21 / 75
第二十一話
しおりを挟む
「ここが国が指定した遺跡か......」
そこは巨大な石でできた遺跡だ。 竜のような生き物を模した口が入り口になっていた。
「ここが遺跡か......」
「ああ、どうやら新しく見つかったらしいな」
「うん、地震で新しく露出したみたいなんだ」
そうガルムとラクレイはそういった。
(確かに土に埋まってたのか石の色が上と下で違うな......)
遺跡へと入る。
「結構きれいだな」
古い遺跡なのに、壁や床に破損した場所はなかった。
「魔法でコーティングされた壁や床が汚れをはじいているね」
ラクレイがいうとガルムも続ける。
「そうだな。 それに盗掘などはされてないっぽいな」
「誰も入ってない遺跡は危険なんじゃないかな......」
橘さんが周囲を確認しながら両手で杖を握っている。
「確かに、ただこの四人なら並みのモンスターなら戦えると思う」
「だな。 正直八魔将クラスじゃなきゃ戦える」
俺の言葉にガルムが同意する。
「そうだね。 ユウナちゃんの防御、回復魔法もあるし、ポーションもたくさん持ってきたから、よほどのモンスター以外なら安全だと思うよ」
そうラクレイにいわれて、橘さんは少し安心しているようだ。
奥へと進むと昆虫やとかげ、スライムなど多種なモンスターと遭遇した。
「なかなか強い!」
「だが、十分やれるな!」
「ユウナちゃんの防御魔法や攻撃補助のバフが効いてるよ!」
「うん、補助や防御は任せて!」
俺たちはモンスターを倒しながら奥へと進む。
いくつかの部屋には宝箱がおかれていた。 が先に調べてからにすることにした。
(罠などがあった場合危険だからな。 二人によると、強さに関係なく危険なものがあるらしい。 テレポートやら石化や全員マヒとかだと最悪全滅もあり得るし...... これは!?)
「おい」
俺がいうと、ラクレイとガルムはうなづく。
「ど、どうしたの......」
橘さんがキョロキョロしている。
「ああ、かなり高い魔力を感じる......」
進むと奥に大きな両扉がある。
「これはエンプレスアント以上だな」
「......うん、そうだね」
「あのエンプレスより......」
ガルムとラクレイの話を聞くと、橘さんがそう一言いって口をつぐんだ。
「さて、どうする? 一度引き返すか......」
「モンスターの駆除も依頼に含まれてるんだが」
「前のお金もあるけど、僕たちなら倒せる可能性が高いよ」
「......みんなに従うわ」
「そうか...... 取りあえず確認しよう。 扉がしまらないように、開けてから遠目で確認する」
俺がいうと三人はうなづいた。 俺は剣を抜き、橘さんが防御魔法をかけ直し、両扉をガルムとラクレイが開く。
ゆっくり扉があくと、部屋の奥に複数の首をもつ巨大な蛇がそこにはいた。 動いていないので眠っているようだ。
「おい、まじか...... ヒュドラだぜ」
「うん、始めてみた......」
ガルムとラクレイがそう小声で話す。
「ヒュドラ...... 聞いたことあるような」
「確かギリシャ神話の蛇の怪物だね......」
そう橘さんがいう。
(そういえば、向こうの世界は種族ごとの言語がことなるから、魔力で言語を翻訳してたんだっけ、だからこっちの言葉で翻訳されて、ヒュドラになっているのか)
「それでどうする...... このまま撤退するか?」
「あいつはBランクモンスターだ。 特に再生と毒が厄介だな」
「だね。 それに倒せればかなり高額で売れる。 けど毒が......」
「私なら防毒の魔法アンチポイズンシールドをかけらるし、扉はしまってないから最悪逃げられるよ」
三人がそういう。
「わかった。 じゃあ橘さんは防毒を、俺たちは前にでる」
「わかった!」
「おう!!」
「うん!!」
俺たちは扉の中へと走り出す。 ヒュドラの複数の頭が目を開けてその鎌首をあげた。
「ハウリング!!」
「グランドゲイザー!」
「ライトブリッドエクスプロージョン!」
ガルムのハウリングはヒュドラの数頭をしびれさせ、ラクレイの岩の牙はヒュドラの複数の首を貫き動きを封じた。 俺の炎光弾はそのヒュドラの胴体に穴をあけ燃え盛る。
「よし! いや!」
ヒュドラの傷はすぐに回復し始めていた。
「くっ! 再生力が速いな! 俺とラクレイで首を落とす! マモルは再生しないように攻撃してくれ!」
「わかったガルム!」
ガルムとラクレイは首を切りつけている。 俺は傷口に魔法を連打して再生を止める。
(とはいえ、止めるのがやっと...... ラクレイとガルムが首を落としているが、時間はかかるが生えかわってる...... どうするか、やはり同時魔法をやってみるか...... ただ一発でやれるか)
「わ、私がやってみる!」
近づいた橘さんがそういった。
「なにかあるのか」
「ええ、ひとつだけ魔法が、だけどかなり魔力を集中するので、その間お願い......」
「......よし、ガルム、ラクレイ、あと少しだけ動きを止めるぞ!」
「わかった!」
「うん!」
俺もガルムたちに加わり、首を落としにかかる。 しばらくヒュドラの攻撃をしのいだ。
ーー万物の根源たる力を、理に抗い留めさせよーー
「フォースアウトサイクル」
橘さんが杖を地面につくと、そこから光る波動が放たれ部屋を包んだ。
「魔法で魔力を止めたわ! 今ならもう再生できないよ!」
そう橘さんは叫ぶ。
「よし!! 毒液を避けつつ首を落とす!」
「おお!!」
「わかった!!」
俺たちは毒液を避けながら、首を切り落としていき、最後の首を落とすとヒュドラは動かなくなった。
そこは巨大な石でできた遺跡だ。 竜のような生き物を模した口が入り口になっていた。
「ここが遺跡か......」
「ああ、どうやら新しく見つかったらしいな」
「うん、地震で新しく露出したみたいなんだ」
そうガルムとラクレイはそういった。
(確かに土に埋まってたのか石の色が上と下で違うな......)
遺跡へと入る。
「結構きれいだな」
古い遺跡なのに、壁や床に破損した場所はなかった。
「魔法でコーティングされた壁や床が汚れをはじいているね」
ラクレイがいうとガルムも続ける。
「そうだな。 それに盗掘などはされてないっぽいな」
「誰も入ってない遺跡は危険なんじゃないかな......」
橘さんが周囲を確認しながら両手で杖を握っている。
「確かに、ただこの四人なら並みのモンスターなら戦えると思う」
「だな。 正直八魔将クラスじゃなきゃ戦える」
俺の言葉にガルムが同意する。
「そうだね。 ユウナちゃんの防御、回復魔法もあるし、ポーションもたくさん持ってきたから、よほどのモンスター以外なら安全だと思うよ」
そうラクレイにいわれて、橘さんは少し安心しているようだ。
奥へと進むと昆虫やとかげ、スライムなど多種なモンスターと遭遇した。
「なかなか強い!」
「だが、十分やれるな!」
「ユウナちゃんの防御魔法や攻撃補助のバフが効いてるよ!」
「うん、補助や防御は任せて!」
俺たちはモンスターを倒しながら奥へと進む。
いくつかの部屋には宝箱がおかれていた。 が先に調べてからにすることにした。
(罠などがあった場合危険だからな。 二人によると、強さに関係なく危険なものがあるらしい。 テレポートやら石化や全員マヒとかだと最悪全滅もあり得るし...... これは!?)
「おい」
俺がいうと、ラクレイとガルムはうなづく。
「ど、どうしたの......」
橘さんがキョロキョロしている。
「ああ、かなり高い魔力を感じる......」
進むと奥に大きな両扉がある。
「これはエンプレスアント以上だな」
「......うん、そうだね」
「あのエンプレスより......」
ガルムとラクレイの話を聞くと、橘さんがそう一言いって口をつぐんだ。
「さて、どうする? 一度引き返すか......」
「モンスターの駆除も依頼に含まれてるんだが」
「前のお金もあるけど、僕たちなら倒せる可能性が高いよ」
「......みんなに従うわ」
「そうか...... 取りあえず確認しよう。 扉がしまらないように、開けてから遠目で確認する」
俺がいうと三人はうなづいた。 俺は剣を抜き、橘さんが防御魔法をかけ直し、両扉をガルムとラクレイが開く。
ゆっくり扉があくと、部屋の奥に複数の首をもつ巨大な蛇がそこにはいた。 動いていないので眠っているようだ。
「おい、まじか...... ヒュドラだぜ」
「うん、始めてみた......」
ガルムとラクレイがそう小声で話す。
「ヒュドラ...... 聞いたことあるような」
「確かギリシャ神話の蛇の怪物だね......」
そう橘さんがいう。
(そういえば、向こうの世界は種族ごとの言語がことなるから、魔力で言語を翻訳してたんだっけ、だからこっちの言葉で翻訳されて、ヒュドラになっているのか)
「それでどうする...... このまま撤退するか?」
「あいつはBランクモンスターだ。 特に再生と毒が厄介だな」
「だね。 それに倒せればかなり高額で売れる。 けど毒が......」
「私なら防毒の魔法アンチポイズンシールドをかけらるし、扉はしまってないから最悪逃げられるよ」
三人がそういう。
「わかった。 じゃあ橘さんは防毒を、俺たちは前にでる」
「わかった!」
「おう!!」
「うん!!」
俺たちは扉の中へと走り出す。 ヒュドラの複数の頭が目を開けてその鎌首をあげた。
「ハウリング!!」
「グランドゲイザー!」
「ライトブリッドエクスプロージョン!」
ガルムのハウリングはヒュドラの数頭をしびれさせ、ラクレイの岩の牙はヒュドラの複数の首を貫き動きを封じた。 俺の炎光弾はそのヒュドラの胴体に穴をあけ燃え盛る。
「よし! いや!」
ヒュドラの傷はすぐに回復し始めていた。
「くっ! 再生力が速いな! 俺とラクレイで首を落とす! マモルは再生しないように攻撃してくれ!」
「わかったガルム!」
ガルムとラクレイは首を切りつけている。 俺は傷口に魔法を連打して再生を止める。
(とはいえ、止めるのがやっと...... ラクレイとガルムが首を落としているが、時間はかかるが生えかわってる...... どうするか、やはり同時魔法をやってみるか...... ただ一発でやれるか)
「わ、私がやってみる!」
近づいた橘さんがそういった。
「なにかあるのか」
「ええ、ひとつだけ魔法が、だけどかなり魔力を集中するので、その間お願い......」
「......よし、ガルム、ラクレイ、あと少しだけ動きを止めるぞ!」
「わかった!」
「うん!」
俺もガルムたちに加わり、首を落としにかかる。 しばらくヒュドラの攻撃をしのいだ。
ーー万物の根源たる力を、理に抗い留めさせよーー
「フォースアウトサイクル」
橘さんが杖を地面につくと、そこから光る波動が放たれ部屋を包んだ。
「魔法で魔力を止めたわ! 今ならもう再生できないよ!」
そう橘さんは叫ぶ。
「よし!! 毒液を避けつつ首を落とす!」
「おお!!」
「わかった!!」
俺たちは毒液を避けながら、首を切り落としていき、最後の首を落とすとヒュドラは動かなくなった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる