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第十二話
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「なっ!? 王さまがお前たちの黒幕」
「そうさ、俺たちは王の命で盗賊をやってんだよ」
頭《かしら》はそういってにやついた。
「なんのために!!」
「重税なんかで民や家臣の不満が高まってるから、これ以上税をあげるわけにはいかねえ。 反乱が起きるかもしれねえからな。 だから俺たちに商人なんかを襲わせて金を集めてんのさ」
(じゃあ、帰っても......)
「そうだ。 あいつらが帰っても、国はなにもしてやくれねえ。 逆に捕まって理由をつけられて牢屋いきさ。 そのためのこいつだ」
そういって署名した紙をみせた。
「これがあれば正当な書類だ。 法的にも有効なな」
「だけど、そんな不自然なもの、みんなおかしいと思うだろう」
「そうでもないさ。 あの商会には既に人をいれている。 そいつにゆずったことにすればいい。 そしてそいつが証言するのさ。 ハイレルが不正を行っていたとな」
「そうすれば、国が店を没収しても...... か」
「そういうことだ。 やれ!」
全員が飛びかかってきた。
(こいつら程度なら......)
体を限界まで小さくした。
「な、なんだこいつ! 小さくなった!」
「これは! 神剣の魔力か!」
「さっさと切り捨てろ!」
頭《かしら》の怒号がひびく。 盗賊たちが近づいてくる。
その瞬間、おれは収縮を解き放った。
ドゴッ、ドゴッ!! ドゴゴ!!
「ぐはっ!!」
「がふっ!!」
「ぐわっ!!」
バウンドしたおれは盗賊たちを全員宙に吹き飛ばした。
ドサッ! ドサッ! ドササッ!
地面に落ちた盗賊たちはみんな気絶した。
「なっ! なんだこいつ! 神剣の魔力、いやちがう! なんだお前は!」
盗賊の頭《かしら》は腰を引かせながら後退りしている。
「お前には洗いざらいみんなの前で話してもらうぞ」
そういって近づくと、頭《かしら》は逃げ出そうとした。
ザシュッ
「ぐひっ......」
頭はその場に崩れ落ち、うつ伏せの体から血が地面に流れる。
「全く使えませんねえ」
「民を殺すなと命じておいたはずだが......」
「......こいつらが勝手にしたのでしょう」
そういっておれのように頭から黒い服を被ったものと、鎧を来て背丈ほどの巨大な剣を持つ大柄な男とがあらわれた。
「なんだ!? なんで......」
黒服のまとってる異様さにそれ以上言葉もでない。
(なんだこいつ、すごく嫌な感じだ......)
「ふむ、あなたがこの神剣の持ち主ですか、ではガルバイン王よ。 あのものから剣を奪い殺してもらえますか」
「それで妻は助けてもらえるのだろうな......」
「ええ、もちろん...... これがすめばもうここには用はありませんので」
「すまぬ少年...... これもわが愛するもののため」
そういうと、王がかなりの距離を一瞬で近づき、巨大な剣を振り下ろしてきた。
「うわっ!!」
何とか剣で受けた。 おれは飛び退いた。
「ぬう!!」
「ほう、ガルバイン王の【刹那剣】グラナーシャを受けますか、普通の人間なら腕ごと潰されてるはず......」
そう驚いたように黒服の者がいう。
(確かにタコの筋力じゃなきゃ、腕がおれた。 それにこの王様手加減している......)
それからも王の剣は次々はなたれる。
ガキィン、キィィン、ギィン、キィン!!!
それを何とか剣でいなす。
「くっ!」
(これが神剣士、強い! 速さも力もそうだけど、剣の動きが的確で何とか筋力と柔らかさで受けるので精一杯だ。 このままだとすぐ刺身にされる...... あっ!)
その時、一瞬のすきで剣を弾かれた。
「すまぬな殺しはしない......」
カッ!
「くっ!! なんだ!?」
王に光が放たれ、王はひるんだ。
「トーマ!!」
メリムがおれの後ろに来ていた。
「メリムだめだ! こいつらには勝てない! 逃げて!」
「のがさぬ!!」
おれの目の前に王が迫る。
「アンダーグ!」
おれは倒れた盗賊の頭のそばのフォラールを手に戻すと、フォラールで王の剣をうける。
「アンダーグ!! フォラール!」
盗賊たちの剣をこちらに引き寄せると、その剣を風で打ち出した。
「ぐっ!!」
王が怯むと、両手の剣で押し込む。
キィィィン!!
そして王の剣を宙に弾き、体を収縮して王にぶつかった。
「ぐはっ!!」
王は木にぶつかり動かなくなった。
「驚いた...... 神剣士である王を倒すとは...... まあいい。 仕方ないので私がおあいてしましょう」
そう黒服が剣を抜く。
その瞬間肌がひりつく。
(なんだこのプレッシャー、王よりヤバい!! 二発跳んだから手足がしびれてすぐには跳べない!)
「もう跳べない。メリム逃げ......」
そういおうとしたとき、体になにかが貫く感覚があり、おれは意識を失った。
「そうさ、俺たちは王の命で盗賊をやってんだよ」
頭《かしら》はそういってにやついた。
「なんのために!!」
「重税なんかで民や家臣の不満が高まってるから、これ以上税をあげるわけにはいかねえ。 反乱が起きるかもしれねえからな。 だから俺たちに商人なんかを襲わせて金を集めてんのさ」
(じゃあ、帰っても......)
「そうだ。 あいつらが帰っても、国はなにもしてやくれねえ。 逆に捕まって理由をつけられて牢屋いきさ。 そのためのこいつだ」
そういって署名した紙をみせた。
「これがあれば正当な書類だ。 法的にも有効なな」
「だけど、そんな不自然なもの、みんなおかしいと思うだろう」
「そうでもないさ。 あの商会には既に人をいれている。 そいつにゆずったことにすればいい。 そしてそいつが証言するのさ。 ハイレルが不正を行っていたとな」
「そうすれば、国が店を没収しても...... か」
「そういうことだ。 やれ!」
全員が飛びかかってきた。
(こいつら程度なら......)
体を限界まで小さくした。
「な、なんだこいつ! 小さくなった!」
「これは! 神剣の魔力か!」
「さっさと切り捨てろ!」
頭《かしら》の怒号がひびく。 盗賊たちが近づいてくる。
その瞬間、おれは収縮を解き放った。
ドゴッ、ドゴッ!! ドゴゴ!!
「ぐはっ!!」
「がふっ!!」
「ぐわっ!!」
バウンドしたおれは盗賊たちを全員宙に吹き飛ばした。
ドサッ! ドサッ! ドササッ!
地面に落ちた盗賊たちはみんな気絶した。
「なっ! なんだこいつ! 神剣の魔力、いやちがう! なんだお前は!」
盗賊の頭《かしら》は腰を引かせながら後退りしている。
「お前には洗いざらいみんなの前で話してもらうぞ」
そういって近づくと、頭《かしら》は逃げ出そうとした。
ザシュッ
「ぐひっ......」
頭はその場に崩れ落ち、うつ伏せの体から血が地面に流れる。
「全く使えませんねえ」
「民を殺すなと命じておいたはずだが......」
「......こいつらが勝手にしたのでしょう」
そういっておれのように頭から黒い服を被ったものと、鎧を来て背丈ほどの巨大な剣を持つ大柄な男とがあらわれた。
「なんだ!? なんで......」
黒服のまとってる異様さにそれ以上言葉もでない。
(なんだこいつ、すごく嫌な感じだ......)
「ふむ、あなたがこの神剣の持ち主ですか、ではガルバイン王よ。 あのものから剣を奪い殺してもらえますか」
「それで妻は助けてもらえるのだろうな......」
「ええ、もちろん...... これがすめばもうここには用はありませんので」
「すまぬ少年...... これもわが愛するもののため」
そういうと、王がかなりの距離を一瞬で近づき、巨大な剣を振り下ろしてきた。
「うわっ!!」
何とか剣で受けた。 おれは飛び退いた。
「ぬう!!」
「ほう、ガルバイン王の【刹那剣】グラナーシャを受けますか、普通の人間なら腕ごと潰されてるはず......」
そう驚いたように黒服の者がいう。
(確かにタコの筋力じゃなきゃ、腕がおれた。 それにこの王様手加減している......)
それからも王の剣は次々はなたれる。
ガキィン、キィィン、ギィン、キィン!!!
それを何とか剣でいなす。
「くっ!」
(これが神剣士、強い! 速さも力もそうだけど、剣の動きが的確で何とか筋力と柔らかさで受けるので精一杯だ。 このままだとすぐ刺身にされる...... あっ!)
その時、一瞬のすきで剣を弾かれた。
「すまぬな殺しはしない......」
カッ!
「くっ!! なんだ!?」
王に光が放たれ、王はひるんだ。
「トーマ!!」
メリムがおれの後ろに来ていた。
「メリムだめだ! こいつらには勝てない! 逃げて!」
「のがさぬ!!」
おれの目の前に王が迫る。
「アンダーグ!」
おれは倒れた盗賊の頭のそばのフォラールを手に戻すと、フォラールで王の剣をうける。
「アンダーグ!! フォラール!」
盗賊たちの剣をこちらに引き寄せると、その剣を風で打ち出した。
「ぐっ!!」
王が怯むと、両手の剣で押し込む。
キィィィン!!
そして王の剣を宙に弾き、体を収縮して王にぶつかった。
「ぐはっ!!」
王は木にぶつかり動かなくなった。
「驚いた...... 神剣士である王を倒すとは...... まあいい。 仕方ないので私がおあいてしましょう」
そう黒服が剣を抜く。
その瞬間肌がひりつく。
(なんだこのプレッシャー、王よりヤバい!! 二発跳んだから手足がしびれてすぐには跳べない!)
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