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妨害の行方
⑨
しおりを挟む「コーネリアちゃん……」
ふるふると肩を震わしてるコーネリアちゃん、コーネリアちゃんは繊細なとこもあるからもしかしたら泣いてるもかも……。
コーネリアちゃんに声をかけようとするといきなりコーネリアちゃんが顔を上げた。
「許せませんわ!」
「コ、コーネリアちゃん?」
「今までも私の交友関係に口を出したりしてきてちょっと嫌な気分になったこともありますが、今回は許す許さないの問題ではありません!」
泣いてるかと思って居たけど、むしろお兄さんにぶち切れてるみたい。
過保護過保護だとは知っていたけど……コーネリアちゃんの友好関係にまで口を出すのは間違っているでしょう……。
お兄さんからしたら他人の私が口を出すなって思うかもしれないけど、コーネリアちゃんからしたら交友関係に口出すお兄さんとか絶対嫌だよね。
「まあ、リヒトはやりすぎたな。 今まではコーネリア嬢が我慢してたから何とかなったが今回ばかりはな……。 こりゃ、当主の座も危ないか?」
「こんな嫌がらせをするなんて当主には向いておりません」
えーと、コーネリアちゃんが怒るのはわかるけど、跡目は長男のお兄さんに変わりないんじゃないかな?
貴族のことはしらないけど、こんなちっちゃな嫌がらせをしたぐらいで跡目から外されるなんてないと思うし……。
「黒のは知ってると思うがリヒトはリアスの実の息子じゃないんだよ」
「え……?」
「だから、実子であるコーネリア嬢が本来は婿を取って跡目を継ぐだが……」
「私が当主になるのを嫌がったんです。 実子でも養子でも関係なく優れた者が当主になった方が民も幸せに暮らせることでしょうし……なのに……」
え? そんな貴族事情を私なんかに言っちゃっていいの?
クロスは知っててもおかしくないからあれだけど、私なんて何の関係もないただの一般人なんですけど!
コーネリアちゃんは実子だとかお兄さんは養子だとかあんまり知ってもどうしようもないというか……。
「まあ、私情で動く人間は当主には合わないよな」
「グェンおじ様、今日はお父様は?」
「話し合いがすぐ出来るように関係者はリアスの家に集めてるぜ」
「ありがとうございます」
……どんどん話が進むから私にはもう何が何だかわからないんだけど……。
コーネリアちゃんは何だか張り切ってるし、話し合いってことはコーネリアちゃんとレファール隊長さんはもう行くのかな?
「アヤミさん、行きましょう!」
「え?」
「表に馬車は用意してあるぜ」
「え? ええ?」
私はわけがわからないままコーネリアちゃんに連れられて馬車に乗った。
……帝国の跡目争いは回避出来たんだからこっちの跡目争いも回避したいんだけど……!
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