1 / 1
死亡 転生
しおりを挟む
俺の親友の杉崎遥《すぎさきはるか》が事故に遭った。
自動車の死角を通ってしまっていたらしく不運にも撥ねられたそうだ。
今は運ばれた病院で眠っているが正直目覚めることは難しいと医者に言われたのだと彼の両親から聞いた。
顔を覆って泣いているご両親の前で自分まで号泣するわけにもいかなかったので俯いて病室から去った。
「帰らなくてもいいのに」と言っていた二人だったが
居られる心の余裕がなかったので断って帰った。
「遥...。」
誰へ向けるでもない呼び声は自分の中でのみ虚しく響いた。
「ただいま...。」
「あらおかえり、どうだった?遥くん。」
母さんが心配そうな顔で聞いてくる。
「死んじゃうかもしれないって...。」
「そ、そう...。深刻な状況なのね。
目を覚ましてくれればいいわね。」
酷く落ち込んでいる俺を見て母さんはより不安そうになった。
「課題やるから...。」
そう言って自分の部屋に戻ったが、当然課題なんてやる気が出るはずもなく、気力もないわけで。
意味もなくベッドに顔を伏せては上げて遥の親から目覚めたという連絡が入るのを待った。
数時間が経っても尚、連絡なんて来なかった。
「やべ、、寝てた。」
心も体も疲れていたらしい。
静かな部屋の中で寝てたことを自分に報告する。
「やっぱ連絡は来ないか。」
やけに小腹が減ったがご飯を食べるような気にもなれなかったのでこっそりと家を抜け出し、真っ暗な中一人でコンビニへ出かけた。
高校生だからそれが普通だけれど。
「ふぅ...」
コンビニからの帰宅途中の信号待ちは長く感じた。
ドンッ。
誰かがぶつかってきた。
同時に体が車道へ飛び出る。
「ぁ...。」
体を物凄い衝撃が襲い、一瞬で地面に打ち付けられた。
音を聞きつけたであろう近所の住民が窓から顔を出して、よく見えもしない事故を発見して悲鳴を上げた。
「き、救急車!」
女の人の声が聞こえたところで意識が途切れた。
「...か。はるか...遥!」
俺は薫だ、遥は親友の杉崎遥で。
あ!もしかして遥が目覚めたのか。
でも目を開いたのは俺だった。
だったらどうして俺は遥って呼ばれてるんだ...?
「遥っ!」
目を開けた俺を見るなり遥の両親が泣いて喜んでいる。
もしかして、俺が遥になったのか。
「か...がみ..ある?」
出にくい声を必死に絞り出して鏡を要求する。
「鏡?あるけど。どうして?」
遥の母親は鏡を手渡して聞いてきた。
鏡を見るとそこには一つも違うところが見当たらない遥の姿があった。
俺が遥!?
心の中で叫んだ。
どうやら俺は死んで、何があったか生まれ変わった..?らしい。
自動車の死角を通ってしまっていたらしく不運にも撥ねられたそうだ。
今は運ばれた病院で眠っているが正直目覚めることは難しいと医者に言われたのだと彼の両親から聞いた。
顔を覆って泣いているご両親の前で自分まで号泣するわけにもいかなかったので俯いて病室から去った。
「帰らなくてもいいのに」と言っていた二人だったが
居られる心の余裕がなかったので断って帰った。
「遥...。」
誰へ向けるでもない呼び声は自分の中でのみ虚しく響いた。
「ただいま...。」
「あらおかえり、どうだった?遥くん。」
母さんが心配そうな顔で聞いてくる。
「死んじゃうかもしれないって...。」
「そ、そう...。深刻な状況なのね。
目を覚ましてくれればいいわね。」
酷く落ち込んでいる俺を見て母さんはより不安そうになった。
「課題やるから...。」
そう言って自分の部屋に戻ったが、当然課題なんてやる気が出るはずもなく、気力もないわけで。
意味もなくベッドに顔を伏せては上げて遥の親から目覚めたという連絡が入るのを待った。
数時間が経っても尚、連絡なんて来なかった。
「やべ、、寝てた。」
心も体も疲れていたらしい。
静かな部屋の中で寝てたことを自分に報告する。
「やっぱ連絡は来ないか。」
やけに小腹が減ったがご飯を食べるような気にもなれなかったのでこっそりと家を抜け出し、真っ暗な中一人でコンビニへ出かけた。
高校生だからそれが普通だけれど。
「ふぅ...」
コンビニからの帰宅途中の信号待ちは長く感じた。
ドンッ。
誰かがぶつかってきた。
同時に体が車道へ飛び出る。
「ぁ...。」
体を物凄い衝撃が襲い、一瞬で地面に打ち付けられた。
音を聞きつけたであろう近所の住民が窓から顔を出して、よく見えもしない事故を発見して悲鳴を上げた。
「き、救急車!」
女の人の声が聞こえたところで意識が途切れた。
「...か。はるか...遥!」
俺は薫だ、遥は親友の杉崎遥で。
あ!もしかして遥が目覚めたのか。
でも目を開いたのは俺だった。
だったらどうして俺は遥って呼ばれてるんだ...?
「遥っ!」
目を開けた俺を見るなり遥の両親が泣いて喜んでいる。
もしかして、俺が遥になったのか。
「か...がみ..ある?」
出にくい声を必死に絞り出して鏡を要求する。
「鏡?あるけど。どうして?」
遥の母親は鏡を手渡して聞いてきた。
鏡を見るとそこには一つも違うところが見当たらない遥の姿があった。
俺が遥!?
心の中で叫んだ。
どうやら俺は死んで、何があったか生まれ変わった..?らしい。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
ゲーム未登場の性格最悪な悪役令嬢に転生したら推しの妻だったので、人生の恩人である推しには離婚して私以外と結婚してもらいます!
クナリ
ファンタジー
江藤樹里は、かつて画家になることを夢見ていた二十七歳の女性。
ある日気がつくと、彼女は大好きな乙女ゲームであるハイグランド・シンフォニーの世界へ転生していた。
しかし彼女が転生したのは、ヘビーユーザーであるはずの自分さえ知らない、ユーフィニアという女性。
ユーフィニアがどこの誰なのかが分からないまま戸惑う樹里の前に、ユーフィニアに仕えているメイドや、樹里がゲーム内で最も推しているキャラであり、どん底にいたときの自分の心を救ってくれたリルベオラスらが現れる。
そして樹里は、絶世の美貌を持ちながらもハイグラの世界では稀代の悪女とされているユーフィニアの実情を知っていく。
国政にまで影響をもたらすほどの悪名を持つユーフィニアを、最愛の恩人であるリルベオラスの妻でいさせるわけにはいかない。
樹里は、ゲーム未登場ながら圧倒的なアクの強さを持つユーフィニアをリルベオラスから引き離すべく、離婚を目指して動き始めた。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
大好きな幼なじみが超イケメンの彼女になったので諦めたって話
家紋武範
青春
大好きな幼なじみの奈都(なつ)。
高校に入ったら告白してラブラブカップルになる予定だったのに、超イケメンのサッカー部の柊斗(シュート)の彼女になっちまった。
全く勝ち目がないこの恋。
潔く諦めることにした。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
私は、夫にも子供にも選ばれなかった。
その事実だけを抱え、離縁を突きつけ、家を出た。
そこで待っていたのは、最悪の出来事――
けれど同時に、人生の扉がひらく瞬間でもあった。
夫は愛人と共に好きに生きればいい。
今さら「本当に愛していたのは君だ」と言われても、裏切ったあなたを許すことはできない。
でも、子供たちの心だけは、必ず取り戻す。
妻にも母にもなれなかった伯爵夫人イネス。
過去を悔いながらも、愛を手に入れることを決めた彼女が辿り着いた先には――
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる