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第四十六話
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「キメラが動く!!」
「任せて!」
アンナが矢を放つと、キメラの触手は俊敏にうごき矢を取り込んだ。
「魔力を取り込んでいるのか!」
キメラが口を開ける。 その口もとに玉のような光が集まる。
「魔力のブレスがくる! 投げろ!」
バルフの声で俺たちは蒼氷球を投げつけ壁を作る。
「グオオオオオオオオ!!」
咆哮と共にブレスが放たれ、氷壁をいとも簡単に吹き飛ばした。
「ぐああああ!」
「きゃああああ!!」
俺たちはその衝撃で壁際まで吹き飛ばされる。
「くっ、なんなんだあの威力...... もう一発くらったら死ぬぞ!」
「だが、あれほどのブレスを放つにはかなりの魔力がいるはず...... 次のがくるまでにあいつを倒しましょう!」
リリンがいうと、バルフがうなづく。
「魔力を奪い取り込むあの触手が厄介だが、あれも魔力でできている」
「やはり、あれを使うか......」
「ああ、だが強力なのはひとつしかない。 これをはずせば終わりだ」
「わかった...... 取引《トレード》でも、その魔力のそれはもう作れないからな......」
俺はアンナとリリンに目を合わせる。
「ぐわああああ!!」
キメラは触手で逃げ惑っているものたちを取り込んでいる。
「早くしないと、回復される!」
「私がいこう。 あとは頼む」
「わかった......」
バルフは歩きだし話しかけた。
「ミルガイア! これからなにをしようとしている!」
「この世界を変えるのさ......」
「変えるだと...... そのキメラでか!」
「ああ、こいつを量産する。 そしてこの世界から魔力を吸い尽くすんだ」
「魔力を奪う!? なんのためだ!」
「魔力があるから、人は狂い愚かなことをする。 ならばその魔力をなくしてしまえばいい。 魔力は人には過ぎたものだったのだ......」
隠蔽の魔法で姿を消し、俺は玉をもって近づく。
ビュッ!!
触手が急に俺の方に向いて高速で迫ってきた。
「なっ!?」
なんとかかわしたが、玉をおとし割ってしまった。 触手は俺を狙い攻撃してくる。
「隠れていたのか、大きな魔力をもっているな...... 無駄だ。 このキメラの触手は高い魔力に反応する」
「お前がサキナとアスファイドさまを殺されたことは私とて悲しい...... がそれで世界を憎むのは間違っている!」
バルフがそう諭すようにいうと、ミルガイアは目を伏せた。
「殺された...... 違う」
「違うだと...... 町のものになんの罪もなく疎まれて殺されたのではないのか」
「違う...... 私が殺したのだ!!」
そう目を見開いてミルガイアはいった。
「な、なんだと......」
バルフは驚いている。
「そんな、俺たちを育ててくれたあの人と恋人のサキナをお前が殺したというのか!!」
「そうだ...... 殺した。 だが人ではない! 殺したのは悪魔と化物だ!」
「どういうことだよ!」
触手をかわしながら俺は叫んだ。
「サキナは病に伏せた......」
「ああ、それをアスファイドさまは治し......」
「違う! あの人は、いやあいつはサキナを治すふりをして魔人を作る素体とし、化物に変えたのだ!」
「なっ!! 町の者に迫害されて殺されたんじゃないのか!?」
「いいや、町のものたちは正しかった。 サキナはモンスターとなり人を殺していく化物とかした。 そして町のものたちと、そのサキナを私が殺したのだ......」
「なぜだ...... あの人はそんな人じゃ......」
「そんな人、どんな人だ! 俺たちが拾われたから、善人だとでも思ったのか...... 俺たちは魔力が高かったから、飼われたんだ。 あいつがモンスターを操って町を襲わせ生き残った俺たちをな!」
「そんな......」
バルフが膝から崩れ落ちる。
「なぜそれがわかった」
俺がミルガイアに聞いた。
「サキナが化物と化したのをしった私はやつを問い詰めた。 両腕を潰せばすぐ話したよ。 全てを...... だから殺してやった!」
「それで、世界から魔力をなくすのか」
「そうだ...... この世界から魔力をなくせば人の欲もなくなる。 同調するものも多くいる! ベインツ卿のようにな!」
「ベインツ!? あいつが」
「彼がスポンサーだ。 この設備も人員もな。 いくつかの復元した古代アイテムや兵器を提供した」
「ちっ、やつが絡んでたのかよ! バルフのおっさん! 落ちこんでる場合じゃないだろ! あいつは全部失ったが! あんたは失ってない!」
「そういえば娘がいたな...... もう一人も、魔力が少なくなるがキメラ触手を増やして探れ」
更にはえた触手を左右に伸ばした。
「ここです!」
リリンは隠蔽を解除して透明な玉を横から投げた。
「そんなもの!!」
ミルガイアは炎の魔法を玉に当てると炎が玉に吸い込まれる。
「これは!? 吸魔玉《ドレインスフィア》!? ばかな! あれを作れたのか! だが当たらなければならない未完成品のようだな!」
ヒュッ
その時、ミルガイアの後ろから飛んできた透明な玉がキメラにあたった。
「任せて!」
アンナが矢を放つと、キメラの触手は俊敏にうごき矢を取り込んだ。
「魔力を取り込んでいるのか!」
キメラが口を開ける。 その口もとに玉のような光が集まる。
「魔力のブレスがくる! 投げろ!」
バルフの声で俺たちは蒼氷球を投げつけ壁を作る。
「グオオオオオオオオ!!」
咆哮と共にブレスが放たれ、氷壁をいとも簡単に吹き飛ばした。
「ぐああああ!」
「きゃああああ!!」
俺たちはその衝撃で壁際まで吹き飛ばされる。
「くっ、なんなんだあの威力...... もう一発くらったら死ぬぞ!」
「だが、あれほどのブレスを放つにはかなりの魔力がいるはず...... 次のがくるまでにあいつを倒しましょう!」
リリンがいうと、バルフがうなづく。
「魔力を奪い取り込むあの触手が厄介だが、あれも魔力でできている」
「やはり、あれを使うか......」
「ああ、だが強力なのはひとつしかない。 これをはずせば終わりだ」
「わかった...... 取引《トレード》でも、その魔力のそれはもう作れないからな......」
俺はアンナとリリンに目を合わせる。
「ぐわああああ!!」
キメラは触手で逃げ惑っているものたちを取り込んでいる。
「早くしないと、回復される!」
「私がいこう。 あとは頼む」
「わかった......」
バルフは歩きだし話しかけた。
「ミルガイア! これからなにをしようとしている!」
「この世界を変えるのさ......」
「変えるだと...... そのキメラでか!」
「ああ、こいつを量産する。 そしてこの世界から魔力を吸い尽くすんだ」
「魔力を奪う!? なんのためだ!」
「魔力があるから、人は狂い愚かなことをする。 ならばその魔力をなくしてしまえばいい。 魔力は人には過ぎたものだったのだ......」
隠蔽の魔法で姿を消し、俺は玉をもって近づく。
ビュッ!!
触手が急に俺の方に向いて高速で迫ってきた。
「なっ!?」
なんとかかわしたが、玉をおとし割ってしまった。 触手は俺を狙い攻撃してくる。
「隠れていたのか、大きな魔力をもっているな...... 無駄だ。 このキメラの触手は高い魔力に反応する」
「お前がサキナとアスファイドさまを殺されたことは私とて悲しい...... がそれで世界を憎むのは間違っている!」
バルフがそう諭すようにいうと、ミルガイアは目を伏せた。
「殺された...... 違う」
「違うだと...... 町のものになんの罪もなく疎まれて殺されたのではないのか」
「違う...... 私が殺したのだ!!」
そう目を見開いてミルガイアはいった。
「な、なんだと......」
バルフは驚いている。
「そんな、俺たちを育ててくれたあの人と恋人のサキナをお前が殺したというのか!!」
「そうだ...... 殺した。 だが人ではない! 殺したのは悪魔と化物だ!」
「どういうことだよ!」
触手をかわしながら俺は叫んだ。
「サキナは病に伏せた......」
「ああ、それをアスファイドさまは治し......」
「違う! あの人は、いやあいつはサキナを治すふりをして魔人を作る素体とし、化物に変えたのだ!」
「なっ!! 町の者に迫害されて殺されたんじゃないのか!?」
「いいや、町のものたちは正しかった。 サキナはモンスターとなり人を殺していく化物とかした。 そして町のものたちと、そのサキナを私が殺したのだ......」
「なぜだ...... あの人はそんな人じゃ......」
「そんな人、どんな人だ! 俺たちが拾われたから、善人だとでも思ったのか...... 俺たちは魔力が高かったから、飼われたんだ。 あいつがモンスターを操って町を襲わせ生き残った俺たちをな!」
「そんな......」
バルフが膝から崩れ落ちる。
「なぜそれがわかった」
俺がミルガイアに聞いた。
「サキナが化物と化したのをしった私はやつを問い詰めた。 両腕を潰せばすぐ話したよ。 全てを...... だから殺してやった!」
「それで、世界から魔力をなくすのか」
「そうだ...... この世界から魔力をなくせば人の欲もなくなる。 同調するものも多くいる! ベインツ卿のようにな!」
「ベインツ!? あいつが」
「彼がスポンサーだ。 この設備も人員もな。 いくつかの復元した古代アイテムや兵器を提供した」
「ちっ、やつが絡んでたのかよ! バルフのおっさん! 落ちこんでる場合じゃないだろ! あいつは全部失ったが! あんたは失ってない!」
「そういえば娘がいたな...... もう一人も、魔力が少なくなるがキメラ触手を増やして探れ」
更にはえた触手を左右に伸ばした。
「ここです!」
リリンは隠蔽を解除して透明な玉を横から投げた。
「そんなもの!!」
ミルガイアは炎の魔法を玉に当てると炎が玉に吸い込まれる。
「これは!? 吸魔玉《ドレインスフィア》!? ばかな! あれを作れたのか! だが当たらなければならない未完成品のようだな!」
ヒュッ
その時、ミルガイアの後ろから飛んできた透明な玉がキメラにあたった。
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