【R18】この恋止めて下さいっ!!

白夜

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29話 俺の恋の物語

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思いの他すっきり目覚めた朝だった。


恋の終わりを祝福するみたいな穏やかな朝だった。



あれだけ泣いていたから、このままだと次の日パンパンに腫れるよって、一ノ瀬くんが一度部屋に戻って冷やすものを持って来てくれた。

そのお陰であまり腫れずに、すっきりとしていた。

心もどこかスッキリしていたのかもしれない。


一番乗りでロビーに下りて、みんなを待っていた。

次に一ノ瀬くんがやって来た。

『おはよう。腫れなかったみたいだね。』

俺の顔を覗き込んで、いつも通りの爽やかな笑顔で言った。


『…うんっ///…ありがとう。』

昨日は気が付かなかったけど…一ノ瀬くんがモテモテな意味がよく分かった。
爽やかなうえに、優しい…そして…キレイな顔してるんだな…。

なんて…不覚にも思ってしまった。



『おはようっ!!』

『おはようっ!!』


仁さんと友也さんがふたり揃って登場した。

ふたりの距離が、近くなっていることに気が付かない訳がない。


いつもより仲良しで、どことなく恥ずかしそうで…でも幸せそうなふたり。

ふたり…上手くいったんだなぁって思った。

不思議と嫉妬や嫉みは無かった。


帰りの新幹線でも、ふたりはイチャイチャしていて、見ているこっちが恥ずかしくなるくらいだった。

そんなふたりのイチャイチャを見たら、もっと悲しくて苦しくなると思っていたのに…。


意外と冷静に、ふたりを見れている自分がいた。


あのふたり…上手くいったんだな。よかった…。
やっとふたりの恋が、実ったという充実感さえ味わえるくらいになっていた。


たぶん、心のどこかで覚悟していたんだろう。

こうなることは自然なことで、わかっていたことなのだ。


そして、後日ふたりからは別々にお礼のメールが来ていた。


【遼平ありがとう。りょうへいのおかげで友也と付き合うことになった。ほんとに、ありがとう!!】

【遼平ありがとう。仁さんと付き合うことになった。そして…背中を押してくれてありがとう。遼平がいなかったらきっと、仁さんと付き合うことなんてなかったと思う。】


そのメールを見ても、不思議なくらいに悲しくならなかった。

俺のおかげなんだから、今度ふたりにはなんかおごってもらおうかな?

なんて思えるようになった。

そう思えるようになったのは…


『遼平!夜メシ行こう!』

『遼平!ちゃんと朝食べた?』

『遼平!姿勢悪い!』


遼平…遼平って俺のすぐそばで、俺を心配してくれる人がいるらしい。


『うっさいっ!』


そんな俺に

『お前気づいてないの?一ノ瀬お前の事…ふふっ。お前意外と鈍いんだな』


なんて仁さんに言われた。

散々拗らせていた仁さんにだけは言われたくない!!



『一ノ瀬!今日はお前のおごりな~』

爽やかなイケメンに言った。皆の視線を釘付けにして!!



『え~!仕方ないっ!なに食べる?』


俺の恋がひとつ終わった。


苦しい恋だった。


でも、俺は次へ進めるのかもしれない。


次の恋は止まることなく、終わることなく…



愛に変わっていきますように。








                終わり

















拙い文章を最後まで読んで下さった皆さん。

ありがとうございました。


苦しい恋でしたが、最後はハッピーエンドに♡

今後も他の作品も書いていきたいと思いますので、よろしくお願いします。


   白夜


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