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第三十三話『捨てられた国への道』
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聖堂は崩れ去ると、周囲には集まった信者たちで騒然としていた。
「本当だ...... ブガルガは自分の尖兵を作るために、儀式と称して我々を騙していたんだ」
「そんな......」
「ブガルガさまが......」
さっき生け贄にされかけた者たちが、疲れた顔をしてそう話している。 それを聞いた者たちは言葉を失っている。
「そんなわけはない!」
「そうだ! 我々は力を得られる!」
「それならあれはなんだ......」
そう反論するものもいたが、崩れた聖堂だった場所に穴ができており、その中に異形になった信者の姿が多く転がっているのを見るとおし黙った。
「俺たちは帰ろう。 このにはもうなにもない......」
俺たちは国をでる。
「それにしても、あんなことがあったのに、あの人たち残るんですね」
レンドが馬車に乗りながらそうつぶやく。
それは信者たちのことだろう。 俺たちが国をでるとき、信者をやめるものたちもいたが、そのまま教義を続けるものたちも多くいて、再び祈りを捧げていた。
「一度信仰したものを捨てられないのでしょう。 祈りを捨てると何もなくなると怯えていました...... もう自分で考える人生を選べないようになっていた」
ゼノフォスは悲しげにつぶやく。
「そうね。 ただ祈るだけの人生なんて私には考えられないけど」
「それが間違いだともいいきれない。 あの人たちにとっては生きるために必要なものなんだろう、今さら変えろと言われて変えられないほどに......」
(それほど人は弱いのか...... それとも強いのか。 俺にはわからない......)
俺は遠ざかる雪の国を見ながらそう思った。
「カイトさん、でもあのカーマインの力はなんなんですか。 力を与えるって...... しかも壁に埋め込まれて今まで生きている」
レンドはそう眉をひそめる。 そしてディルセアもうなづいた。
「あのブラネスクも、モンスターに変える力があったわ...... それに鳥みたいになってた......」
「わからないが、カーマインはヴェルザグに恨みの言葉を吐いていた。 宝玉はヴェルザグに奪われていた...... もしかしたらカーマインのたちはヴェルザグによってそんな力を与えられて不死にされたのかもな......」
「しかし、スケルトンにされたファザードはヴェルザグの死後、数百年後の人物......」
「......不死なら、それも可能ですよね」
「確かに、それに協力者がいてもおかしくはないわね」
レンドとディルセアが顔を見合わせる。
(確かに、ヴェルザグの生存の可能性もあるな...... やはり宝玉を絶対手に入れないと、宝玉を狙うものは何か大きな事を起こそうとしているのは間違いない)
「残りは終焉の宝玉《ヴェルムオーブ》、意思の宝玉《ウィルオーブ》よね。 やはり前教主が売ったやつなのかしら......」
ディルセアがそう言う。
(見つかっている三つの宝玉がどこの宝玉かわからない以上、意思の宝玉《ウィル・オーブ》を教主が売った宝玉の可能性もあるな...... だが)
「その前教主が売ったのがどこかわからないからな......」
「正規に販売したら、どこかで手に入れられているはずですが、聞いたことがありません」
ゼノフォスが言うと、ディルセアもうなずく。
「そうね。 私たちも聞いたことはないわ。 でもお金が欲しいなら高額で売るだろうから多分裏社会に流れたんだと思うわ」
「だとするとゼプト商会なら知っているかも......」
レンドがディルセアの話を聞いて言った。
「ゼプト...... 確かかなり大きな商会だったな」
「ええ、めちゃくちゃ昔からあるといわれています」
「ボスの【グラウニー】は裏社会の大物ですね...... ですがかなり危険な人物てす。 各国では指名手配されるほど......」
ゼノフォスは怪訝な顔をした。
「ただそこしか情報がない。 レンドどうすれば接触できる?」
「......そうですね。 【マスティア】と言う国を本拠地にしています。 そこに行けば何とか接触できます」
「マスティアって【捨てられた国】よね」
「とても、治安が悪いところと聞きますが......」
ディルセアとゼノフォスが不安げに言った。
「だが、手がかりがない以上、行くしかないな」
俺たちは失われた宝玉の情報を得るため、マスティアに向かうことにした。
「本当だ...... ブガルガは自分の尖兵を作るために、儀式と称して我々を騙していたんだ」
「そんな......」
「ブガルガさまが......」
さっき生け贄にされかけた者たちが、疲れた顔をしてそう話している。 それを聞いた者たちは言葉を失っている。
「そんなわけはない!」
「そうだ! 我々は力を得られる!」
「それならあれはなんだ......」
そう反論するものもいたが、崩れた聖堂だった場所に穴ができており、その中に異形になった信者の姿が多く転がっているのを見るとおし黙った。
「俺たちは帰ろう。 このにはもうなにもない......」
俺たちは国をでる。
「それにしても、あんなことがあったのに、あの人たち残るんですね」
レンドが馬車に乗りながらそうつぶやく。
それは信者たちのことだろう。 俺たちが国をでるとき、信者をやめるものたちもいたが、そのまま教義を続けるものたちも多くいて、再び祈りを捧げていた。
「一度信仰したものを捨てられないのでしょう。 祈りを捨てると何もなくなると怯えていました...... もう自分で考える人生を選べないようになっていた」
ゼノフォスは悲しげにつぶやく。
「そうね。 ただ祈るだけの人生なんて私には考えられないけど」
「それが間違いだともいいきれない。 あの人たちにとっては生きるために必要なものなんだろう、今さら変えろと言われて変えられないほどに......」
(それほど人は弱いのか...... それとも強いのか。 俺にはわからない......)
俺は遠ざかる雪の国を見ながらそう思った。
「カイトさん、でもあのカーマインの力はなんなんですか。 力を与えるって...... しかも壁に埋め込まれて今まで生きている」
レンドはそう眉をひそめる。 そしてディルセアもうなづいた。
「あのブラネスクも、モンスターに変える力があったわ...... それに鳥みたいになってた......」
「わからないが、カーマインはヴェルザグに恨みの言葉を吐いていた。 宝玉はヴェルザグに奪われていた...... もしかしたらカーマインのたちはヴェルザグによってそんな力を与えられて不死にされたのかもな......」
「しかし、スケルトンにされたファザードはヴェルザグの死後、数百年後の人物......」
「......不死なら、それも可能ですよね」
「確かに、それに協力者がいてもおかしくはないわね」
レンドとディルセアが顔を見合わせる。
(確かに、ヴェルザグの生存の可能性もあるな...... やはり宝玉を絶対手に入れないと、宝玉を狙うものは何か大きな事を起こそうとしているのは間違いない)
「残りは終焉の宝玉《ヴェルムオーブ》、意思の宝玉《ウィルオーブ》よね。 やはり前教主が売ったやつなのかしら......」
ディルセアがそう言う。
(見つかっている三つの宝玉がどこの宝玉かわからない以上、意思の宝玉《ウィル・オーブ》を教主が売った宝玉の可能性もあるな...... だが)
「その前教主が売ったのがどこかわからないからな......」
「正規に販売したら、どこかで手に入れられているはずですが、聞いたことがありません」
ゼノフォスが言うと、ディルセアもうなずく。
「そうね。 私たちも聞いたことはないわ。 でもお金が欲しいなら高額で売るだろうから多分裏社会に流れたんだと思うわ」
「だとするとゼプト商会なら知っているかも......」
レンドがディルセアの話を聞いて言った。
「ゼプト...... 確かかなり大きな商会だったな」
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「ボスの【グラウニー】は裏社会の大物ですね...... ですがかなり危険な人物てす。 各国では指名手配されるほど......」
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「ただそこしか情報がない。 レンドどうすれば接触できる?」
「......そうですね。 【マスティア】と言う国を本拠地にしています。 そこに行けば何とか接触できます」
「マスティアって【捨てられた国】よね」
「とても、治安が悪いところと聞きますが......」
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「だが、手がかりがない以上、行くしかないな」
俺たちは失われた宝玉の情報を得るため、マスティアに向かうことにした。
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