20 / 58
第二十話『怠け者と蜘蛛の樹海』──アラクネ討伐、再生の森に挑む。
しおりを挟む
おれたちは奥の建物へとすすんだ。
「回りにいる奴らは手をだしてこないですわ」
「ふふっ、こっちにはセリエスがいるからだ」
建物につく、扉をたたいた。
「ナザリオはいるか。 セリエス先生がきたぞ。 あけやがれ」
「さっきまで怯えていたのに急に強気になったですわ」
「本当に見下げ果てた男じゃな」
「なんだ?」
扉を開けられると、数十人の武器をもつ男女がいた。
「なんだい? あんたらは騒がしいね」
その人混みがわれ、長身の女性があらわれた。
「ナザリオって女なのか」
「悪いかい」
「別に悪かない。 すこし話にきた」
「話、子供の話なんてきくきはない...... といいたいところだが、あんたらバジリスクを倒したっていうやつらだね」
そうナザリオがいうと、周囲はざわざわとしだした。 おれたちは奥のソファーに招かれる。
(どうやら優秀な顔役ってのは本当らしいな)
「モンスターを討伐できる人材がほしいんだ」
「モンスターを。 あんたらがたおしゃいいだろ」
「冒険者っていう職業をつくろうと思っている。 依頼をうけて様々な任務を受ける仕事だ」
「傭兵かい」
「まあ、そんなとこ。 うちは依頼人に冒険者を派遣してモンスターの買い取り、武具の販売なんかを行う」
「仲介業か......」
「ああ、どうも人が集まらないから、あんたらに協力してほしい」
「そりゃそうだ。 そんな聞いたこともない仕事に依頼するやつも所属するやつもいないさ」
「まあ、そうなんだ...... このままモンスターが増えるとみんな困るが、おれたちは全てのモンスターとは戦えない。 うけられる仕事に限りがあるしな」
「......嘘だね」
(すぐばれた)
「あたしはよく人を見てきたんだ嘘をつくやつはすぐわかる」
「どうするですわ! すぐばれましたわ!」
「そうじゃ、あほうめ!」
「まあそうだろうな。 おれもばれるとおもったよ。 あんたはおれと同じ種類の人間だからな」
「......ほう」
「でも、俺たちの話を聞こうとした。 ってことはそっちには話を聞く気があるってことだ」
「なるほど、同種ってのはそういうことかい。 それで目的は」
こちらをうかがうようにナザリオはきいた。
「おれは楽して生きていたい。 できるだけうごきたくない働きたくない、ナメクジのように生きていたい」
「......指定災害モンスターを倒しておきながらかい」
ナザリオは怪訝な顔をした。
「あれはいきかがり上やむなくだ」
「そうですわ! シュンは根っからの怠惰の塊ですわ!」
「うむ、だがどういうわけか、無駄に動くはめになっておる。 アホゆえにだ」
「誰がアホゆえにだ!」
「そんなことはありません! シュンさんはすごい人なんです!」
「や、やめて、セリエスそのキラキラした目で見ないで...... 罪悪感が爆発する」
「ふはははははっ、どうやら誰も嘘をついてないようだね。 そんな馬鹿げたことを考えるなんて面白そうじゃない。 ただ依頼者がみつかるか?」
「それはこれから...... ゴニョゴニョ」
「その依頼者の件も引き受けてもいいぞ」
「ほんとうか!」
「......ただ、こっちの件もうけてもらうがな」
そうナザリオはこちらをみすえた。
「ここがナザリオのいっていたアスルトって所か」
目の前に樹海がひろがる。
「ええ、かつてはハリエル共和国の貴族バイジェルス家の領地だったのですわ。 それが二十年前にこんな感じになったそうですわ」
「いや、たった二十年でこんな感じにはならんだろう」
「......それがなったのさ」
後ろの茂みからナザリオがきた。
「おれたちが本当にくるか監視か?」
「まあね。 それにここを久しぶりにみたかったんだ」
「久しぶり...... ここ出身ですわ」
「ああ、子供の頃さ」
ナザリオはそうこたえながら空を見る。
「それでナザリオさん、ここにそのモンスターがいるのですか?」
「ああ、指定災害モンスター、【アラクネ】だ。 やつが現れてこの国は樹海になった」
「ナザリオよ。 アラクネとは蜘蛛ではなかったか?」
「そう、蜘蛛の下半身に上半身が女性のモンスター。 樹木を魔法で操るんだ」
「なるほど、それならミリア魔法で焼いてやればいい。 人もいないんだ。 燃やしても構わないだろう。 なあナザリオ」
「そう思うならやってみればいい」
「わかりましたですわ。 ファイアボール!!」
炎の球体が森に火を放つ。 しかしすぐに火が消えた。
「火が消えた?」
「ああ、ここの樹木はアラクネの魔法がかかっていて火がつかない。 それに切っても再生する」
「なるほど、それでこんな広がっていったのか」
「ああ、それでどうする? 帰るか? おまえは面倒なことはやりたくないのだろう。 下手をしたら死ぬぞ」
「当然帰りたいが、やめればここまで投資したお金が無駄になる。 やるしかない」
「やりましょう! アラクネを倒せばこの樹海はなくなるはず!」
「しかし再生する樹木とは厄介じゃ」
「燃やせない、切っても再生...... か。 前の蒸気の作戦はつかえんな。 ディムリアなにか弱点をしらないか」
「ふむ、アラクネか。 本体には魔法がきくはずじゃ。 ただ鋼のような糸も操るうえ、強靭な子グモたちをはなつな」
「鋼の糸か...... 厄介だが捕らえれば倒せそうだな。 セリエスその木を切りたおしてみてくれ」
「はい!」
セリエスが空まで届くような木を大剣できる。 木は倒れるがすごい勢いで木られた場所から木々がはえてきた。
「倒してもすぐ再生か。 でもこれ建材として使えるんじゃないか」
「よくみな」
ナザリオがいう。 みると倒れたほうの木はすぐに枯れくだけ落ちた。
「......枯れた」
「アラクネはこの大地に魔力を放ってるんだ。 だから切られた木は枯れる」
「それでこんなすぐ成長や再生するのですわ」
「なら直接本体をやるしかないな」
「やれるですわ?」
「おれとセリエスで子グモをやるから、ミリアとディムリアの二人でアラクネ本体をやってくれ」
「わかりましたですわ」
「まかせろ」
「ナザリオはどうする?」
「そうだな。 私も魔法とこれを使う」
そういって個人的にまいたムチをしならせた。
「似合うな。 ん? 魔法を使えるのかよ」
「......ああ、まあな」
「そうか、ならディムリアとミリアの護衛をたのむ」
「わかった」
おれたちは森へとはいっていった。
「回りにいる奴らは手をだしてこないですわ」
「ふふっ、こっちにはセリエスがいるからだ」
建物につく、扉をたたいた。
「ナザリオはいるか。 セリエス先生がきたぞ。 あけやがれ」
「さっきまで怯えていたのに急に強気になったですわ」
「本当に見下げ果てた男じゃな」
「なんだ?」
扉を開けられると、数十人の武器をもつ男女がいた。
「なんだい? あんたらは騒がしいね」
その人混みがわれ、長身の女性があらわれた。
「ナザリオって女なのか」
「悪いかい」
「別に悪かない。 すこし話にきた」
「話、子供の話なんてきくきはない...... といいたいところだが、あんたらバジリスクを倒したっていうやつらだね」
そうナザリオがいうと、周囲はざわざわとしだした。 おれたちは奥のソファーに招かれる。
(どうやら優秀な顔役ってのは本当らしいな)
「モンスターを討伐できる人材がほしいんだ」
「モンスターを。 あんたらがたおしゃいいだろ」
「冒険者っていう職業をつくろうと思っている。 依頼をうけて様々な任務を受ける仕事だ」
「傭兵かい」
「まあ、そんなとこ。 うちは依頼人に冒険者を派遣してモンスターの買い取り、武具の販売なんかを行う」
「仲介業か......」
「ああ、どうも人が集まらないから、あんたらに協力してほしい」
「そりゃそうだ。 そんな聞いたこともない仕事に依頼するやつも所属するやつもいないさ」
「まあ、そうなんだ...... このままモンスターが増えるとみんな困るが、おれたちは全てのモンスターとは戦えない。 うけられる仕事に限りがあるしな」
「......嘘だね」
(すぐばれた)
「あたしはよく人を見てきたんだ嘘をつくやつはすぐわかる」
「どうするですわ! すぐばれましたわ!」
「そうじゃ、あほうめ!」
「まあそうだろうな。 おれもばれるとおもったよ。 あんたはおれと同じ種類の人間だからな」
「......ほう」
「でも、俺たちの話を聞こうとした。 ってことはそっちには話を聞く気があるってことだ」
「なるほど、同種ってのはそういうことかい。 それで目的は」
こちらをうかがうようにナザリオはきいた。
「おれは楽して生きていたい。 できるだけうごきたくない働きたくない、ナメクジのように生きていたい」
「......指定災害モンスターを倒しておきながらかい」
ナザリオは怪訝な顔をした。
「あれはいきかがり上やむなくだ」
「そうですわ! シュンは根っからの怠惰の塊ですわ!」
「うむ、だがどういうわけか、無駄に動くはめになっておる。 アホゆえにだ」
「誰がアホゆえにだ!」
「そんなことはありません! シュンさんはすごい人なんです!」
「や、やめて、セリエスそのキラキラした目で見ないで...... 罪悪感が爆発する」
「ふはははははっ、どうやら誰も嘘をついてないようだね。 そんな馬鹿げたことを考えるなんて面白そうじゃない。 ただ依頼者がみつかるか?」
「それはこれから...... ゴニョゴニョ」
「その依頼者の件も引き受けてもいいぞ」
「ほんとうか!」
「......ただ、こっちの件もうけてもらうがな」
そうナザリオはこちらをみすえた。
「ここがナザリオのいっていたアスルトって所か」
目の前に樹海がひろがる。
「ええ、かつてはハリエル共和国の貴族バイジェルス家の領地だったのですわ。 それが二十年前にこんな感じになったそうですわ」
「いや、たった二十年でこんな感じにはならんだろう」
「......それがなったのさ」
後ろの茂みからナザリオがきた。
「おれたちが本当にくるか監視か?」
「まあね。 それにここを久しぶりにみたかったんだ」
「久しぶり...... ここ出身ですわ」
「ああ、子供の頃さ」
ナザリオはそうこたえながら空を見る。
「それでナザリオさん、ここにそのモンスターがいるのですか?」
「ああ、指定災害モンスター、【アラクネ】だ。 やつが現れてこの国は樹海になった」
「ナザリオよ。 アラクネとは蜘蛛ではなかったか?」
「そう、蜘蛛の下半身に上半身が女性のモンスター。 樹木を魔法で操るんだ」
「なるほど、それならミリア魔法で焼いてやればいい。 人もいないんだ。 燃やしても構わないだろう。 なあナザリオ」
「そう思うならやってみればいい」
「わかりましたですわ。 ファイアボール!!」
炎の球体が森に火を放つ。 しかしすぐに火が消えた。
「火が消えた?」
「ああ、ここの樹木はアラクネの魔法がかかっていて火がつかない。 それに切っても再生する」
「なるほど、それでこんな広がっていったのか」
「ああ、それでどうする? 帰るか? おまえは面倒なことはやりたくないのだろう。 下手をしたら死ぬぞ」
「当然帰りたいが、やめればここまで投資したお金が無駄になる。 やるしかない」
「やりましょう! アラクネを倒せばこの樹海はなくなるはず!」
「しかし再生する樹木とは厄介じゃ」
「燃やせない、切っても再生...... か。 前の蒸気の作戦はつかえんな。 ディムリアなにか弱点をしらないか」
「ふむ、アラクネか。 本体には魔法がきくはずじゃ。 ただ鋼のような糸も操るうえ、強靭な子グモたちをはなつな」
「鋼の糸か...... 厄介だが捕らえれば倒せそうだな。 セリエスその木を切りたおしてみてくれ」
「はい!」
セリエスが空まで届くような木を大剣できる。 木は倒れるがすごい勢いで木られた場所から木々がはえてきた。
「倒してもすぐ再生か。 でもこれ建材として使えるんじゃないか」
「よくみな」
ナザリオがいう。 みると倒れたほうの木はすぐに枯れくだけ落ちた。
「......枯れた」
「アラクネはこの大地に魔力を放ってるんだ。 だから切られた木は枯れる」
「それでこんなすぐ成長や再生するのですわ」
「なら直接本体をやるしかないな」
「やれるですわ?」
「おれとセリエスで子グモをやるから、ミリアとディムリアの二人でアラクネ本体をやってくれ」
「わかりましたですわ」
「まかせろ」
「ナザリオはどうする?」
「そうだな。 私も魔法とこれを使う」
そういって個人的にまいたムチをしならせた。
「似合うな。 ん? 魔法を使えるのかよ」
「......ああ、まあな」
「そうか、ならディムリアとミリアの護衛をたのむ」
「わかった」
おれたちは森へとはいっていった。
0
あなたにおすすめの小説
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
相続した畑で拾ったエルフがいつの間にか嫁になっていた件 ~魔法で快適!田舎で農業スローライフ~
ちくでん
ファンタジー
山科啓介28歳。祖父の畑を相続した彼は、脱サラして農業者になるためにとある田舎町にやってきた。
休耕地を畑に戻そうとして草刈りをしていたところで発見したのは、倒れた美少女エルフ。
啓介はそのエルフを家に連れ帰ったのだった。
異世界からこちらの世界に迷い込んだエルフの魔法使いと初心者農業者の主人公は、畑をおこして田舎に馴染んでいく。
これは生活を共にする二人が、やがて好き合うことになり、付き合ったり結婚したり作物を育てたり、日々を生活していくお話です。
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活
シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
【改訂版】槍使いのドラゴンテイマー ~邪竜をテイムしたのでついでに魔王も倒しておこうと思う~
こげ丸
ファンタジー
『偶然テイムしたドラゴンは神をも凌駕する邪竜だった』
公開サイト累計1000万pv突破の人気作が改訂版として全編リニューアル!
書籍化作業なみにすべての文章を見直したうえで大幅加筆。
旧版をお読み頂いた方もぜひ改訂版をお楽しみください!
===あらすじ===
異世界にて前世の記憶を取り戻した主人公は、今まで誰も手にしたことのない【ギフト:竜を従えし者】を授かった。
しかしドラゴンをテイムし従えるのは簡単ではなく、たゆまぬ鍛錬を続けていたにもかかわらず、その命を失いかける。
だが……九死に一生を得たそのすぐあと、偶然が重なり、念願のドラゴンテイマーに!
神をも凌駕する力を持つ最強で最凶のドラゴンに、
双子の猫耳獣人や常識を知らないハイエルフの美幼女。
トラブルメーカーの美少女受付嬢までもが加わって、主人公の波乱万丈の物語が始まる!
※以前公開していた旧版とは一部設定や物語の展開などが異なっておりますので改訂版の続きは更新をお待ち下さい
※改訂版の公開方法、ファンタジーカップのエントリーについては運営様に確認し、問題ないであろう方法で公開しております
※小説家になろう様とカクヨム様でも公開しております
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる