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第十四話
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「やったな! サキミ」
ディンは走りよってくる。
「ああ、なんとかな。 でも剣が折れた。 フェアネスソウルで弱らせたのにめちゃくちゃ強かった」
「ふむ、さすがにジャイアントは北の【暗黒大陸】からの魔力で生まれたモンスターだからな」
「暗黒大陸?」
「そうだ。 ここよりはるか北には人や魔族を寄せ付けぬ大陸がある。 そこと人間界の間にここ魔族大陸があるのだ。 暗黒大陸にはこっちでは存在しない強大なモンスターがおる。 一説には神の世界だともいう」
「へえ、でもフェアネスソウルを使ってもあの強さ。 確かに普通の人には倒すのは難しいかもしれないな。 よくこちらは滅ぼされてないな」
「それはある魔王の結界魔法で壁をつくっておるからだ。 まれにこちらにもれだした魔力で強いモンスターが生まれる」
「さっきのジャイアントみたいなやつか、あんなのがごろごろしてたらどうにもならん。 この剣じゃ戦えん」
折れた剣を眺めてそういった。
「......だな。 剣を極めるのは無理でも、装備の交換はできる。 一度換金して強い剣を...... いや、ひとつ心当たりがあるな」
「心当たり?」
「ちょうど依頼にあるモンスターがいる場所だ」
安い剣を買い換えた俺たちはディンのいう森へとやってきた。 そこは昼なのにうっそうと木が繁り暗くひんやり重い空気が流れている。
「かなり暗いな。 あと薄気味悪い」
「コルアークだ。 昔は木々などない場所だったが......」
奥へと進む。 そこはモンスターたちの巣窟で、次々とでてくるのを魔法でうちたおす。
「だいぶ、その光魔法使いこなせるようになったな」
「ああ、流れをコントロールできるようになった。 もう弾けたりしないぞ。 ただためがいるからな」
「まあ、まえよりは出力も増えておる。 やれることは増えているはずだ。 見えてきたぞ......」
「これは...... 瓦礫、いや......」
それは石の建造物だった。 かなり広い場所で崩れた柱が何本もある。
「城か......」
「ああ、余の居城、バングレイオンだ」
その城はもう緑の苔でおおわれている。
「千年ぶりか......」
そうディンは懐かしそうに壁をさわっている。
その時、周囲に連続した金属音が響いた。
「なんだ!!」
「誰かいる!? 魔力が二つある...... あっちだ!」
崩れた城の中に入ると、ホールのような場所で誰かが戦っていた。
「あれは飛行船の女の子か!!」
少女は大剣をふるう首なしの鎧と戦っていた。
「ああ、もう一方はデュラハン!!」
「デュラハン? ここの依頼モンスターか、首がないぞ」
「そうだ。歴戦の騎士がよみがえったアンデッドだ。 かなり強いぞ!」
少女は相手の大剣をうまくいなして戦っているが、それでも魔法と剣を同時に使うデュラハンの方がおしている。
「きゃあああ!」
ついに剣を弾かれ、少女は後ろに吹き飛ばされた。
「やばい! いくぞ!」
「フェアネスソウルは使うな! やつは魔法も強力だ!」
走り出すと、後ろからディンは魔法を唱える。
ーー心まで凍てつかせる氷結よ、我が敵を貫けーー
「フリージングランス」
複数の氷の槍がデュラハンへと向かう。
「......シャドウシールド......」
氷の槍はデュラハンが張った黒い半透明の盾に阻まれた。
盾をかわして剣をふるうが小手で弾かれ、デュラハンの片手で振るった大剣を何とか防いだ。
「重っ! なんだこいつ片手でこの強さかよ!!」
連続で振り下ろされる剛剣に、なにもできずただ防ぐだけしかできない。
「にげて...... そいつは強すぎる......」
少女が叫んだ。 どうやらかなりの傷のようだ。
(くそっ、攻撃どころじゃない! 剣技も腕力も段違いだ! 仮に当てられてもあの体全然斬れやしない。 やっぱりフェアネスソウルで......)
「フェアネス......」
ーー暗き淵より生まれし...... 闇の力よ...... 渦巻いて弾けろーー
「ダークネスブレイズ」
(魔法!?)
デュラハンの手の前に黒い渦が現れ、放たれる。
(やばい! これは死......)
ーー荒れ狂う突風の鎧よ、その者をまとい守れーー
「ガストメイル」
俺の体の前に風が放たれ黒い渦を阻んでいる。
(これは、ディンの......)
後ろをみると、ディンは肩で息をして地面に膝をついている。
(もう魔力がないのか...... 俺がやるしかない!)
何とか攻撃しながら考える。
(シャインサイクロンも使えない! 俺には魔力があるが、向こうは魔力も力もある...... この魔法を相殺できても剣で死ぬ! どうしたら...... 他にあの少女に分配...... いや!)
ーー光よ、瞬き流れ、その輝きを束ねよーー
「シャインストライク」
風がなくなってすぐ、光の渦を放った。
「グウ......」
一瞬、光の渦があたりデュラハンがのけぞる。
「フェアネスソウル!」
距離をとる。 すぐデュラハンが追ってくる。
「フェアネスソウル!!」
再度魔法を使う。
ーー暗き淵より生まれし...... 闇の力よ...... 渦巻いて弾けろーー
「ダークネスブレイズ」
デュラハンの伸ばした手に黒い渦があつまる。
ーー暗き淵より生まれし、闇の力よ、渦巻いて弾けろーー
「ダークネスブレイズ」
同時に魔法を放つと、二つの魔法がぶつかり、俺は吹き飛んだ。
目を開けると土ぼこりからでたデュラハンが大剣をふりかぶっていた。
ーー混沌すら食らう、暴虐の獄炎よ、我が名をもって、その力を顕現《けんげん》させよーー
「カオティックオーバーフレア」
黒い巨大な炎球がデュラハンを包み、そのまま城の外壁をぶち抜いいくと、はるか遠くで炎は弾け、天まで届くほどの黒い火柱が立った。
「す、すげえ!」
「なっ!? あの威力は......」
俺と少女は空が真っ赤になるのをみていた。
ディンは走りよってくる。
「ああ、なんとかな。 でも剣が折れた。 フェアネスソウルで弱らせたのにめちゃくちゃ強かった」
「ふむ、さすがにジャイアントは北の【暗黒大陸】からの魔力で生まれたモンスターだからな」
「暗黒大陸?」
「そうだ。 ここよりはるか北には人や魔族を寄せ付けぬ大陸がある。 そこと人間界の間にここ魔族大陸があるのだ。 暗黒大陸にはこっちでは存在しない強大なモンスターがおる。 一説には神の世界だともいう」
「へえ、でもフェアネスソウルを使ってもあの強さ。 確かに普通の人には倒すのは難しいかもしれないな。 よくこちらは滅ぼされてないな」
「それはある魔王の結界魔法で壁をつくっておるからだ。 まれにこちらにもれだした魔力で強いモンスターが生まれる」
「さっきのジャイアントみたいなやつか、あんなのがごろごろしてたらどうにもならん。 この剣じゃ戦えん」
折れた剣を眺めてそういった。
「......だな。 剣を極めるのは無理でも、装備の交換はできる。 一度換金して強い剣を...... いや、ひとつ心当たりがあるな」
「心当たり?」
「ちょうど依頼にあるモンスターがいる場所だ」
安い剣を買い換えた俺たちはディンのいう森へとやってきた。 そこは昼なのにうっそうと木が繁り暗くひんやり重い空気が流れている。
「かなり暗いな。 あと薄気味悪い」
「コルアークだ。 昔は木々などない場所だったが......」
奥へと進む。 そこはモンスターたちの巣窟で、次々とでてくるのを魔法でうちたおす。
「だいぶ、その光魔法使いこなせるようになったな」
「ああ、流れをコントロールできるようになった。 もう弾けたりしないぞ。 ただためがいるからな」
「まあ、まえよりは出力も増えておる。 やれることは増えているはずだ。 見えてきたぞ......」
「これは...... 瓦礫、いや......」
それは石の建造物だった。 かなり広い場所で崩れた柱が何本もある。
「城か......」
「ああ、余の居城、バングレイオンだ」
その城はもう緑の苔でおおわれている。
「千年ぶりか......」
そうディンは懐かしそうに壁をさわっている。
その時、周囲に連続した金属音が響いた。
「なんだ!!」
「誰かいる!? 魔力が二つある...... あっちだ!」
崩れた城の中に入ると、ホールのような場所で誰かが戦っていた。
「あれは飛行船の女の子か!!」
少女は大剣をふるう首なしの鎧と戦っていた。
「ああ、もう一方はデュラハン!!」
「デュラハン? ここの依頼モンスターか、首がないぞ」
「そうだ。歴戦の騎士がよみがえったアンデッドだ。 かなり強いぞ!」
少女は相手の大剣をうまくいなして戦っているが、それでも魔法と剣を同時に使うデュラハンの方がおしている。
「きゃあああ!」
ついに剣を弾かれ、少女は後ろに吹き飛ばされた。
「やばい! いくぞ!」
「フェアネスソウルは使うな! やつは魔法も強力だ!」
走り出すと、後ろからディンは魔法を唱える。
ーー心まで凍てつかせる氷結よ、我が敵を貫けーー
「フリージングランス」
複数の氷の槍がデュラハンへと向かう。
「......シャドウシールド......」
氷の槍はデュラハンが張った黒い半透明の盾に阻まれた。
盾をかわして剣をふるうが小手で弾かれ、デュラハンの片手で振るった大剣を何とか防いだ。
「重っ! なんだこいつ片手でこの強さかよ!!」
連続で振り下ろされる剛剣に、なにもできずただ防ぐだけしかできない。
「にげて...... そいつは強すぎる......」
少女が叫んだ。 どうやらかなりの傷のようだ。
(くそっ、攻撃どころじゃない! 剣技も腕力も段違いだ! 仮に当てられてもあの体全然斬れやしない。 やっぱりフェアネスソウルで......)
「フェアネス......」
ーー暗き淵より生まれし...... 闇の力よ...... 渦巻いて弾けろーー
「ダークネスブレイズ」
(魔法!?)
デュラハンの手の前に黒い渦が現れ、放たれる。
(やばい! これは死......)
ーー荒れ狂う突風の鎧よ、その者をまとい守れーー
「ガストメイル」
俺の体の前に風が放たれ黒い渦を阻んでいる。
(これは、ディンの......)
後ろをみると、ディンは肩で息をして地面に膝をついている。
(もう魔力がないのか...... 俺がやるしかない!)
何とか攻撃しながら考える。
(シャインサイクロンも使えない! 俺には魔力があるが、向こうは魔力も力もある...... この魔法を相殺できても剣で死ぬ! どうしたら...... 他にあの少女に分配...... いや!)
ーー光よ、瞬き流れ、その輝きを束ねよーー
「シャインストライク」
風がなくなってすぐ、光の渦を放った。
「グウ......」
一瞬、光の渦があたりデュラハンがのけぞる。
「フェアネスソウル!」
距離をとる。 すぐデュラハンが追ってくる。
「フェアネスソウル!!」
再度魔法を使う。
ーー暗き淵より生まれし...... 闇の力よ...... 渦巻いて弾けろーー
「ダークネスブレイズ」
デュラハンの伸ばした手に黒い渦があつまる。
ーー暗き淵より生まれし、闇の力よ、渦巻いて弾けろーー
「ダークネスブレイズ」
同時に魔法を放つと、二つの魔法がぶつかり、俺は吹き飛んだ。
目を開けると土ぼこりからでたデュラハンが大剣をふりかぶっていた。
ーー混沌すら食らう、暴虐の獄炎よ、我が名をもって、その力を顕現《けんげん》させよーー
「カオティックオーバーフレア」
黒い巨大な炎球がデュラハンを包み、そのまま城の外壁をぶち抜いいくと、はるか遠くで炎は弾け、天まで届くほどの黒い火柱が立った。
「す、すげえ!」
「なっ!? あの威力は......」
俺と少女は空が真っ赤になるのをみていた。
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