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第二十五話
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(息がつまる...... なんだこいつは)
馬車で前にすわるこの男から異様な圧迫感を受ける。 俺の目をずっと無言でみている。 感情が読み取れず気味が悪い。
「......なんだ聞きたいことがあるなら、はっきり聞いてくれよ?」
「お前はこの世界をどうみている?」
そう唐突に聞いてきた。
「どう? 普通だろ」
「普通...... かつてこの世界は絶対の秩序があり、美しく均整のとれた世界だったという。 それが魔法によって乱され混沌の世界へと至った」
(そういや、あの女の人もそんなことをいっていたな)
「だが、それが自然なんじゃないのか。 人が欲をもち、自分の欲を満たすため行動する」
「違うな...... それは堕落だ。 人間は獣ではない。 人は秩序だった世界に生き、清浄な魂を求めなければならない。 そう神の意思どおりにだ」
ベインツは語気を強め断言した。
「だが、お前だってドルクスを使って人を苦しめて魔召石を集めたんだろ」
「それは必要悪だ...... 清浄不変の世界にするために必要な犠牲なのだ。 これはわたしにしかできない」
ベインツはうっとりしたように話した。
(やっと感情をだしたかと思ったら、やべえこといいだしやがったな)
馬車を下り王宮の中にはいると、城の外にある大きな扉のある塔がみえた。
「世界の浄化...... そのためにはこの魔召石が必要なのだ。 お前もみれば私のいうことがわかる」
「世界の浄化......」
そういって塔の大きな扉をあけ、王宮の薄暗い地下へと螺旋階段で降りていく。
「なんだ? ここに何がある」
「みればわかる......」
螺旋階段を降りると、少し明かりが入る。 それは巨大な部屋だった。
「これは!?」
その中心には翼をたたみ、巨大な青い肌の人の形をしたものがすわっている。
「おそろしいか、これは魔王だ......」
「魔王!? それって数百年前に倒されたんじゃないのか!」
「ああ、それがこれだ......」
魔王の足元に多くのローブをきたものたちがいて運ばれてくる魔召石を炉のなかにいれている。 それがチューブのようなもので魔王に繋がっている。
「魔召石をこの魔王に...... まさか!!」
「そう...... 魔召石は魔王復活のためのエネルギーだ」
(こいつら魔王を復活させようとしてんのか......)
「魔王が復活して何になる? 余計に混乱が広がるだろ。 こいつが欲を世界にもちこんだんじゃないのか」
「違うな。 魔王は魔力を魔法に変え人間に授けたのだ」
「だから、人間が魔法をえて欲深になったんだろ」
「それは一部のものたちだけだ。 魔法をえてこの世界は発展した。 ようは使い方だ。 魔法はただの道具、使うものが優秀であればこれほど有益な力はない」
「じゃあこいつを復活させてなにをさせようというんだ」
「魔王は人に魔法を与え続けた...... この世界が混乱に至ったのは、それを悪用する人間がいただけ、私たちならば魔法をよき方へと使える」
「つまり、こいつから魔法を得る...... それが目的か」
「ああ、今は失われた強大な魔法もな...... それらを得られれば我らは正しき世界へと人々を導ける」
恍惚の表情で身振り手振り演説のようにベインツは話した。
(目がいってやがるな......)
「魔召石をこちらに融通すれば、お前もこちら際にこさせてやる」
ベインツはそういうと俺の目をみすえた。
「......わかった...... マルキアを通じてここに運ばせよう。 俺もあんたの考えには同調する部分もある。 ただ場所はいわない、あんたに殺されかねないからな」
「......いい答えだ」
そういったベインツの表情に感情はみてとれなかった。
俺は町に戻り、みんなとの合流場所へと向かった。
「コウミさん......」
馬車のホロのついた荷台からそうリリンに手招きされる。
周囲を警戒して、乗り込むと、みんなと寝かされている藍色の髪の少女が一人いた。
「彼女か......」
「ああ、妹のターナだ......」
マルキアが心配そうにみつめる少女は意識がないが、荒い呼吸をしていて、辛そうな表情をしている。 頭には角が生えていた。
「薬を......」
「ああ」
俺は緑色の液体の入った小瓶を取引《トレード》で確認する。
「なるほど、魔力値3000、魔削液か...... 確かに高い魔力を持つ。 取引《トレード》」
その薬を十個ほど作り出した。
「すごい......」
「マルキア、早く飲ませろ」
「ああ!」
ターナに飲ませると荒い呼吸が消え、苦痛の顔が穏やかになった。
「ああ...... 助かった。 みなありがとう......」
そう震える両手で薬を抱いて頭を下げた。 リリンも馬を操るシモンズもほっとした顔をしている。
「礼はまだだ。 早くここからでよう......」
シモンズがそういう。 俺たちは馬車を走らせ門へと走る。
「コウミさん!」
リリンの声で後ろをホロをすこしあけると、後ろから馬に乗った黒い甲冑をきた騎士たちが近づいてきていた。
「くそっ! やっぱ気取られたか、動きが早い!」
「私がターナを動かしたからか...... やはり監視されていた。 わたしがやる!」
「やめろ。 妹をおいてく気か! 取引《トレード》!」
魔召石からつくっていた蒼氷球をだした。
「こいつを転がせ!」
俺たちは馬車から蒼氷球をいくつか転がす。 蒼氷球は石畳を凍らせ後方の馬を転ばせる。
「これは門もまずいな! よしリリン!」
「はい!」
リリンから笛を預かり吹いた。
門が近づいてくる。 そこには衛兵に黒い騎士たちが盾をかまえて槍をかまえている。
「やはり門はしまっているか! シモンズ路肩に馬車を止めてくれ!」
路肩に馬車を止めると、騎士たちがこちらにじりじりと近づいてくる。 後ろからも騎士たちが迫ってきていた。
「リリン!」
「はい! 【吸の黒穴】《アブソリュートブラックホール》」
リリンは後の地面に玉を投げ大きな穴を作る。 後ろの騎士たちは越えられずこちらをみている。
ドン! ドン!! ドンドンドン!!!
門から音が鳴り響いた。 前の衛兵や騎士たちが混乱している。
「よし! 今蒼氷球を門に投げつけろ!」
俺たちは外にでて門に蒼氷球を投げつけた。
門が凍りつく。
ドーン! ドーン!! ドーーン!!!!
その時門の一部が砕かれ、モンスターが中へと入ろうとしてきた。 慌ててこちらに向いていた騎士たちがおさえている。
「おい! お前ら死にたくなかったら門からはなれろ! もうその門は破られてモンスターがくるぞ!!」
そう俺は衛兵と騎士たちに叫んだ。
衛兵と騎士たちは顔を見合わせて、慌てて門から離れる。
ドガァアン!!
門が破られる。 モンスターがなだれ込んでくる。
「マルキア!」
俺は笛を穴の上へ投げた。
「わかった!」
ーー風よ、その流れでわが前に道をつくれーー
「ウィンドガスト!!」
風が吹くと穴に落ちていく笛を大きくならし、門をこじ開けたモンスターたちは、走ってこちらに向かってくると穴に次々落ちていった。
「よし! みんな乗り込め! シモンズ!」
「おう!」
俺たちは乗り込んだ馬車を走らせて、呆然としている騎士達をみながら門から逃げおおせた。
馬車で前にすわるこの男から異様な圧迫感を受ける。 俺の目をずっと無言でみている。 感情が読み取れず気味が悪い。
「......なんだ聞きたいことがあるなら、はっきり聞いてくれよ?」
「お前はこの世界をどうみている?」
そう唐突に聞いてきた。
「どう? 普通だろ」
「普通...... かつてこの世界は絶対の秩序があり、美しく均整のとれた世界だったという。 それが魔法によって乱され混沌の世界へと至った」
(そういや、あの女の人もそんなことをいっていたな)
「だが、それが自然なんじゃないのか。 人が欲をもち、自分の欲を満たすため行動する」
「違うな...... それは堕落だ。 人間は獣ではない。 人は秩序だった世界に生き、清浄な魂を求めなければならない。 そう神の意思どおりにだ」
ベインツは語気を強め断言した。
「だが、お前だってドルクスを使って人を苦しめて魔召石を集めたんだろ」
「それは必要悪だ...... 清浄不変の世界にするために必要な犠牲なのだ。 これはわたしにしかできない」
ベインツはうっとりしたように話した。
(やっと感情をだしたかと思ったら、やべえこといいだしやがったな)
馬車を下り王宮の中にはいると、城の外にある大きな扉のある塔がみえた。
「世界の浄化...... そのためにはこの魔召石が必要なのだ。 お前もみれば私のいうことがわかる」
「世界の浄化......」
そういって塔の大きな扉をあけ、王宮の薄暗い地下へと螺旋階段で降りていく。
「なんだ? ここに何がある」
「みればわかる......」
螺旋階段を降りると、少し明かりが入る。 それは巨大な部屋だった。
「これは!?」
その中心には翼をたたみ、巨大な青い肌の人の形をしたものがすわっている。
「おそろしいか、これは魔王だ......」
「魔王!? それって数百年前に倒されたんじゃないのか!」
「ああ、それがこれだ......」
魔王の足元に多くのローブをきたものたちがいて運ばれてくる魔召石を炉のなかにいれている。 それがチューブのようなもので魔王に繋がっている。
「魔召石をこの魔王に...... まさか!!」
「そう...... 魔召石は魔王復活のためのエネルギーだ」
(こいつら魔王を復活させようとしてんのか......)
「魔王が復活して何になる? 余計に混乱が広がるだろ。 こいつが欲を世界にもちこんだんじゃないのか」
「違うな。 魔王は魔力を魔法に変え人間に授けたのだ」
「だから、人間が魔法をえて欲深になったんだろ」
「それは一部のものたちだけだ。 魔法をえてこの世界は発展した。 ようは使い方だ。 魔法はただの道具、使うものが優秀であればこれほど有益な力はない」
「じゃあこいつを復活させてなにをさせようというんだ」
「魔王は人に魔法を与え続けた...... この世界が混乱に至ったのは、それを悪用する人間がいただけ、私たちならば魔法をよき方へと使える」
「つまり、こいつから魔法を得る...... それが目的か」
「ああ、今は失われた強大な魔法もな...... それらを得られれば我らは正しき世界へと人々を導ける」
恍惚の表情で身振り手振り演説のようにベインツは話した。
(目がいってやがるな......)
「魔召石をこちらに融通すれば、お前もこちら際にこさせてやる」
ベインツはそういうと俺の目をみすえた。
「......わかった...... マルキアを通じてここに運ばせよう。 俺もあんたの考えには同調する部分もある。 ただ場所はいわない、あんたに殺されかねないからな」
「......いい答えだ」
そういったベインツの表情に感情はみてとれなかった。
俺は町に戻り、みんなとの合流場所へと向かった。
「コウミさん......」
馬車のホロのついた荷台からそうリリンに手招きされる。
周囲を警戒して、乗り込むと、みんなと寝かされている藍色の髪の少女が一人いた。
「彼女か......」
「ああ、妹のターナだ......」
マルキアが心配そうにみつめる少女は意識がないが、荒い呼吸をしていて、辛そうな表情をしている。 頭には角が生えていた。
「薬を......」
「ああ」
俺は緑色の液体の入った小瓶を取引《トレード》で確認する。
「なるほど、魔力値3000、魔削液か...... 確かに高い魔力を持つ。 取引《トレード》」
その薬を十個ほど作り出した。
「すごい......」
「マルキア、早く飲ませろ」
「ああ!」
ターナに飲ませると荒い呼吸が消え、苦痛の顔が穏やかになった。
「ああ...... 助かった。 みなありがとう......」
そう震える両手で薬を抱いて頭を下げた。 リリンも馬を操るシモンズもほっとした顔をしている。
「礼はまだだ。 早くここからでよう......」
シモンズがそういう。 俺たちは馬車を走らせ門へと走る。
「コウミさん!」
リリンの声で後ろをホロをすこしあけると、後ろから馬に乗った黒い甲冑をきた騎士たちが近づいてきていた。
「くそっ! やっぱ気取られたか、動きが早い!」
「私がターナを動かしたからか...... やはり監視されていた。 わたしがやる!」
「やめろ。 妹をおいてく気か! 取引《トレード》!」
魔召石からつくっていた蒼氷球をだした。
「こいつを転がせ!」
俺たちは馬車から蒼氷球をいくつか転がす。 蒼氷球は石畳を凍らせ後方の馬を転ばせる。
「これは門もまずいな! よしリリン!」
「はい!」
リリンから笛を預かり吹いた。
門が近づいてくる。 そこには衛兵に黒い騎士たちが盾をかまえて槍をかまえている。
「やはり門はしまっているか! シモンズ路肩に馬車を止めてくれ!」
路肩に馬車を止めると、騎士たちがこちらにじりじりと近づいてくる。 後ろからも騎士たちが迫ってきていた。
「リリン!」
「はい! 【吸の黒穴】《アブソリュートブラックホール》」
リリンは後の地面に玉を投げ大きな穴を作る。 後ろの騎士たちは越えられずこちらをみている。
ドン! ドン!! ドンドンドン!!!
門から音が鳴り響いた。 前の衛兵や騎士たちが混乱している。
「よし! 今蒼氷球を門に投げつけろ!」
俺たちは外にでて門に蒼氷球を投げつけた。
門が凍りつく。
ドーン! ドーン!! ドーーン!!!!
その時門の一部が砕かれ、モンスターが中へと入ろうとしてきた。 慌ててこちらに向いていた騎士たちがおさえている。
「おい! お前ら死にたくなかったら門からはなれろ! もうその門は破られてモンスターがくるぞ!!」
そう俺は衛兵と騎士たちに叫んだ。
衛兵と騎士たちは顔を見合わせて、慌てて門から離れる。
ドガァアン!!
門が破られる。 モンスターがなだれ込んでくる。
「マルキア!」
俺は笛を穴の上へ投げた。
「わかった!」
ーー風よ、その流れでわが前に道をつくれーー
「ウィンドガスト!!」
風が吹くと穴に落ちていく笛を大きくならし、門をこじ開けたモンスターたちは、走ってこちらに向かってくると穴に次々落ちていった。
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