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王崩の白銀姫
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詞葉は亡くなった王を寝室に安置し、紫蜘熔の糸から絡めとられた兵や重臣達を助け出した。
「詞葉様、大丈夫ですか......」
「ええ、冴瑛さん、動揺はしています。
でも、私は託された事をやらないといけない」
心配する冴瑛に強い眼差しで詞葉はそう答えた。
「そうですね......貴方がどの様な判断をされようとも、わたくしはついて参ります」
「ありがとう、.....それで、玄蓬様は、」
倒れている玄蓬の側で焔紗が座っている。
それを見ながら冴瑛は、
「死んでいます。
しかし......彼も紫蜘熔に魅入られたのやも知れませんね」
「どういう事ですか」
「紫蜘熔は人の欲の精素を増大させ食らい自らの力とすると父の残した書物に書かれていました。
彼が行った政策は貧富の差を生み多くの人の欲を生み出しましたから」
「他の人の欲も取り込む為に、玄蓬様を操っていたと言う事ですか」
「そこまではないにせよ、彼の野心や弱さにつけ込んだのかもしれません。
ですが力が弱かったところをみると完全にはこの世界に顕現出来なかったのでしょう。
紫蜘熔はかつて十の国を滅ぼしたと記されていますから」
「おい!」
その時、焔紗が叫んだ。
詞葉は驚き、
「どうしたの!」
「玄蓬様の傷が......糸で縫合されてる!」
そう言うないなや、玄蓬の背から八本の歩脚が出て走り去った。
兵士や詞葉達が追うと、城の天守に登ると、キイイイイイイイイとイヤな金属音なような高い音をだし、その身体をどんどん大きくしていった。玄蓬は項垂れるよう頭の先にいた。
「まさか、玄蓬様が!」
「いえ! 彼は死んでいた。
それにいまも意識があるよう見えない!
恐らく紫蜘熔が貯めた精素を使ってこの世界に残っているのでしょう!」
詞葉の問いに冴瑛が答える。
兵士達は動揺し動けずにいた。
「皆聞いて! あの紫蜘熔は完全ではないはず!
戦える者は冴瑛の指示で全員で攻撃を、戦えない者は避難を!」
この詞葉の激に浮き足立っていた兵士や重臣は落ち着きを取り戻した。
「冴瑛さん、お願い!」
「分かりました!
近距離攻撃の深清の者は脚を狙うのです!
遠距離攻撃出来る者は糸!
防衛が得意な者は毒液に対抗してください!」
おおと声をあげ、それぞれ組織だって攻撃し始めた。
詞葉は、鈴の力で皆の姿を消した。
「詞葉様! 恐らく紫蜘熔は玄蓬様の身体を触媒として、この世界にいるのです!
玄蓬様を引き離してしまえば消えるはず!」
その声を聞き、焔紗は
「こっちだ! 私が影を使って頭まで移動させるから、玄蓬様を静かに眠らせてやってくれ!」
「分かったわ! お願い焔紗さん!」
焔紗の影に入り紫蜘熔の頭に移動した詞葉は、ゆっくり玄蓬に近づく紫蜘熔は気付いてないようだった。
玄蓬は身体を糸で固定されていた。
この糸を切れば、と詞葉は静かに糸を切っていく、片側は切れもう片側を切ろうとした時、一本だけ粘着性の糸があり引っ張ってしまう。
すると、上から球状の糸から紫の液体が降り注いだ。
(これは毒液! まさか罠!?)
(透明化を解除すれば鈴を呼べる、でも透明じゃなくなれば、下の人達への攻撃が絞られる。
もうみんな体力もない......仕方ない!)
剣を紫蜘熔の頭につきたて毒液をかわしたが、その瞬間、
紫蜘熔が頭を振り落ちた詞葉に口と鋏角が迫ってきた。
(......もう、いや諦めない!)
その瞬間、頭の中になつかしい声が聞こえる。
「......私の名を呼びなさい......」
「......銀隴《ぎんろう》......」
何故か知らない名前が口から出ると、眼の前に深清界でみた白い丘が現れた。
詞葉が丘に降り立つと丘はゆっくりと左右に翼を拡げた。
それは、丘ではなく銀翼の大蛇だった。
白蛇はその羽で紫蜘熔を包むと、もがく紫蜘熔の身体からひとつの芽が出て、
それはすぐ大きく成長していき紫蜘熔を飲み込み大きな一本の樹になった。
そして、白蛇はゆっくりと光に消えていくと、
詞葉は玄蓬を抱いて光の球に乗りゆっくり城に降りてきた。
皆が詞葉に駆け寄ると詞葉はゆっくり倒れた。
「ええ大丈夫......眠っているだけ」
「あれはなんだったんだ深清か」
焔紗が冴瑛に聞くと
「多分......銀隴、詞葉様が深清界でみた丘は銀隴だったのね」
「銀隴!? 深王の一体か!」
「ええ、でも今は怪我人と姜国への対処が先」
そう言うと冴瑛は、お疲れさまでしたと、眠る詞葉の髪を優しく撫でた。
それから、一ヶ月後
王都の白華城が解放され城の前には、大勢の人々が集まっていた。
「今日何かの発表があるらしいが、やはり新王の即位か」
「だろうな、下界のしかも子娘らしいし大丈夫か」
「私はいいけどね、恒樹様のお子さまらしいし、それに一ヶ月前のあの蜘蛛やっつけたらしいじゃない」
「深王紫蜘熔か、ほんとかねえ、恒枝様についで玄蓬様も亡くなったそうだし、この国はどうなっちまうんだ」
「どんな王だろうと、この貧しさや戦はなくなりゃしねえよ」
人々は口々に話していた。
その時、城の2階より一人の女性が現れた。
絢爛豪華な着物を着て堂々としたその姿はまさに姫のようで人々は目を見張った。
そして、その女性は銀色の髪をなびかせながら前に進み出ると凛とした通る声で
「皆様、私は詞葉、玲王恒幹の孫で王太子恒樹の娘。
今日ここに集まって戴いたのは、大切な話しあっての事」
「我が祖父にして玲国の王、恒幹が崩御されたことは御存知でしょう。
これからこの国に大きな困難がやってくると皆様はお思いでしょうね。
ですから、ここに伝えなくてはならないことがあります。」
そう言うと目を閉じて、静かになった民衆が見つめる中、
ゆっくり目を開けると、
「私は王になるつもりはありません」
放たれたその言葉に人々は驚き、ざわめきが拡がっていった。
それでも、詞葉は民衆から目を離さず話を続ける。
「どれほど良き政策も、どれほど良き王も、永遠ではない。
導かれるだけでは駄目なのです。
人が人を導き救うなど出来はしない、自らの幸せは自ら考えて手に入れるしかないのです」
「ですから、新しい国を造ろうと思いました。
それは、全国の民から選ばれた棄民も兵士も町人も商人も貴族も誰でも代表者となり、
その代表者達によって政が行われる国です」
「自ら虚勢をはらず、他者を見下さず、自らを蔑まず、他者を認め、自らかしずかず、他者を貶めず、それは貴方がたひとりひとりが造っていく国なのです」
そして最後に一際大きな声で
「この国は王を廃します」
その詞葉の言葉に、後ろで聞いていた蒼真、焔紗、冴瑛は静かに頷くと、
一瞬静寂ののち、人々から地鳴りのような歓声が沸いた。
そののちに人々は詞葉を、王崩の白銀姫と呼んだ。
「詞葉様、大丈夫ですか......」
「ええ、冴瑛さん、動揺はしています。
でも、私は託された事をやらないといけない」
心配する冴瑛に強い眼差しで詞葉はそう答えた。
「そうですね......貴方がどの様な判断をされようとも、わたくしはついて参ります」
「ありがとう、.....それで、玄蓬様は、」
倒れている玄蓬の側で焔紗が座っている。
それを見ながら冴瑛は、
「死んでいます。
しかし......彼も紫蜘熔に魅入られたのやも知れませんね」
「どういう事ですか」
「紫蜘熔は人の欲の精素を増大させ食らい自らの力とすると父の残した書物に書かれていました。
彼が行った政策は貧富の差を生み多くの人の欲を生み出しましたから」
「他の人の欲も取り込む為に、玄蓬様を操っていたと言う事ですか」
「そこまではないにせよ、彼の野心や弱さにつけ込んだのかもしれません。
ですが力が弱かったところをみると完全にはこの世界に顕現出来なかったのでしょう。
紫蜘熔はかつて十の国を滅ぼしたと記されていますから」
「おい!」
その時、焔紗が叫んだ。
詞葉は驚き、
「どうしたの!」
「玄蓬様の傷が......糸で縫合されてる!」
そう言うないなや、玄蓬の背から八本の歩脚が出て走り去った。
兵士や詞葉達が追うと、城の天守に登ると、キイイイイイイイイとイヤな金属音なような高い音をだし、その身体をどんどん大きくしていった。玄蓬は項垂れるよう頭の先にいた。
「まさか、玄蓬様が!」
「いえ! 彼は死んでいた。
それにいまも意識があるよう見えない!
恐らく紫蜘熔が貯めた精素を使ってこの世界に残っているのでしょう!」
詞葉の問いに冴瑛が答える。
兵士達は動揺し動けずにいた。
「皆聞いて! あの紫蜘熔は完全ではないはず!
戦える者は冴瑛の指示で全員で攻撃を、戦えない者は避難を!」
この詞葉の激に浮き足立っていた兵士や重臣は落ち着きを取り戻した。
「冴瑛さん、お願い!」
「分かりました!
近距離攻撃の深清の者は脚を狙うのです!
遠距離攻撃出来る者は糸!
防衛が得意な者は毒液に対抗してください!」
おおと声をあげ、それぞれ組織だって攻撃し始めた。
詞葉は、鈴の力で皆の姿を消した。
「詞葉様! 恐らく紫蜘熔は玄蓬様の身体を触媒として、この世界にいるのです!
玄蓬様を引き離してしまえば消えるはず!」
その声を聞き、焔紗は
「こっちだ! 私が影を使って頭まで移動させるから、玄蓬様を静かに眠らせてやってくれ!」
「分かったわ! お願い焔紗さん!」
焔紗の影に入り紫蜘熔の頭に移動した詞葉は、ゆっくり玄蓬に近づく紫蜘熔は気付いてないようだった。
玄蓬は身体を糸で固定されていた。
この糸を切れば、と詞葉は静かに糸を切っていく、片側は切れもう片側を切ろうとした時、一本だけ粘着性の糸があり引っ張ってしまう。
すると、上から球状の糸から紫の液体が降り注いだ。
(これは毒液! まさか罠!?)
(透明化を解除すれば鈴を呼べる、でも透明じゃなくなれば、下の人達への攻撃が絞られる。
もうみんな体力もない......仕方ない!)
剣を紫蜘熔の頭につきたて毒液をかわしたが、その瞬間、
紫蜘熔が頭を振り落ちた詞葉に口と鋏角が迫ってきた。
(......もう、いや諦めない!)
その瞬間、頭の中になつかしい声が聞こえる。
「......私の名を呼びなさい......」
「......銀隴《ぎんろう》......」
何故か知らない名前が口から出ると、眼の前に深清界でみた白い丘が現れた。
詞葉が丘に降り立つと丘はゆっくりと左右に翼を拡げた。
それは、丘ではなく銀翼の大蛇だった。
白蛇はその羽で紫蜘熔を包むと、もがく紫蜘熔の身体からひとつの芽が出て、
それはすぐ大きく成長していき紫蜘熔を飲み込み大きな一本の樹になった。
そして、白蛇はゆっくりと光に消えていくと、
詞葉は玄蓬を抱いて光の球に乗りゆっくり城に降りてきた。
皆が詞葉に駆け寄ると詞葉はゆっくり倒れた。
「ええ大丈夫......眠っているだけ」
「あれはなんだったんだ深清か」
焔紗が冴瑛に聞くと
「多分......銀隴、詞葉様が深清界でみた丘は銀隴だったのね」
「銀隴!? 深王の一体か!」
「ええ、でも今は怪我人と姜国への対処が先」
そう言うと冴瑛は、お疲れさまでしたと、眠る詞葉の髪を優しく撫でた。
それから、一ヶ月後
王都の白華城が解放され城の前には、大勢の人々が集まっていた。
「今日何かの発表があるらしいが、やはり新王の即位か」
「だろうな、下界のしかも子娘らしいし大丈夫か」
「私はいいけどね、恒樹様のお子さまらしいし、それに一ヶ月前のあの蜘蛛やっつけたらしいじゃない」
「深王紫蜘熔か、ほんとかねえ、恒枝様についで玄蓬様も亡くなったそうだし、この国はどうなっちまうんだ」
「どんな王だろうと、この貧しさや戦はなくなりゃしねえよ」
人々は口々に話していた。
その時、城の2階より一人の女性が現れた。
絢爛豪華な着物を着て堂々としたその姿はまさに姫のようで人々は目を見張った。
そして、その女性は銀色の髪をなびかせながら前に進み出ると凛とした通る声で
「皆様、私は詞葉、玲王恒幹の孫で王太子恒樹の娘。
今日ここに集まって戴いたのは、大切な話しあっての事」
「我が祖父にして玲国の王、恒幹が崩御されたことは御存知でしょう。
これからこの国に大きな困難がやってくると皆様はお思いでしょうね。
ですから、ここに伝えなくてはならないことがあります。」
そう言うと目を閉じて、静かになった民衆が見つめる中、
ゆっくり目を開けると、
「私は王になるつもりはありません」
放たれたその言葉に人々は驚き、ざわめきが拡がっていった。
それでも、詞葉は民衆から目を離さず話を続ける。
「どれほど良き政策も、どれほど良き王も、永遠ではない。
導かれるだけでは駄目なのです。
人が人を導き救うなど出来はしない、自らの幸せは自ら考えて手に入れるしかないのです」
「ですから、新しい国を造ろうと思いました。
それは、全国の民から選ばれた棄民も兵士も町人も商人も貴族も誰でも代表者となり、
その代表者達によって政が行われる国です」
「自ら虚勢をはらず、他者を見下さず、自らを蔑まず、他者を認め、自らかしずかず、他者を貶めず、それは貴方がたひとりひとりが造っていく国なのです」
そして最後に一際大きな声で
「この国は王を廃します」
その詞葉の言葉に、後ろで聞いていた蒼真、焔紗、冴瑛は静かに頷くと、
一瞬静寂ののち、人々から地鳴りのような歓声が沸いた。
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