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第四十九話 レクリアスの塔
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「さあいくか......」
オレたちは次の日、巨大なレクリアスの塔の前にいた。
中にはいると、石でてきたかなり大きな通路をかび臭いにおいが鼻をいた。
「すみませんビオリムさん巻き込んでしまって......」
「構わねえよ。
ダンナたちには命を救ってもらった借りはかえさねえとな。
それに、この塔のこと少しは知ってるからな」
「ルイエさまはやはりお帰りください!」
ずっとフェルスはルイエを説得している。
「このレクリアスの塔ってどんなところなんですか?」
ルイエがフェルスを無視して聞いた。
「ルイエさま!」
「あ、ああ、六英雄、魔導王ザーハストラが建てたとされる魔法の塔だ。
少しずつ周囲の魔力《マナ》を集めるらしい。
今まで何人もの冒険者が挑んだがほとんど逃げ帰るか死んでる......」
「やっぱり大勢できた方がよかったんじゃないか」
ザインがそういうと、ビオリムさんは首を振る。
「いや、だめだ。
ここは人が増えると危険がます......
ほらきなさったぜ!」
そういうと奥の暗闇から何かを引きづるような音がした。
それは武具を身にまとう骸骨たちだった。
「スケルトンか! ルイエさまお下がり......」
ルイエはフェルスがそういうより早く一瞬で数体のスケルトンの首をはねた。
「これでも頼りなくて?」
「い、いえ......」
フェリスが口ごもる。
「次々来るぞ!」
オレたちはスケルトンたちを倒していく。
がすぐ再生してくる。
「くっ! 数が多すぎる!
しかも再生する!」
「これだ!
ここで死んだ奴らもこうやって塔の魔力《マナ》で、また兵士になる!」
「だから大勢できたらだめなのね!
ユーマやって!」
「もう少し温存しておきたかったが仕方ない!」
オレは魔法を発動した。
みんなの武器に氷の魔法が宿る。
スケルトンを斬るとその場所が凍りつき再生しない。
「よし! 凍らせれば再生は防げる!
今のうちに走り抜けろ!」
オレたちはスケルトンを切り捨てながら塔を走り、上への階段をみつけ先へと進む。
それからどのくらいの時間がたったのだろう。
かなりの階層を進んでいた。
だが、数多のスケルトンたちとの戦いでオレたちは徐々に消耗していた。
「魔法を使うスケルトンまでいるなんて......」
ルイエは息を切らせていった。
「上の階層に行くにつれ強い冒険者のスケルトンがいるんだろうな......
とはいえ生前ほどの力がないのが救いだな......」
そういいながらもビオリムさんはかなり辛そうだ。
「ユーヤは大丈夫か......
かなり魔法を使っただろ」
「ああ、大丈夫だフェリス。
このソースソウルに昨日すわれた魔力《マナ》を使っているから、なんとかだが......」
そして階段をあがると光が指した。
広い闘技場のような場所にオレたちはでた。
どうやら塔の屋上のようだ曇った空がみえる。
まっすぐ奥階段の上の椅子に杖を持つ座ったローブをきた人物がみえた。
「来てはいけないといったじゃないか。
君のお父さんは信じていたのに」
冷たい目をしてその整った顔の男はいった。
そうそれはあの佐藤道也だった。
「やはりあなたか......」
「やはり......か
予想はしていたんだね」
「佐藤って! ユーヤの国の!」
「ああルイエ、外交官だ」
オレは微笑んだ佐藤を睨み付けながらそういった。
「ああ美しいエルフのお嬢さんはじめまして。
私は佐藤道也ともうします。
あとドワーフのビオリムさんとエルフのフェリスさん......
あれ?
ザイン君とリビィ君は見当たりませんね......
ああ、《見えざるもの》ですか......」
「一体あんた何者なんだ!?
何でこんなことをする!!」
「当然目的のためだよ。
それでソースソウルは持ってきてくれたよね」
オレは懐から宝玉を出した。
「渡してもらえるかな」
「まずはこの呪魔法《カースマジック》を解けよ」
「解いたら逃げるでしょう」
「渡しても殺すだろ」
オレがそういうと佐藤はニッコリ笑う。
そして呪文を唱えると杖から巨大な炎球を複数撃ちだした。
轟音と共に降り注いでくる。
フェルスのとルイエが氷の魔法で壁をつくる。
「くっ! なんて威力の魔法だ!」
「防ぐので手一杯よ!」
「よし! ビオリムさん!ザイン!フェリス!
三人はそのまま近距離攻撃!
ルイエは魔法で援護!
リビィとオレは遠距離で攻撃」
オレが複数の細い棒に魔力を込め投げつけながら叫ぶ。
細い棒は佐藤の近くで爆発し黒い煙を出した。
そしてオレたちは次々と佐藤に攻撃を集める。
「その程度では、私に傷ひとつつけられませんよ」
そういうと呪文を唱え杖をふりみんなを吹き飛ばした。
「くっ!」
「私に魔障術《オブスタクル》を使うすきをみているのでしょうが、無駄ですよ」
「そうかな......
それに、まだ策はあるかもしれないぞ」
「そんなブラフ私には効きません。
私はこの世界に存在するすべての魔法を知っているのだから」
佐藤は笑みを絶やさずいった。
「すべての魔法なんて無理よ!
それこそブラフだわ!」
「そうでしょうか?
かつてにもいたはずですが、そのような人物が」
「ふん! 魔導王ザハーストラのことをいっているのか。
それこそお笑いだな。
千年前のおとぎ話だぞ」
ビオリムさんが鼻で笑うと、佐藤は首をふった。
「千年生きられたとしたらどうでしょうね」
「バカバカしい!
お前がザハーストラだというつもりか!」
フェリスの言葉に薄く笑う。
「ユーヤ君に聞いてみたらとうですか」
そういいながらオレの方を指差した。
「多分本物のザハーストラだ......」
オレの言葉にみんなが言葉を失った。
オレたちは次の日、巨大なレクリアスの塔の前にいた。
中にはいると、石でてきたかなり大きな通路をかび臭いにおいが鼻をいた。
「すみませんビオリムさん巻き込んでしまって......」
「構わねえよ。
ダンナたちには命を救ってもらった借りはかえさねえとな。
それに、この塔のこと少しは知ってるからな」
「ルイエさまはやはりお帰りください!」
ずっとフェルスはルイエを説得している。
「このレクリアスの塔ってどんなところなんですか?」
ルイエがフェルスを無視して聞いた。
「ルイエさま!」
「あ、ああ、六英雄、魔導王ザーハストラが建てたとされる魔法の塔だ。
少しずつ周囲の魔力《マナ》を集めるらしい。
今まで何人もの冒険者が挑んだがほとんど逃げ帰るか死んでる......」
「やっぱり大勢できた方がよかったんじゃないか」
ザインがそういうと、ビオリムさんは首を振る。
「いや、だめだ。
ここは人が増えると危険がます......
ほらきなさったぜ!」
そういうと奥の暗闇から何かを引きづるような音がした。
それは武具を身にまとう骸骨たちだった。
「スケルトンか! ルイエさまお下がり......」
ルイエはフェルスがそういうより早く一瞬で数体のスケルトンの首をはねた。
「これでも頼りなくて?」
「い、いえ......」
フェリスが口ごもる。
「次々来るぞ!」
オレたちはスケルトンたちを倒していく。
がすぐ再生してくる。
「くっ! 数が多すぎる!
しかも再生する!」
「これだ!
ここで死んだ奴らもこうやって塔の魔力《マナ》で、また兵士になる!」
「だから大勢できたらだめなのね!
ユーマやって!」
「もう少し温存しておきたかったが仕方ない!」
オレは魔法を発動した。
みんなの武器に氷の魔法が宿る。
スケルトンを斬るとその場所が凍りつき再生しない。
「よし! 凍らせれば再生は防げる!
今のうちに走り抜けろ!」
オレたちはスケルトンを切り捨てながら塔を走り、上への階段をみつけ先へと進む。
それからどのくらいの時間がたったのだろう。
かなりの階層を進んでいた。
だが、数多のスケルトンたちとの戦いでオレたちは徐々に消耗していた。
「魔法を使うスケルトンまでいるなんて......」
ルイエは息を切らせていった。
「上の階層に行くにつれ強い冒険者のスケルトンがいるんだろうな......
とはいえ生前ほどの力がないのが救いだな......」
そういいながらもビオリムさんはかなり辛そうだ。
「ユーヤは大丈夫か......
かなり魔法を使っただろ」
「ああ、大丈夫だフェリス。
このソースソウルに昨日すわれた魔力《マナ》を使っているから、なんとかだが......」
そして階段をあがると光が指した。
広い闘技場のような場所にオレたちはでた。
どうやら塔の屋上のようだ曇った空がみえる。
まっすぐ奥階段の上の椅子に杖を持つ座ったローブをきた人物がみえた。
「来てはいけないといったじゃないか。
君のお父さんは信じていたのに」
冷たい目をしてその整った顔の男はいった。
そうそれはあの佐藤道也だった。
「やはりあなたか......」
「やはり......か
予想はしていたんだね」
「佐藤って! ユーヤの国の!」
「ああルイエ、外交官だ」
オレは微笑んだ佐藤を睨み付けながらそういった。
「ああ美しいエルフのお嬢さんはじめまして。
私は佐藤道也ともうします。
あとドワーフのビオリムさんとエルフのフェリスさん......
あれ?
ザイン君とリビィ君は見当たりませんね......
ああ、《見えざるもの》ですか......」
「一体あんた何者なんだ!?
何でこんなことをする!!」
「当然目的のためだよ。
それでソースソウルは持ってきてくれたよね」
オレは懐から宝玉を出した。
「渡してもらえるかな」
「まずはこの呪魔法《カースマジック》を解けよ」
「解いたら逃げるでしょう」
「渡しても殺すだろ」
オレがそういうと佐藤はニッコリ笑う。
そして呪文を唱えると杖から巨大な炎球を複数撃ちだした。
轟音と共に降り注いでくる。
フェルスのとルイエが氷の魔法で壁をつくる。
「くっ! なんて威力の魔法だ!」
「防ぐので手一杯よ!」
「よし! ビオリムさん!ザイン!フェリス!
三人はそのまま近距離攻撃!
ルイエは魔法で援護!
リビィとオレは遠距離で攻撃」
オレが複数の細い棒に魔力を込め投げつけながら叫ぶ。
細い棒は佐藤の近くで爆発し黒い煙を出した。
そしてオレたちは次々と佐藤に攻撃を集める。
「その程度では、私に傷ひとつつけられませんよ」
そういうと呪文を唱え杖をふりみんなを吹き飛ばした。
「くっ!」
「私に魔障術《オブスタクル》を使うすきをみているのでしょうが、無駄ですよ」
「そうかな......
それに、まだ策はあるかもしれないぞ」
「そんなブラフ私には効きません。
私はこの世界に存在するすべての魔法を知っているのだから」
佐藤は笑みを絶やさずいった。
「すべての魔法なんて無理よ!
それこそブラフだわ!」
「そうでしょうか?
かつてにもいたはずですが、そのような人物が」
「ふん! 魔導王ザハーストラのことをいっているのか。
それこそお笑いだな。
千年前のおとぎ話だぞ」
ビオリムさんが鼻で笑うと、佐藤は首をふった。
「千年生きられたとしたらどうでしょうね」
「バカバカしい!
お前がザハーストラだというつもりか!」
フェリスの言葉に薄く笑う。
「ユーヤ君に聞いてみたらとうですか」
そういいながらオレの方を指差した。
「多分本物のザハーストラだ......」
オレの言葉にみんなが言葉を失った。
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