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chapter 9「もしも彼がソラに虹をかけることができたなら...」 Ⅱ
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「でも、得体の知れないモノが幼馴染に憑りついているかもしれないのに、どうしてそのままにしたんですか?」
「そりゃ、面白いからに決まっているだろう?」
殴ってやろうと夕璃が拳を握りしめたときだった。
「でも、それだけじゃない。確かにアンタは俺たちの知っているユーリじゃない。そして、もしもユーリに害する存在なら俺たちは絶対に許さなかっただろう。けれど、アンタはそうじゃなかった。存在は違えど、アンタの行動は、その魂の在り方は正しいと思えた。それこそ俺たちの親友に重なるぐらいな」
「え、ええ…………」
握りしめた拳が目の前の少年の笑顔とともにあえなくほどけていく。
「口に出して言葉にこそしていていないが、それはたぶんアイツらも、ミカもかほるも同じだ。もしその場にいたら明石のヤツだってきっと同じことを感じていたはずだ」
心の奥がほんのり温かくなっていくのは、きっと梅雨の終わりがまもなくだからではなく。
「『ノーネーム』に関してはアンタの知識があって助かった。サンキューな」
―――嬉しい。
「…………そんな、私はただ…………できることをしただけです。それに…………」
夕璃の顔が曇る。蛍たちの信頼が本当に嬉しかったからこそ申し訳ない気持ちだった。彼らの信頼は夕里が得るべきもので自分ではないのだから。
「アイツは必ず帰ってくるよ」
あっさりと、けれど蛍はそう言い切った。
「前にも似たようなことがあったからな。そういう妙なことには慣れているんだ。もっとも人格がまるまる代わってしまうは初めてだけどな!」
なんだ、それ。こっちのセカイの生徒会は本当に何をやっているんだ!?
「…………どうしてそんなに彼を、六条夕里を信じられるんですか?」
ずっと思っていた疑問を夕璃はようやくぶつけることができた。確かに六条夕里と葵井蛍は幼馴染で親友なのかもしれない。けれど、夕璃だって親友ではないもしれないが、蛍の幼馴染なのだ。
『―――おまえには心がない。おまえがわからない』
脳裏に”ホタル”の顔が蘇る。嫌悪でも軽蔑でもない、自分の顔を見ることそれ自体が耐えられないという苦痛に満ちたその顔。
―――どうしてですか?
六条夕里と六条夕璃のどこに違いがあるというのか?
―――どうして”ホタル”はあなたみたいに笑ってくれないんですか?
「参ったな。アンタのことを聞くはずが、逆に俺の話をするとは、な」
葵井蛍は困ったように苦笑すると一度だけ空を仰いだ。
「まあいいか。アイツ以外の誰かに話すなんてしたこともないし、するつもりもなかったが、こことは違う世界のアンタに聞いてもらうのも悪くないかもな」
青い風に少年の声が混じるのを聞く。
「―――アイツは俺の生きる意味を作ってくれたんだ」
「第二次性徴の真っ最中の頃の話だ。ガキ丸出しの夢を抱えて、オヤジたちの背中をがむしゃらに追いかけてきたが、ようやく世界のルールというものも見えてきた。そして、絶望した。助けたい、救いたいと思っていた世界がどうしようもなく醜いことに気づいたんだ。それで自暴自棄になった。いわゆる『中二病』ってヤツだな。そんなときだ。俺は―――」
ふと会話が止まった。おや、と思って蛍の顔を覗くと夕璃は予想だにしなかったものを見た。なんと……照れているではないか!?
「恋をしたんだ。初恋だった」
「―――うそ」
「そして、破れた。もうそりゃ跡形もなく木端微塵に。それで―――もういいんじゃないかと思ってしまった。自分で言うのもなんだが、俺は天才だし、顔だってそれなりにいい。この先手に入れたいものは大抵は手に入るだろう。でも、それだけだ。世界の真理とやらに興味でもあればまだマシだったが、RPGみたいに用意されたアイテムリストを埋めていくのに我慢できなかった。だから、もう電源を切っちまおうと思った」
「バカなんじゃないですか?」
思わず口に出していた。そして、言った瞬間に後悔した。慌てて口を手で覆うが、後の祭りである。
―――ああ、またやってしまいました…………。
夕璃は心の中で頭を抱えた。人の心に対してあまりに直截的すぎるのが自分の最もダメなところだと学習したはずなのに、またもやってしまった。これでは元の世界に帰れなくても当然だ。ああ、なんて自分は人の心がこうもわからないのだろう…………。
「だよなあ。バカだよなあ」
しかし、蛍は怒るどころかあっさりと同意して呵々と笑うのである。夕璃はもうわけがわからない。人の情の機微のなんとムズカシイことよ。
「アイツも、ユーリも同じことを言ったよ。当然そのときの俺はブチキレた。昭和の青春マンガみたいに殴り合った後、アイツは真顔でとんでもないことを言いやがった。
『会えないなら、会いにいけばいいじゃないか』―――と。
バカヤロー! 死ぬ以外にその方法がないからこっちは死ぬほど悩んでいるんだろーが。そう言うとアイツはまるでこっちがおかしなことを言っているかのように首を捻った。
『オレの知っている葵井蛍は不可能をゼロパーセントとは思わないし、その僅かな可能性を信じられる人間だよ』って言い切りやがった。頭がおかしいだろ!? 親友なら普通慰めるか見守るかのどっちかだろ。けれど、アイツはやれることがあるのになんで立ち止まっているんだと発破をかけやがったんだ!」
蛍はふぅと息を吐くと最後に苦笑いを浮かべた。
ああ、そうなのか。六条夕里は六条夕璃の欠点を克服した人間なんかじゃなかった。逆にその欠点を恥じるどころか笑い飛ばすような大バカヤローだったのだ!
「だから、諦めて俺もアイツのバカに乗った」
広がる暗闇向かってまっすぐ手を伸ばすと少年は言った。
「俺はいつかソラに”橋”をかける。
そして、かけた向こう側で大好きだった人たちともう一度会うんだ」
その声は呆れてしまうぐらい楽観的で希望に溢れていて。
あまりに眩しいのでお腹がぐぅっと鳴ってしまう。
夕璃はふとあのコロッケがまた食べたいと思った。
「だから、アンタも―――」
それは夏の夜のはかないユメ。
少女は薄れゆくセカイで蛍火が舞うのをみた。
「そりゃ、面白いからに決まっているだろう?」
殴ってやろうと夕璃が拳を握りしめたときだった。
「でも、それだけじゃない。確かにアンタは俺たちの知っているユーリじゃない。そして、もしもユーリに害する存在なら俺たちは絶対に許さなかっただろう。けれど、アンタはそうじゃなかった。存在は違えど、アンタの行動は、その魂の在り方は正しいと思えた。それこそ俺たちの親友に重なるぐらいな」
「え、ええ…………」
握りしめた拳が目の前の少年の笑顔とともにあえなくほどけていく。
「口に出して言葉にこそしていていないが、それはたぶんアイツらも、ミカもかほるも同じだ。もしその場にいたら明石のヤツだってきっと同じことを感じていたはずだ」
心の奥がほんのり温かくなっていくのは、きっと梅雨の終わりがまもなくだからではなく。
「『ノーネーム』に関してはアンタの知識があって助かった。サンキューな」
―――嬉しい。
「…………そんな、私はただ…………できることをしただけです。それに…………」
夕璃の顔が曇る。蛍たちの信頼が本当に嬉しかったからこそ申し訳ない気持ちだった。彼らの信頼は夕里が得るべきもので自分ではないのだから。
「アイツは必ず帰ってくるよ」
あっさりと、けれど蛍はそう言い切った。
「前にも似たようなことがあったからな。そういう妙なことには慣れているんだ。もっとも人格がまるまる代わってしまうは初めてだけどな!」
なんだ、それ。こっちのセカイの生徒会は本当に何をやっているんだ!?
「…………どうしてそんなに彼を、六条夕里を信じられるんですか?」
ずっと思っていた疑問を夕璃はようやくぶつけることができた。確かに六条夕里と葵井蛍は幼馴染で親友なのかもしれない。けれど、夕璃だって親友ではないもしれないが、蛍の幼馴染なのだ。
『―――おまえには心がない。おまえがわからない』
脳裏に”ホタル”の顔が蘇る。嫌悪でも軽蔑でもない、自分の顔を見ることそれ自体が耐えられないという苦痛に満ちたその顔。
―――どうしてですか?
六条夕里と六条夕璃のどこに違いがあるというのか?
―――どうして”ホタル”はあなたみたいに笑ってくれないんですか?
「参ったな。アンタのことを聞くはずが、逆に俺の話をするとは、な」
葵井蛍は困ったように苦笑すると一度だけ空を仰いだ。
「まあいいか。アイツ以外の誰かに話すなんてしたこともないし、するつもりもなかったが、こことは違う世界のアンタに聞いてもらうのも悪くないかもな」
青い風に少年の声が混じるのを聞く。
「―――アイツは俺の生きる意味を作ってくれたんだ」
「第二次性徴の真っ最中の頃の話だ。ガキ丸出しの夢を抱えて、オヤジたちの背中をがむしゃらに追いかけてきたが、ようやく世界のルールというものも見えてきた。そして、絶望した。助けたい、救いたいと思っていた世界がどうしようもなく醜いことに気づいたんだ。それで自暴自棄になった。いわゆる『中二病』ってヤツだな。そんなときだ。俺は―――」
ふと会話が止まった。おや、と思って蛍の顔を覗くと夕璃は予想だにしなかったものを見た。なんと……照れているではないか!?
「恋をしたんだ。初恋だった」
「―――うそ」
「そして、破れた。もうそりゃ跡形もなく木端微塵に。それで―――もういいんじゃないかと思ってしまった。自分で言うのもなんだが、俺は天才だし、顔だってそれなりにいい。この先手に入れたいものは大抵は手に入るだろう。でも、それだけだ。世界の真理とやらに興味でもあればまだマシだったが、RPGみたいに用意されたアイテムリストを埋めていくのに我慢できなかった。だから、もう電源を切っちまおうと思った」
「バカなんじゃないですか?」
思わず口に出していた。そして、言った瞬間に後悔した。慌てて口を手で覆うが、後の祭りである。
―――ああ、またやってしまいました…………。
夕璃は心の中で頭を抱えた。人の心に対してあまりに直截的すぎるのが自分の最もダメなところだと学習したはずなのに、またもやってしまった。これでは元の世界に帰れなくても当然だ。ああ、なんて自分は人の心がこうもわからないのだろう…………。
「だよなあ。バカだよなあ」
しかし、蛍は怒るどころかあっさりと同意して呵々と笑うのである。夕璃はもうわけがわからない。人の情の機微のなんとムズカシイことよ。
「アイツも、ユーリも同じことを言ったよ。当然そのときの俺はブチキレた。昭和の青春マンガみたいに殴り合った後、アイツは真顔でとんでもないことを言いやがった。
『会えないなら、会いにいけばいいじゃないか』―――と。
バカヤロー! 死ぬ以外にその方法がないからこっちは死ぬほど悩んでいるんだろーが。そう言うとアイツはまるでこっちがおかしなことを言っているかのように首を捻った。
『オレの知っている葵井蛍は不可能をゼロパーセントとは思わないし、その僅かな可能性を信じられる人間だよ』って言い切りやがった。頭がおかしいだろ!? 親友なら普通慰めるか見守るかのどっちかだろ。けれど、アイツはやれることがあるのになんで立ち止まっているんだと発破をかけやがったんだ!」
蛍はふぅと息を吐くと最後に苦笑いを浮かべた。
ああ、そうなのか。六条夕里は六条夕璃の欠点を克服した人間なんかじゃなかった。逆にその欠点を恥じるどころか笑い飛ばすような大バカヤローだったのだ!
「だから、諦めて俺もアイツのバカに乗った」
広がる暗闇向かってまっすぐ手を伸ばすと少年は言った。
「俺はいつかソラに”橋”をかける。
そして、かけた向こう側で大好きだった人たちともう一度会うんだ」
その声は呆れてしまうぐらい楽観的で希望に溢れていて。
あまりに眩しいのでお腹がぐぅっと鳴ってしまう。
夕璃はふとあのコロッケがまた食べたいと思った。
「だから、アンタも―――」
それは夏の夜のはかないユメ。
少女は薄れゆくセカイで蛍火が舞うのをみた。
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