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第十話 ルイエ
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馬車は町をかけていた。
隙間から町をみると洋風の建物が建っている。
しかしよくみると複数の建物がヒビや破損が放置されている。
そして人々の身なりよ粗末さからもあまり豊かではないように思えた。
「やっぱ美形ばかりだな」
「うん、美男美女って感じ」
二人話をききながら、オレはエルフの人たちがどこか疲れている顔に見えた。
町を抜けると布からでる。
「一応まだ、ここまで感染がひろがっている感じではないな」
「ええ、病気にかかった者はすぐ隔離されて魔法で回復してるから、そこまでひろがってはいないわ。
でも......」
「回復させている者の感染か......」
「ええ、それに回復させるにも魔力《マナ》や体力に限界があるもの......
きっとそのうち抑えきれなくなるわ......」
「早くいこう」
そして、オレたちは王都へと向かった。
オレたちは王都に入った。
さすがに王都といわれるだけあり、多くの人々と彫刻の施された格式高そうな建物が立ち並ぶ。
一部貴金属に身を包んだ裕福そうな者がいるが、大半の人々の表情からはどこかしら空虚さを感じる。
「このまま、突っ切るわ。
あなたたちは声を出さないでね」
そうルイエはいい馬車のスピードをあげた。
オレが隙間から見ると遠くに城らしき建物が見える。
(でかいな城か、あれが王宮なのかな......)
馬車はある大きな門のある屋敷の前にとまった。
「今ひとがいないわ!
急いでこの屋敷に入って!」
そうルイエに急かされオレたちは慌てて、門の扉を開け屋敷の敷地内にはいる。
「ふあー、やっと外か」
「苦しかったね」
「いいのかよ勝手にはいって」
「ええ、ここのものには事情を手紙で伝えているから......
さあ屋敷の中にはいりましょう」
(こんなでかい屋敷に知り合いとは、やはりルイエはお嬢様なんだな)
そう思いながら屋敷にはいる。
「ルイエお嬢様お待ちしておりました」
屋敷にはいると白髪の紳士然としたエルフの男性がルイエに挨拶をした。
「ええ、ジルエスト。
この方たちが手紙にかいた三人です」
「そうですか、お連れ様もはるばる来ていただき、誠にありがとうございました」
そうオレたちにも深く頭を下げ礼をいい、部屋にはいるよう促した。
(ふむ、異種族を見ても不快な顔もしない。
話せる人......いやエルフか)
オレたちは招かれて大きな客間にはいった。
「それでジルエスト、姉の状況は......」
「正直芳しくはないようですね......
回復魔法により治療はしておりますが、進行しているようです......」
「......そうですか、他の者たちは......」
「実はかなりの者が病にかかっているようです。
国に蔓延するのは時間の問題かと......」
ジルエストさんは眉をひそめそういった。
「じゃあ早くルイエのお姉さんを助けないと」
「まあ、まちなよユーヤ。
ルイエのお姉ちゃんを救っても、この国のエルフたちが薬を使うとは限らないよ」
「リビィのいうとおりそれが心配だな。
一人救ったとして、その事を皆に伝えても信じるか、最悪オレたちが病を持ち込んだとかあらぬ疑いをかけられるかもしれん。
取りあえずオレたちが見つからない準備をしておかないと」
「そうだな......」
「失礼ながらそれは大丈夫かと存じます」
ジルエストさんがそういった。
「どういうことですか?」
そうオレが聞くと、ジルエストはルイエと目を合わせる。
「それは私が話すわ......
私の姉ミレイユは......
この国の女王なの......」
「なっ!」
オレたちは驚いた。
「そう私は王女なの。
だからもし姉の病が治れば国民も信じてくれる。
......黙っていてごめんなさい」
ルイエが謝った。
「ルイエ様は王族。
もし発覚して他国、またはこの国の反対勢力に利用されると困りますので、私が隠すようお願いしたのでございます」
ジルエストさんが頭を下げる。
「いえそんなことはかまいませんが、反対勢力とは?」
「今の女王は閉鎖的なこの国を変えて、解放すべきとの考えをおもちなのです。
それに反対する勢力が力を増していて、特に女王の健康を理由に王座の簒奪《さんだつ》を企んでいるともいわれております」
「この際この国を奪い取ろうって訳だね」
「どこでもいやがるなそういう奴は」
リビィとザインがそういった。
「女王に薬を届けて結核を治せば、すべて丸く収まるっていうことだろ。
やることは変わらない」
オレがそういった。
「だね」
「そうだな」
「ありがとう。
じゃあ早く作戦を考えましょう」
オレたちは大半の薬を屋敷裏の土の中に隠してから、女王に薬を届けるための作戦を考え始めた。
隙間から町をみると洋風の建物が建っている。
しかしよくみると複数の建物がヒビや破損が放置されている。
そして人々の身なりよ粗末さからもあまり豊かではないように思えた。
「やっぱ美形ばかりだな」
「うん、美男美女って感じ」
二人話をききながら、オレはエルフの人たちがどこか疲れている顔に見えた。
町を抜けると布からでる。
「一応まだ、ここまで感染がひろがっている感じではないな」
「ええ、病気にかかった者はすぐ隔離されて魔法で回復してるから、そこまでひろがってはいないわ。
でも......」
「回復させている者の感染か......」
「ええ、それに回復させるにも魔力《マナ》や体力に限界があるもの......
きっとそのうち抑えきれなくなるわ......」
「早くいこう」
そして、オレたちは王都へと向かった。
オレたちは王都に入った。
さすがに王都といわれるだけあり、多くの人々と彫刻の施された格式高そうな建物が立ち並ぶ。
一部貴金属に身を包んだ裕福そうな者がいるが、大半の人々の表情からはどこかしら空虚さを感じる。
「このまま、突っ切るわ。
あなたたちは声を出さないでね」
そうルイエはいい馬車のスピードをあげた。
オレが隙間から見ると遠くに城らしき建物が見える。
(でかいな城か、あれが王宮なのかな......)
馬車はある大きな門のある屋敷の前にとまった。
「今ひとがいないわ!
急いでこの屋敷に入って!」
そうルイエに急かされオレたちは慌てて、門の扉を開け屋敷の敷地内にはいる。
「ふあー、やっと外か」
「苦しかったね」
「いいのかよ勝手にはいって」
「ええ、ここのものには事情を手紙で伝えているから......
さあ屋敷の中にはいりましょう」
(こんなでかい屋敷に知り合いとは、やはりルイエはお嬢様なんだな)
そう思いながら屋敷にはいる。
「ルイエお嬢様お待ちしておりました」
屋敷にはいると白髪の紳士然としたエルフの男性がルイエに挨拶をした。
「ええ、ジルエスト。
この方たちが手紙にかいた三人です」
「そうですか、お連れ様もはるばる来ていただき、誠にありがとうございました」
そうオレたちにも深く頭を下げ礼をいい、部屋にはいるよう促した。
(ふむ、異種族を見ても不快な顔もしない。
話せる人......いやエルフか)
オレたちは招かれて大きな客間にはいった。
「それでジルエスト、姉の状況は......」
「正直芳しくはないようですね......
回復魔法により治療はしておりますが、進行しているようです......」
「......そうですか、他の者たちは......」
「実はかなりの者が病にかかっているようです。
国に蔓延するのは時間の問題かと......」
ジルエストさんは眉をひそめそういった。
「じゃあ早くルイエのお姉さんを助けないと」
「まあ、まちなよユーヤ。
ルイエのお姉ちゃんを救っても、この国のエルフたちが薬を使うとは限らないよ」
「リビィのいうとおりそれが心配だな。
一人救ったとして、その事を皆に伝えても信じるか、最悪オレたちが病を持ち込んだとかあらぬ疑いをかけられるかもしれん。
取りあえずオレたちが見つからない準備をしておかないと」
「そうだな......」
「失礼ながらそれは大丈夫かと存じます」
ジルエストさんがそういった。
「どういうことですか?」
そうオレが聞くと、ジルエストはルイエと目を合わせる。
「それは私が話すわ......
私の姉ミレイユは......
この国の女王なの......」
「なっ!」
オレたちは驚いた。
「そう私は王女なの。
だからもし姉の病が治れば国民も信じてくれる。
......黙っていてごめんなさい」
ルイエが謝った。
「ルイエ様は王族。
もし発覚して他国、またはこの国の反対勢力に利用されると困りますので、私が隠すようお願いしたのでございます」
ジルエストさんが頭を下げる。
「いえそんなことはかまいませんが、反対勢力とは?」
「今の女王は閉鎖的なこの国を変えて、解放すべきとの考えをおもちなのです。
それに反対する勢力が力を増していて、特に女王の健康を理由に王座の簒奪《さんだつ》を企んでいるともいわれております」
「この際この国を奪い取ろうって訳だね」
「どこでもいやがるなそういう奴は」
リビィとザインがそういった。
「女王に薬を届けて結核を治せば、すべて丸く収まるっていうことだろ。
やることは変わらない」
オレがそういった。
「だね」
「そうだな」
「ありがとう。
じゃあ早く作戦を考えましょう」
オレたちは大半の薬を屋敷裏の土の中に隠してから、女王に薬を届けるための作戦を考え始めた。
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