最低なふたり

白夜

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17話 回り始める運命

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最低なふたり17


速水side

禁欲生活をして一週間が経った頃

『だいき。今日だいきの家に行ってもいい?』

『っ///あ…うんっ///』

『なに赤くなってるの?』

『なんか…もう、やるぞって感じだからさっ///』

『うん!きっと今日は大丈夫!睡眠もばっちりだし、栄養もいっぱいつけたし、なんならマカも飲み始めたし!』

『っ///そんなの飲むなってっ!!』
だいきはすごく嬉しそうだった

これで、よかったんだと思う。

俺はだいきで、蓮くんはあべちゃん。

それでいい。

どれが一番幸せなのかもしれない。

お互い好きになってくれた人に愛される…それでいい。

それでいい。

先にお仕事を終えただいきが家で待ててくれて、だいきの家に行くとすでに夕飯が準備されていて、なんだかいつもよりロマンチックな雰囲気だということに気が付いた。

『なんか…部屋の雰囲気違くない?』

『っ///久しぶりのえっちやから…なんか、気合入れてみた(笑)』

『えっちするのに気合入れるんや(笑)』

楽しくご飯食べて、お風呂に入った

寝室では間接照明が仄かにだいきのカラダを照らしてて

だいきはいつもよりいい匂いがして
『なんか…恥ずかしいなぁ///まるで初めてみたいでっ…緊張するわっ』
って、頬を染めた

『初めてじゃないだろ?…でも、まぁ~確かに…緊張するかな…』

俺の緊張の理由は…そう!

…俺…勃つかな?


大丈夫…あれから、かなり調べて勃たない理由を全部潰した。
睡眠不足に栄養不足、足りない栄養とマカのお力も借りて、万全の準備をした。

『だいき…』

『…やまと…』

ゆっくりと唇を重ねて、舌を絡めた。
戸惑うように重ねた唇も、絡み合う舌もどこかぎこちなくて


それは本当に初めてみたいな感じだった。


何度か歯が当たって、ちょっとだけ気まづい空気が流れたけど、そのままキスを続けて

だいきから吐息が零れた

大丈夫…きっと、勃つ…

俺の気持ちはただそれだけだった


勃つかそれだけが心配で…

そもそも、俺キス好きだし。
絡む舌が気持ちいいし、混ざり合う唾液さえも甘く感じるはず…

でも、だいきとキスしててそう感じたことはなかったかも?

蓮くんとのキスは気持ちがいい。
舌の動きさえもなんだか合ってて、歯をぶつけたことなんてなかった…

キスするだけで心が蕩けそうになるそんなキスが、俺は好きだ!


それでも、蓮くんはキス…嫌いなんだろ?
なんだか不思議な気持ちだった

キスが嫌いな風にぜんぜん見えなかったから。



零れた吐息の隙間から
『ハァ♡…ンンっ///…』って、えっちな声が零れる


可愛いだいき

可愛いって思うのに…全然反応してくれなくて…
だいきの手が俺のモノに触れて、確認する


自分でもわかる…

まだ柔らかいソレ

『大丈夫…きっと、大丈夫』って、だいきが俺を慰めてくれた

カラダは溜まっているはずなのに…
一週間抜いてないんやから…嫌でも反応するはずだろ?

それなのに…

どうしたんだよっ!!俺!!


だいきとキスしても、だいきが俺のモノ咥えても…

だいきの事感じさせても、指でイかしても…

俺のモノが反応することはなかった。



『…………気にすることないよ』
だいきが優しく言った


それでも、やっぱり俺はすごくショックで

『…ごめん。俺、帰るわ』


そんな俺をだいきは精一杯の笑顔で見送った


だいきだってきっと楽しみにしていたはずだ!
部屋の雰囲気だって、食事だって、全部気合が入っていた


それなのに…俺は…


なんで?

なんでこうなってしまったのだろう?



俺、もう…勃たないのかもしれない…


だいきの家からの帰り道、ふらふらと宛てもなく、夜の街を歩いてた。

なんだか少し寂しい気持ちになって。

俺、もう…えっちな事できないのかも?って思った。



深夜12時、静まり返った街を家に向かって歩いている時だった。



向かいの歩道を歩く見慣れた服…


え?


蓮くん?


『れーんーくーん』


気が付けば大声でその名を呼んでいた。



『え?はやみ?』




なんで、こんな時に逢ってしまったのだろう…


ふたりの歯車が回り始める
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