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第五十六話
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「すまなかったな。 バルバロは公爵位を剥奪、処断しておく」
王宮に帰るとヴィンドアン侯爵がいった。
「別に興味ないからいい」
「ふっふっふっ、そうか、それと王が話をしたいともうされている」
そういって王の間へと通された。
そこには玉座に座る小学生くらいの少年がいた。 アバレス王国、国王アバレス五世だという。
(王さまって子供だったのか)
「今回は我が国のために、働いてくれて感謝します。 恩賞は当然として、それ以外必要なものがあれば言って欲しいのです」
「それ以外...... なんでだ?」
「......実はあなた方に頼みがあるのです」
いいづらそうに王が話した。
「頼み?」
「あなたはあのバルバロの領地を開拓されたときいた。 いま再びモンスターの攻撃により農地を失ってしまった。 この国は食料事情が絶えず問題になる...... そこで農地の確保にその手をお借りしたい。 事情は聞いたのでこのようなお願いは厚かましいが......」
「うん、厚かましいな」
「ちょっ、ちょっと!!」
アンナが腕を引っ張る。
「もちろん、頼みごとはこちらの要望を聞いてもらえれば受ける」
「要望? なにをすればいいのですか?」
不思議そうに王がきいた。
「うちの国を国家として認め、国交を行ってもらいたい」
「うちの国? あなたたちは国をもっているのか」
俺たちは自分達の国の話をした。
「確かにグナトリアは十年前滅んだ国だ。 そこに国を......」
ヴィンドアン伯爵は考え、王へうなづいた。
「わかった。 あなたの国グナトリアを国とみとめ、国交を行う」
アバレス王国に国と認めさせ国交を結んだ。 農地の拡大と、その壁の拡張を請け負った。
「よし、これで一応は国にはなったな」
「ええ、一度帰りましょう。 ターナを治したいわ」
「じゃあ、やるぞ......」
俺たちは国に戻り、ターナに取引《トレード》を用いる。
「ターナ、魔力値100万か...... やはり高い、が、今の魔力が増えた俺ならいける! 取引《トレード》!!」
横になったターナの体が光りおさまると、その角がなくなっていた。
「う...... あっ、お姉ちゃん......」
「ターナ!!」
マルキアが目が覚めたターナを抱き締めた。
「ふう、これで完了」
「お疲れ様」
「ありがとうごさいました!」
アンナとクリュエからねぎらわれ、診療所を離れ、執務室へと向かった。
「コウミさま。 アバレスへの魔法使い、衛兵の輸送を開始しました」
ミーシャが資料をみながらそういった。
「わかった。 それでこの国の状況は」
「町は十五、人口は5万余、戦えるものは5000ぐらいでしょうか」
ハイレンがそういい。
「いまセーヌさま、シモンズさま、ディラさまが近隣諸国へ外交関係樹立のための特使として向かっています」
「セーヌは騎士だったからわかるけど、シモンズとディラ?」
「セーヌさまは上級貴族、シモンズさまは滅んだ元ラーバール国の貴族の出身、ディラさまも王宮魔法使いの名家出身です」
そうつづけた。
「し、知らんかった。 ディラはいいとして、シモンズって貴族だったのか...... 似合わねー」
「魔法も使えたでしょう。 貴族や王族は魔力が強いものが多い。 だからこそ古代に力をもったのよ」
アンナがあきれていった。
「なるほどね。 まあじゃあ任せよう。 リリンは?」
「ええ! コウミさんがいっていた魔力の結晶化成功しました! 父さん、ディラさんと一緒に!」
水晶のようなものを机に置いた。
「さっきターナに使った魔力の結晶、10万の魔力だな」
「はい【魔滉晶】《クリスタリオ》です!」
リリンが胸を張る。
「ああ、魔召石など高い魔力をもつものを炉にいれ結晶化の魔法で純度をあげ作り出す。 神界晶を調べた結果だ。 これで浄水場、上下水道などを常時稼働できる」
バルフがそういった。
「おお! じゃあ早速導入してくれ」
「ええ、でも問題も......」
そういってリリンはいいづらそうにした。
「なに?」
「その魔力の元ね」
アンナがいうとうなづく。
「はい、高い魔力をもつ物質を用意するのが至難の技で......」
「俺がいるけど」
「他の国が欲しがったら?」
アンナがいって気づいた。
「そうか、奪い合いになるか......」
「ええ、モンスターなどならいいのですが、魔力の高い鉱物などを巡り争いが起こると思います」
リリンが困った顔をした。
「資源戦争か...... それは困るな。 とりあえず今は秘密にして【魔滉晶】《クリスタリオ》は俺が作った魔召石から製造しておいてくれ」
「はい!」
「わかった」
(確かに便利になると不具合がでてくるな。 人の欲か......)
俺たちは国は確実に大きくなっていた。
王宮に帰るとヴィンドアン侯爵がいった。
「別に興味ないからいい」
「ふっふっふっ、そうか、それと王が話をしたいともうされている」
そういって王の間へと通された。
そこには玉座に座る小学生くらいの少年がいた。 アバレス王国、国王アバレス五世だという。
(王さまって子供だったのか)
「今回は我が国のために、働いてくれて感謝します。 恩賞は当然として、それ以外必要なものがあれば言って欲しいのです」
「それ以外...... なんでだ?」
「......実はあなた方に頼みがあるのです」
いいづらそうに王が話した。
「頼み?」
「あなたはあのバルバロの領地を開拓されたときいた。 いま再びモンスターの攻撃により農地を失ってしまった。 この国は食料事情が絶えず問題になる...... そこで農地の確保にその手をお借りしたい。 事情は聞いたのでこのようなお願いは厚かましいが......」
「うん、厚かましいな」
「ちょっ、ちょっと!!」
アンナが腕を引っ張る。
「もちろん、頼みごとはこちらの要望を聞いてもらえれば受ける」
「要望? なにをすればいいのですか?」
不思議そうに王がきいた。
「うちの国を国家として認め、国交を行ってもらいたい」
「うちの国? あなたたちは国をもっているのか」
俺たちは自分達の国の話をした。
「確かにグナトリアは十年前滅んだ国だ。 そこに国を......」
ヴィンドアン伯爵は考え、王へうなづいた。
「わかった。 あなたの国グナトリアを国とみとめ、国交を行う」
アバレス王国に国と認めさせ国交を結んだ。 農地の拡大と、その壁の拡張を請け負った。
「よし、これで一応は国にはなったな」
「ええ、一度帰りましょう。 ターナを治したいわ」
「じゃあ、やるぞ......」
俺たちは国に戻り、ターナに取引《トレード》を用いる。
「ターナ、魔力値100万か...... やはり高い、が、今の魔力が増えた俺ならいける! 取引《トレード》!!」
横になったターナの体が光りおさまると、その角がなくなっていた。
「う...... あっ、お姉ちゃん......」
「ターナ!!」
マルキアが目が覚めたターナを抱き締めた。
「ふう、これで完了」
「お疲れ様」
「ありがとうごさいました!」
アンナとクリュエからねぎらわれ、診療所を離れ、執務室へと向かった。
「コウミさま。 アバレスへの魔法使い、衛兵の輸送を開始しました」
ミーシャが資料をみながらそういった。
「わかった。 それでこの国の状況は」
「町は十五、人口は5万余、戦えるものは5000ぐらいでしょうか」
ハイレンがそういい。
「いまセーヌさま、シモンズさま、ディラさまが近隣諸国へ外交関係樹立のための特使として向かっています」
「セーヌは騎士だったからわかるけど、シモンズとディラ?」
「セーヌさまは上級貴族、シモンズさまは滅んだ元ラーバール国の貴族の出身、ディラさまも王宮魔法使いの名家出身です」
そうつづけた。
「し、知らんかった。 ディラはいいとして、シモンズって貴族だったのか...... 似合わねー」
「魔法も使えたでしょう。 貴族や王族は魔力が強いものが多い。 だからこそ古代に力をもったのよ」
アンナがあきれていった。
「なるほどね。 まあじゃあ任せよう。 リリンは?」
「ええ! コウミさんがいっていた魔力の結晶化成功しました! 父さん、ディラさんと一緒に!」
水晶のようなものを机に置いた。
「さっきターナに使った魔力の結晶、10万の魔力だな」
「はい【魔滉晶】《クリスタリオ》です!」
リリンが胸を張る。
「ああ、魔召石など高い魔力をもつものを炉にいれ結晶化の魔法で純度をあげ作り出す。 神界晶を調べた結果だ。 これで浄水場、上下水道などを常時稼働できる」
バルフがそういった。
「おお! じゃあ早速導入してくれ」
「ええ、でも問題も......」
そういってリリンはいいづらそうにした。
「なに?」
「その魔力の元ね」
アンナがいうとうなづく。
「はい、高い魔力をもつ物質を用意するのが至難の技で......」
「俺がいるけど」
「他の国が欲しがったら?」
アンナがいって気づいた。
「そうか、奪い合いになるか......」
「ええ、モンスターなどならいいのですが、魔力の高い鉱物などを巡り争いが起こると思います」
リリンが困った顔をした。
「資源戦争か...... それは困るな。 とりあえず今は秘密にして【魔滉晶】《クリスタリオ》は俺が作った魔召石から製造しておいてくれ」
「はい!」
「わかった」
(確かに便利になると不具合がでてくるな。 人の欲か......)
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