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誕生
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「おめでとうございますっ!!元気な男の子だよ!頑張ったね…伊織ちゃん…」
私は痛みからの解放がまず嬉しかった。
とにかくホッとして…
自分が落ち着いて、はじめて赤ちゃんの泣き声が聞こえた。
あー…
私本当に産んだんだ…
助産師さんが私の胸に赤ちゃんをそっと置いた。
呆然としていた私に赤ちゃんは泣いていて…
自然と彼の手を触れた。
その瞬間
何かが爆発したかのように愛おしさが湧き出した。
涙が出て…
こんなにも小さくて…
それでも私の指を強く握ってくる。
まるでもう「母親」を認識しているかのように…
強く握って離さない。
私はその子をそっと抱きしめ涙した。
神さま…
お願い…
私からこの子を取り上げないで…
一度だって私の願い聞いてくれた事ないじゃん…
一回だけでいい。
これが最後のお願いでいい。
この子の母親でいさせて…
私からこの子を奪わないで…
彼を抱きしめていると…非情にも先生が私たちを引き離す言葉を静かに言った。
「伊織ちゃん…もう連れてくね…」
私の腕の中から奪おうとする。
私は首を大きく振った。
泣きながら
「連れて行かないで…先生…
私にはこの子しかいないの…
…こんなに小さいのに…こんなに私の指を強く握ってくれてるのに…」
「伊織ちゃん…」
「っ…!…やだっ…やだよぉ…
せんせ…い…
お願い…」
どんなにお願いしても無駄だった…
動けずにいる先生の代わりに助産師さんが私の腕から彼を抱き上げた。
そして振り向きもせず…出て行こうとする。
「待ってっ…」
もうダメだ…
この子は奪われる…
「だっ大地っ…
幸せに…ごめんねぇ…
ママ何もできなくて…
どうか幸せに…
両親になってくれる人達にたくさんたくさん愛されますように…
君の名前はママの中では、”大地“だよ…
大好き…だい…ち…」
そして扉は閉まった。
私は
大声で泣き叫んだ。
愛しい我が子と永遠の別れ。
私の赤ちゃん。
どうしてこうなった…
私…どこから間違えていたんだろう…
大地…
愛してる…
君と過ごせた親子での時間は
たった“数分間”だったけど…
もう二度と会えないけど…
愛してる…
私は痛みからの解放がまず嬉しかった。
とにかくホッとして…
自分が落ち着いて、はじめて赤ちゃんの泣き声が聞こえた。
あー…
私本当に産んだんだ…
助産師さんが私の胸に赤ちゃんをそっと置いた。
呆然としていた私に赤ちゃんは泣いていて…
自然と彼の手を触れた。
その瞬間
何かが爆発したかのように愛おしさが湧き出した。
涙が出て…
こんなにも小さくて…
それでも私の指を強く握ってくる。
まるでもう「母親」を認識しているかのように…
強く握って離さない。
私はその子をそっと抱きしめ涙した。
神さま…
お願い…
私からこの子を取り上げないで…
一度だって私の願い聞いてくれた事ないじゃん…
一回だけでいい。
これが最後のお願いでいい。
この子の母親でいさせて…
私からこの子を奪わないで…
彼を抱きしめていると…非情にも先生が私たちを引き離す言葉を静かに言った。
「伊織ちゃん…もう連れてくね…」
私の腕の中から奪おうとする。
私は首を大きく振った。
泣きながら
「連れて行かないで…先生…
私にはこの子しかいないの…
…こんなに小さいのに…こんなに私の指を強く握ってくれてるのに…」
「伊織ちゃん…」
「っ…!…やだっ…やだよぉ…
せんせ…い…
お願い…」
どんなにお願いしても無駄だった…
動けずにいる先生の代わりに助産師さんが私の腕から彼を抱き上げた。
そして振り向きもせず…出て行こうとする。
「待ってっ…」
もうダメだ…
この子は奪われる…
「だっ大地っ…
幸せに…ごめんねぇ…
ママ何もできなくて…
どうか幸せに…
両親になってくれる人達にたくさんたくさん愛されますように…
君の名前はママの中では、”大地“だよ…
大好き…だい…ち…」
そして扉は閉まった。
私は
大声で泣き叫んだ。
愛しい我が子と永遠の別れ。
私の赤ちゃん。
どうしてこうなった…
私…どこから間違えていたんだろう…
大地…
愛してる…
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たった“数分間”だったけど…
もう二度と会えないけど…
愛してる…
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