異世界の果てで教師になる(私)~教わることしかできなかった私の授業録~

曇天

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第四話「暮らす力、教える力」

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 冒険者ギルドで掲示板をみいる。 そこにはさまざまな依頼があった。 

(ここにある依頼を達成すればお金になる。 ゴブリン族とともに動けばあるいは...... これは、本にあった!)

 本でみた薬、香料、お茶となる草花、キノコ、果実などから、依頼となるものを探し受注した。

 すぐに集落にとってかえし、ビケルさんに相談する。

「ふむ、確かに我らがとっているものですな」

 そう確認して、ゴブリン族とともにそれらを収穫にいく。 彼らはきちんととり尽くさず残して次の収穫に備えていた。

「これで依頼は達成だ」
 
 依頼分を採取しギルドで納品する。

「はい、確認しました。 これが報酬です」

 そう報酬をうけると、多くの釘や綿、防寒具、寝具などを買い足した。

 
「おお、これは暖かい。 皆にも分け与えましょう」

 防寒具などをみんなにわける。

(あとは家の補強だ)

 ただ木や乾燥した葉っぱ、粘土などで作った家を森できった木をつかい補強する。

(木を乾燥させる時間もないし、曲がっているからそこまで強度のある家もつくれないな。 とりあえず壁を厚くする補強をしよう)

 みんなと壁に木を打ち付ける。

「冬は寒さで動けず、となると命に関わります。 もう少し対策しましょう」

「食べものは各自に保存食を確保しましたな。 寝具や綿、防寒具、家の補強、あとはやれることはないのでは......」

 ビケルさんの話では冬には埋もれるほどの雪が積もるらしい。

「やはり、家の中で火をつかい暖房したいので、炭やかまどが必要です」

 ゴブリンたちは普通に枝や木を燃やして、調理をしていたのでかまどをつくることにした。

 粘土質の土の場所を知っていたので、それを手に入れかまどをつくる。

(あとは炭だ...... 前に動画でみた方法がある。 実際に何度かやってみたことがあるから、たぶん大丈夫......)
 
 地面に炭材となる木をみっちり立てて敷き詰め周りを葉っぱや枝で囲む。 その上から水を含ませた泥で全体を山のように固めていき、下のほうをくりぬき周囲に穴をつくる。 そしててっぺんをくりぬいて火をつけ、燃焼したら穴を泥でふさぐ。

「あとは火が消えるまで待つだけだ」

 次の日、山を崩すと、小さな炭がたくさんできていた。

「おお、これなら煙もあまりでませんな」

 ゴブリンたちは喜んでいる。

「ええ、普通の木より長時間燃え、煙もあまりでないので調理や暖に使えます」

「早速、数をつくりましょう!」

 みんなで炭をつくった。 ゴブリンたちは器用ですぐにうまくつくれるようになった。

(ただ、質の悪い炭だと、不完全燃焼で一酸化炭素中毒になってしまう。 隙間を多くすると冬になると凍死しかねない。 空気の換気のために煙突が必要だ)

 各家にかまどと煙突をつくる。

「これでよし」

(一応、質のよい炭も町で買っておこう)

 私たちは冬への備えを更に強化した。


 厳しい冬がきて、外にもでられない。 私はビケルさんの家の御厄介になっていた。 ゴブリン族が心配だったからだ。 幸い食料は保存食も充分、暖房もうまく機能して、何とか命をまもっている。

「本当にケイどのには感謝している。 いつもは誰かが命を落とすこの冬を、無事に乗り越えることができそうだ」 

 そうビケルさんは感謝した。

「いえ、ゴブリン族が努力した結果ですよ。 それより、この後のことをお話ししたいのです」

「この後? 我らは充分に恩恵をえていますが、これ以上なにがあるのですかな?」

「ええ、この間ギルドから仕事を受けて薬草となる葉っぱやキノコなどを採取しましたが、それを更にすすめたいのです」 

「ふむ、更に仕事を受けると」

「ええ、モンスターがの討伐は危険なので省くとして、ゴブリン族はキノコや、山菜、香草、薬草、そして鉱物などにも詳しい。 それで依頼をこなし金銭をえて、本などで知識をえましょう。 何が起こるかわからないから、このままやっていけるかはわかりません。 準備が必要です」

「確かに...... いつ人間たちと対立するかはわからないですな」

「そうです。 話し合うためにも、彼らの偏見を変えるためにも生活を向上させた方がいいと思います」

「ふむ、人間は生活水準で相手をみますからな。 我らゴブリンも生活がよくなるに越したことはありませぬ。 ぜひ、生活向上を考えましょうぞ」

 そうビケルさんはいってくれた。

(冬をこえたら、ゴブリン族の生活向上のために、仕事と知識を手に入れよう)

 わたしはそう心に決めた。
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