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23話 声我慢しなくていいよ
しおりを挟むきっと、これが最後のキス。
優しいキスをした。
今までなんか比べ物にならないくらいの、優しい優しいキス。
このキスは俺のものって思ってもいいですか?
誰かを想ってしているキスじゃなくて、俺にしてくれているキスってことですよね?
友也さんの舌は、俺の口内にゆっくりと侵入してきて、俺の心を支配する。
息をする事さえも忘れてしまうような、甘い甘いキス。
これが友也さんのキスなんだ…。
キスが上手いと思っていたけど、今までのキスはただの排泄行動の準備。
ヤるための準備のキス。でも、このキスは違った。
俺を気持ちよくさせるために、俺のことを思ってくれているキスだ…。
優しいから、余計に悲しくなってしまう。
俺を見つめて…
『遼平♡…キレイな顔っ!』そう言った。
いつも言うセリフ…今日はちゃんと俺を見てくれた。
それだけで涙が溢れそうだった。
そのまま首筋に唇を這わせる友也さん。
柔らかな唇の感触が心地よくて、器用な指が俺の体中をなぞっていく。
どこまでも優しい指が、痛いくらいに愛おしい。
いつもとは全然違う愛撫に困惑すらしてしまう。
えっちが上手だと思っていたけど…今までなんて比べようもないほど丁寧で優しいえっち。
いつもとは違うえっちに、ドキドキしてしまう。
『ハァハァっ♡……んんっ♡///…はぁはぁっ♡』
『ふふっ♡りょうへい♡可愛い♡…初めてみたいな反応してる。』
…初めてです。
あなたが俺を…俺だと認識して抱いてくれるのは…。
それなのに、飼いならされたカラダは簡単に次の刺激を予想して、濡れてしまう。
『初めてみたいに戸惑ってるのに、カラダはこんなにえっちなの?』
いじわるな問いかけをする友也さんも、いつもと違う。
いつもはもっと余裕がなくて、切羽詰まっていて吐き出すだけ吐き出すって感じなのに、今日は俺をめちゃくちゃに可愛がってくれる。
俺のモノを握って、にやりと不敵な笑みを浮かべて
『今日はどっちもイかせてあげる!前も!後ろも!』
昂っている先端を、友也さんの指が円を描くようにくるくると撫でると、ぬるっとした体液で友也さんの指が濡れる。
くちゅにゅちゅっと扱かれて、その刺激に耐えられず声を上げてしまった。
『あぁあんっ///っ』
俺は慌てて口元を押さえた。
ともやさんは、俺の手をそっと握って
『今日は声我慢しなくていいよ。遼平を抱いてるから…いつもごめんな…』
何もかも報われた言葉だった。
俺が声を我慢していた事…気が付いてたんだ…。
『今日はいっぱい鳴かせるから!覚悟しとけよっ!!』
『…はいっ///』
嬉しいのに…涙なんて今までたくさん我慢してきたのに…
なんで、今日に限って零れてしまうのだろう…
ポロポロっと涙が零れて、一生懸命に手の甲で拭った。
少し困った顔の友也さんは
『そういう泣かせるじゃないんだけどなぁ~。りょうへいのキレイな顔が台無しだぞ!!』
俺は溢れてくる涙を拭いながら
『…俺っ…泣いててもっ…イケメンなんでっ!』
泣きながら言ったら…
『ほんとだっ!ははぁ!』
友也さんは笑ってくれた。
その後、そっと涙を拭ってくれて頬にキスをくれた。
そのキスは、まるで泣いている子供にお母さんがキスしてるみたいなそんな優しいキスだった。
そのキスとは真逆に、どこまでもいやらしく動く器用な手が俺のモノを執拗に弄んでいる。
くちゅくちゅと卑猥な音を立てて、俺はどんどん気持ちよくなっていく。
『んんっ///…ともやさんっ♡…もうっ…だめっ…ですっ///♡』
『まだまだ足りないだろ?これからもっといいことシよ!!』
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