美熟女ヒロインは鵜の目鷹の目で狙われて…

奇談エバンジェリスト

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第九戦:小熟女ヒロインは黒幕、いや竹馬の友の登場に生身でピンチに陥るハメに…

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「おお、洋助じゃん。久し振り!」
地元映像制作会社ポニック・アートの営業社員としてやってきたのは、旧友、といっても当時洋助とある意味趣向を共にしていた、寺山勉だ。
通称ベンと呼ばれるスクール・カーストの底辺に位置するいわば同志だった。
「お前、上手くやったなあ、何と郁子と結婚までするとは、足軽が姫と結婚しましたぁ、って、感じだよな? で、どうしている令夫人は? 相変わらず明朗快活・活発なお嬢さんか?」
と、郁子のファンだった過去を隠そうともせず、人妻になったかつてのマドンナに興味津々だ。
「あらぁあ~~? べン君…じゃなぁい? …ああそうだよねえ、やっぱ、勉くんだぁ!」
と、いつの間にやら現れた郁子も、大きなおっぱいの前で両手を握りしめ、こぼれるような笑顔で旧友との再会を喜んでいる。

「おい、洋助。お前の嫁になっても、相変らず、可愛いじゃん…郁子の奴。…あれだけチャーミングな女房でいられるってえ事は、仲が良いんだな。…と、するとお前の“ご趣味”を理解してくだ吸ってるんだ、郁子夫人は?」
「んなわけねえだろ! ついこの前、結婚十数年目にしてようやく告白した段階だよ」
「ええ、ってことはいまだ、仕掛けていないわけか? 夢にまで見た、彼女の最高に萌えるシーンを演出するっていう大プロジェクトを、さ」
実はこのベン、洋助と同じ趣向の持ち主だ。
少年期に見た特撮やアニメ、ドラマのヒロイン・ピンチシーンについて熱く語り合ったものである。
しかも、二人仲良く郁子が大好きで、最高の“オカズ”にしていた過去がある。
ついでに言うと、郁子をモデルにヒロイン・ピンチのストーリーを互いに妄想し、小説化、シナリオ化して、見せ合っていたものだった。

「どういうことよ?」
洋助が怪訝な表情で問い返す。
「決まってんだろ、俺らの“捕まりマドンナ”をマジで囚われの美女、に仕立て上げて愛でようってわけさ」
ちなみに、この“捕まりマドンナ”とは、青春時代郁子に付けた2人の間のニックネームである。
「おいおい、ウチの嫁に何か、妙なことを企んでいるんじゃあねえだろうな?」
「ふふふ、いいじゃん、いいじゃん。郁子がお前の大事な嫁さんになったきっかけだって、俺の協力あっての事だろ?」
意味深に微笑む勉。
この二人の間には、過去に重大な秘密かつ密約がある様子で…。

「ええ~~、なによ、なによ、よーちゃんも、勉クンも。男二人で内緒話とか、怪しいんだからぁ」
と、郁子は悪戯っぽい表情で突っ込みを入れてくる。
(こいつ、青春時代そのまんまに可愛いぜ)
と、思ったのは洋助ばかりではない様子で、ベンも人妻になったかつてのマドンナに目尻を下げている。
「郁ちゃん、君は地方財界のマドンナだ! 市の教育モデルにもなりうる良妻賢母だ! 働く女性活躍時代の華だ!」
「な、なぁに、ベン君…歯の浮くようなお世辞を言って…。ま、あ事実といえなくもないけど、ね。うふ!」
と、まんざらでもない様子の郁子。
その時、郁子のスマホが振動する。
「あ、ごめんちょっと…」
(不味いわ、鏡(かがみ)市長からじゃない…こんな時に困っちゃう)
と、心の中で思いつつ、少々心が潤う郁子だ。
鏡隼人、郁子が学生時代に東京で知り合ったなんと元カレだ。
今は、この嵐難市長であり、なにをかくそう、郁子に反社会同盟総統を依頼してきた張本人だ。
海千山千、かつオタク的な家族に囲まれている郁子にとっては、精悍なスポーツマンでイケメンの彼との会話はいまだ胸がときめくモノがあるわけだ。
しかし、このかつての恋人も腹にイチモツもニモツも含んでいることは、気の良いマイルドヤンキーの郁子には察することが出来ていない様子で…。
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