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第二章
絶望
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広大と会う日。
私は朝からドキドキしていた。
しっかりメイクもして…
「よしっ!」
顔をパチパチと叩いて出かけた。
待ち合わせのお店に着くと広大はもう来ていた。
席について
「…久しぶりだね」
と声をかけた。
「うん…」
気まずい空気が流れる。
それでも近況報告や子供たちの話をしながら食事をした。
食事が片付いて…
また沈黙。
話さなくては…
緊張感で手が汗ばむ。
「あ、あのねっ」
「うん」
「あれから1年近く経って…私も色々考えたんだ。
私にも悪いところがあったんだろうし…
でもやっと心が穏やかになって…そしたらね、やっぱり広大と一緒にいたいって。
一緒にバカみたいな事で笑って、毎日家に帰って来ると安心するみたいな?
そんな家族にまた戻りたい…
あの時の話は今日限りでもうお互い二度としない。
全部忘れて、また一緒に生きていこ…?」
私は広大は喜んで帰って来ると思っていた。
だって広大は私をとても愛していたから。
でも広大はしばらく無言で、やっと口を開いた。
「家には帰りたくない」
私はあまりにも意外な言葉に
「えっ?」
と目を丸くさせた。
理解が出来ず…
「それは…り…離婚したいってこと?」
「………いや……離婚はしたくない。でも家には帰りたくない。このままがいい」
「離婚はしないけど、このまま別居生活をずっとしたい?それが広大の望む事?
私とはもう一緒にいたくないってこと…?」
「一緒にいたくないっっていうか…」
と、ずっとモゴモゴしている。
聞き取るのが大変なくらい小さな声で。
私はどんどん腹が立ってきた。
それと同時に涙が溢れていた。
「なにそれ…っ…全然分からないよ…」
「すみません…」
と他人行儀に頭を下げた。
私は下を向きボロボロ泣いた。
あぁ…
この人はまだあの女と続いてるのかもしれない…
それともこの1年でまた違う女が出来たのかもしれない。
単純に1人になって自由な時間が出来て、それを手放したくないのかもしれない。
そんな事を考えながら
「子供たちは…?広大が帰って来るってきっと信じてるよ…?辛い思いまださせるの…?」
泣きながら訴えた。
しかし広大は冷静に
「…俺にとって1番は俺自身。
その次が伊織。
子供は最後」
そう悪びれもなく言い放った。
私はあまりの衝撃に言葉を失った。
そうか…
だから「あの日」足が折れた私をまたいで逃げたんだ。
だから家を出て行く時、玄関先で泣いている風花と空美を振り払って出て行けたんだ。
そこに海斗がいない事も気づかなかったんだ。
だから空美を授かった時、平気で“おろせ”と言えたんだ…
この人は全てが「自分」だけだったんだ…
私は二度地獄に叩き落とされた気分だった。
さっきまで見えてた光が消え、私はまた暗闇に戻ってしまった…
答えを出せず…
この日は別々にお店を出て、私は家路に着いた。
私は朝からドキドキしていた。
しっかりメイクもして…
「よしっ!」
顔をパチパチと叩いて出かけた。
待ち合わせのお店に着くと広大はもう来ていた。
席について
「…久しぶりだね」
と声をかけた。
「うん…」
気まずい空気が流れる。
それでも近況報告や子供たちの話をしながら食事をした。
食事が片付いて…
また沈黙。
話さなくては…
緊張感で手が汗ばむ。
「あ、あのねっ」
「うん」
「あれから1年近く経って…私も色々考えたんだ。
私にも悪いところがあったんだろうし…
でもやっと心が穏やかになって…そしたらね、やっぱり広大と一緒にいたいって。
一緒にバカみたいな事で笑って、毎日家に帰って来ると安心するみたいな?
そんな家族にまた戻りたい…
あの時の話は今日限りでもうお互い二度としない。
全部忘れて、また一緒に生きていこ…?」
私は広大は喜んで帰って来ると思っていた。
だって広大は私をとても愛していたから。
でも広大はしばらく無言で、やっと口を開いた。
「家には帰りたくない」
私はあまりにも意外な言葉に
「えっ?」
と目を丸くさせた。
理解が出来ず…
「それは…り…離婚したいってこと?」
「………いや……離婚はしたくない。でも家には帰りたくない。このままがいい」
「離婚はしないけど、このまま別居生活をずっとしたい?それが広大の望む事?
私とはもう一緒にいたくないってこと…?」
「一緒にいたくないっっていうか…」
と、ずっとモゴモゴしている。
聞き取るのが大変なくらい小さな声で。
私はどんどん腹が立ってきた。
それと同時に涙が溢れていた。
「なにそれ…っ…全然分からないよ…」
「すみません…」
と他人行儀に頭を下げた。
私は下を向きボロボロ泣いた。
あぁ…
この人はまだあの女と続いてるのかもしれない…
それともこの1年でまた違う女が出来たのかもしれない。
単純に1人になって自由な時間が出来て、それを手放したくないのかもしれない。
そんな事を考えながら
「子供たちは…?広大が帰って来るってきっと信じてるよ…?辛い思いまださせるの…?」
泣きながら訴えた。
しかし広大は冷静に
「…俺にとって1番は俺自身。
その次が伊織。
子供は最後」
そう悪びれもなく言い放った。
私はあまりの衝撃に言葉を失った。
そうか…
だから「あの日」足が折れた私をまたいで逃げたんだ。
だから家を出て行く時、玄関先で泣いている風花と空美を振り払って出て行けたんだ。
そこに海斗がいない事も気づかなかったんだ。
だから空美を授かった時、平気で“おろせ”と言えたんだ…
この人は全てが「自分」だけだったんだ…
私は二度地獄に叩き落とされた気分だった。
さっきまで見えてた光が消え、私はまた暗闇に戻ってしまった…
答えを出せず…
この日は別々にお店を出て、私は家路に着いた。
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