアちゃんは何だか張り切ってるし、話し合いってことはコーネリアちゃんとレファール隊長さんはもう行くのかな?



「アヤミさん、行きましょう!」


「え?」


「表に馬車は用意してあるぜ」


「え? ええ?」



私はわけがわからないままコーネリアちゃんに連れられて馬車に乗った。
……帝国の跡目争いは回避出来たんだからこっちの跡目争いも回避したいんだけど……!


 
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

私の薬華異堂薬局は異世界につくるのだ

柚木 潤
ファンタジー
 薬剤師の舞は、亡くなった祖父から託された鍵で秘密の扉を開けると、不思議な薬が書いてある古びた書物を見つけた。  そしてその扉の中に届いた異世界からの手紙に導かれその世界に転移すると、そこは人間だけでなく魔人、精霊、翼人などが存在する世界であった。  舞はその世界の魔人の王に見合う女性になる為に、異世界で勉強する事を決断する。  舞は薬師大学校に聴講生として入るのだが、のんびりと学生をしている状況にはならなかった。  以前も現れた黒い影の集合体や、舞を監視する存在が見え隠れし始めたのだ・・・ 「薬華異堂薬局のお仕事は異世界にもあったのだ」の続編になります。  主人公「舞」は異世界に拠点を移し、薬師大学校での学生生活が始まります。  前作で起きた話の説明も間に挟みながら書いていく予定なので、前作を読んでいなくてもわかるようにしていこうと思います。  また、意外なその異世界の秘密や、新たな敵というべき存在も現れる予定なので、前作と合わせて読んでいただけると嬉しいです。  以前の登場人物についてもプロローグのに軽く記載しましたので、よかったら参考にしてください。  

規格外で転生した私の誤魔化しライフ 〜旅行マニアの異世界無双旅〜

ケイソウ
ファンタジー
チビで陰キャラでモブ子の桜井紅子は、楽しみにしていたバス旅行へ向かう途中、突然の事故で命を絶たれた。 死後の世界で女神に異世界へ転生されたが、女神の趣向で変装する羽目になり、渡されたアイテムと備わったスキルをもとに、異世界を満喫しようと冒険者の資格を取る。生活にも慣れて各地を巡る旅を計画するも、国の要請で冒険者が遠征に駆り出される事態に……。

最底辺の転生者──2匹の捨て子を育む赤ん坊!?の異世界修行の旅

散歩道 猫ノ子
ファンタジー
捨てられてしまった2匹の神獣と育む異世界育成ファンタジー 2匹のねこのこを育む、ほのぼの育成異世界生活です。 人間の汚さを知る主人公が、動物のように純粋で無垢な女の子2人に振り回されつつ、振り回すそんな物語です。 主人公は最強ですが、基本的に最強しませんのでご了承くださいm(*_ _)m

魔晶石ハンター ~ 転生チート少女の数奇な職業活動の軌跡

サクラ近衛将監
ファンタジー
 女神様のミスで事故死したOLの大滝留美は、地球世界での転生が難しいために、神々の伝手により異世界アスレオールに転生し、シルヴィ・デルトンとして生を受けるが、前世の記憶は11歳の成人の儀まで封印され、その儀式の最中に前世の記憶ととともに職業を神から告げられた。  シルヴィの与えられた職業は魔晶石採掘師と魔晶石加工師の二つだったが、シルヴィはその職業を知らなかった。  シルヴィの将来や如何に?  毎週木曜日午後10時に投稿予定です。

城で侍女をしているマリアンネと申します。お給金の良いお仕事ありませんか?

甘寧
ファンタジー
「武闘家貴族」「脳筋貴族」と呼ばれていた元子爵令嬢のマリアンネ。 友人に騙され多額の借金を作った脳筋父のせいで、屋敷、領土を差し押さえられ事実上の没落となり、その借金を返済する為、城で侍女の仕事をしつつ得意な武力を活かし副業で「便利屋」を掛け持ちしながら借金返済の為、奮闘する毎日。 マリアンネに執着するオネエ王子やマリアンネを取り巻く人達と様々な試練を越えていく。借金返済の為に…… そんなある日、便利屋の上司ゴリさんからの指令で幽霊屋敷を調査する事になり…… 武闘家令嬢と呼ばれいたマリアンネの、借金返済までを綴った物語

【本編完結】転生隠者の転生記録———怠惰?冒険?魔法?全ては、その心の赴くままに……

ひらえす
ファンタジー
後にリッカと名乗る者は、それなりに生きて、たぶん一度死んだ。そして、その人生の苦難の8割程度が、神の不手際による物だと告げられる。  そんな前世の反動なのか、本人的には怠惰でマイペースな異世界ライフを満喫するはず……が、しかし。自分に素直になって暮らしていこうとする主人公のズレっぷり故に引き起こされたり掘り起こされたり巻き込まれていったり、時には外から眺めてみたり…の物語になりつつあります。 ※小説家になろう様、アルファポリス様、カクヨム様でほぼ同時投稿しています。 ※残酷描写は保険です。 ※誤字脱字多いと思います。教えてくださると助かります。

【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。

BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。 辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん?? 私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?

【第2章完結】王位を捨てた元王子、冒険者として新たな人生を歩む

凪木桜
ファンタジー
かつて王国の次期国王候補と期待されながらも、自ら王位を捨てた元王子レオン。彼は自由を求め、名もなき冒険者として歩み始める。しかし、貴族社会で培った知識と騎士団で鍛えた剣技は、新たな世界で否応なく彼を際立たせる。ギルドでの成長、仲間との出会い、そして迫り来る王国の影——。過去と向き合いながらも、自らの道を切り開くレオンの冒険譚が今、幕を開ける!

処理中です...