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第二十五話
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「ここがアルベクス大森林か...... でかいな樹海並みだ」
おれたちは準備してから一ヶ月かけ大森林まできていた。
「ああ少国よりも大きい。 ただモンスターの数もすさまじいぞ。 三人で町をつくるなんて可能なのか?」
「しらみつぶしにモンスターを倒す訳じゃない。 住める場所だけ安全にできればいいんだ」
「壁をつくるってこと、城壁みたいな」
「そう、できるかいってみて考えよう」
おれたちは森のなかへと入る。
人がはいっていないため、巨大な木々があり、道もない。
「道もないな。 急に崖だったら困る」
「大丈夫だよレフィーネ。 おれがいるんだ」
「そうそう。 トーマは浮いてるから落ちないし」
そうペタペタとおれの頭をさわりながらメリムがいった。
「そうだ。 ここなら人にみられないな」
服を脱いで頭に縛った。
「ふむ」
レフィーネはおれをじろじろみている。
「どうした?」
「あらためて奇妙だな。 いったいなんなんだトーマは?」
おれの腕をプニプニさわりながらレフィーネは首をかしげる。
「わからん。 けどこっちの世界にも深海にタコはいるんだろ?」
「いるだろうが...... こんなのはみたことない」
「そうね。 確かに深海にはいったことがないからかもしれないけど、しゃべって魔力を使うタコはしらないわ」
メリムもおれ腕の膜をひろげながらそういった。
(なんかおれ、おもちゃにされてない?)
それから奥へと進むとすぐにモンスターたちに襲われる。
「かなり強い! 力も数も今までとは比べ物にならないわね! これならだれも近づかないはず!」
「ああ! でも戦えなくはない!」
「そうだな! 三人なら十分戦える!」
次々現れるモンスターを掃討しながら、日没まで先へと進む。
「ふぅ、今日はもう暗くなるここらで休憩だ」
「テントにはいっても、こんなモンスターたちのうろつく真ん中で寝たら、朝になる前にモンスターのお腹のなかよ」
「トーマなにかあるのか」
「ああ、みててくれ【鋼拳】《スティールフィスト》!」
おれは腕を鋼にかえると、古い巨木の幹に打撃を加える。 そしてできた傷を八本の手足で掘り進める。
「すごいな。 その金属の腕、巨木が簡単に削れていくな」
レフィーネが感心している。
そしてぽっかりと中に大きな穴をつくった。
「確かに外より安全だけど大丈夫なの?」
不安そうにメリムがみていった。
「いやこれじゃ食い破られたり毒や酸、炎で逃げ道を防がれかねないから、もうひとつ工夫をする。【金属化】《メタルカ》【鉄化】《アイアン》」
おれが魔力を放つと穴を掘った巨木が鉄へと変わっていく。
「おお! 木が鉄になった!」
「金属化の魔力なの!」
「ああ、ミネラルは鉱物を操る魔力をつかえた。 それを教わったんだ。 かなり魔力をくうけど、これなら安心して眠れる」
おれたちはその中でその日は休んだ。
次の日。
「さすがにモンスターも鉄の木には襲ってこなかったわね」
そう伸びをしてメリムがいう。
「ああ、ただ寒いのが難点だ。 寝袋と毛布でもキンキンに冷える」
「なるほど、どうやって三人で町をつくるのかともおもっていたが、これを使うのか」
レフィーネはうなづいた。
「そう、木材や石なんかを積んで金属化して壁をつくる。 それならモンスターの襲撃も防げる」
「確かに、これなら外側の壁さえ作れば、中に人をよべばいいものね!」
二人とも納得してくれた。
「あとは水だな。 川や湖をみつけるか、水脈に井戸を掘るかだ」
二人がうなづく。
「これだけの木々が育つんだから、地下か近くに大きな水源があるはず。 探しましょう」
「やみくもに探すならトーマが上から探した方がよくないか」
「あっ!」
レフィーネにいわれておれとメリムが同時にいう。
「えーと、水、水っと」
空に浮かんで城を眼下に広がる森をつぶさにみる。
「もう少し高く浮かぶか......」
下をみると二人が必死に口を開けて手を振っている。
「なにいってるかわからんが、のんきなもんだな」
ガシッ
「えっ?」
なにかに捕まれて急に加速する。
「な、なんだ!?」
上をみると巨大な黒い鳥がおれを爪でつかんでいた。
「ふぎゃあ! つれてかれてるーー! は、はなせ! こいつ! はかさないならこうだ!」
おれは足首に噛みついた。
「ギャァ!!」
鳥はホバリングしておれにくちばしを向ける。
「なめんな。 イカはカラスをつかまえるから烏賊なんだぞ! おれはタコだけど! 【鋼拳】《スティールフィスト》!」
鋼化した腕を収縮して放ち鳥にぶち当てる。
「ギィァァ!!」
「うわぁぁぁ!」
落ちる鳥につかまれその鳥ごと落ちていく。
(ヤバイ!! 地面にぶつかる! き、金属になれば!)
ドボンッ!!
強い衝撃と共に水の中にいた。
(下に水!?)
緩んだ爪から脱出し、水面へとあがる。
「ぷはぁ!! ここは」
そこは巨大な湖のようだった。
「だいじょうぶトーマ!?」
メリムたちが岸から呼んでいるのがみえた。
おれたちは準備してから一ヶ月かけ大森林まできていた。
「ああ少国よりも大きい。 ただモンスターの数もすさまじいぞ。 三人で町をつくるなんて可能なのか?」
「しらみつぶしにモンスターを倒す訳じゃない。 住める場所だけ安全にできればいいんだ」
「壁をつくるってこと、城壁みたいな」
「そう、できるかいってみて考えよう」
おれたちは森のなかへと入る。
人がはいっていないため、巨大な木々があり、道もない。
「道もないな。 急に崖だったら困る」
「大丈夫だよレフィーネ。 おれがいるんだ」
「そうそう。 トーマは浮いてるから落ちないし」
そうペタペタとおれの頭をさわりながらメリムがいった。
「そうだ。 ここなら人にみられないな」
服を脱いで頭に縛った。
「ふむ」
レフィーネはおれをじろじろみている。
「どうした?」
「あらためて奇妙だな。 いったいなんなんだトーマは?」
おれの腕をプニプニさわりながらレフィーネは首をかしげる。
「わからん。 けどこっちの世界にも深海にタコはいるんだろ?」
「いるだろうが...... こんなのはみたことない」
「そうね。 確かに深海にはいったことがないからかもしれないけど、しゃべって魔力を使うタコはしらないわ」
メリムもおれ腕の膜をひろげながらそういった。
(なんかおれ、おもちゃにされてない?)
それから奥へと進むとすぐにモンスターたちに襲われる。
「かなり強い! 力も数も今までとは比べ物にならないわね! これならだれも近づかないはず!」
「ああ! でも戦えなくはない!」
「そうだな! 三人なら十分戦える!」
次々現れるモンスターを掃討しながら、日没まで先へと進む。
「ふぅ、今日はもう暗くなるここらで休憩だ」
「テントにはいっても、こんなモンスターたちのうろつく真ん中で寝たら、朝になる前にモンスターのお腹のなかよ」
「トーマなにかあるのか」
「ああ、みててくれ【鋼拳】《スティールフィスト》!」
おれは腕を鋼にかえると、古い巨木の幹に打撃を加える。 そしてできた傷を八本の手足で掘り進める。
「すごいな。 その金属の腕、巨木が簡単に削れていくな」
レフィーネが感心している。
そしてぽっかりと中に大きな穴をつくった。
「確かに外より安全だけど大丈夫なの?」
不安そうにメリムがみていった。
「いやこれじゃ食い破られたり毒や酸、炎で逃げ道を防がれかねないから、もうひとつ工夫をする。【金属化】《メタルカ》【鉄化】《アイアン》」
おれが魔力を放つと穴を掘った巨木が鉄へと変わっていく。
「おお! 木が鉄になった!」
「金属化の魔力なの!」
「ああ、ミネラルは鉱物を操る魔力をつかえた。 それを教わったんだ。 かなり魔力をくうけど、これなら安心して眠れる」
おれたちはその中でその日は休んだ。
次の日。
「さすがにモンスターも鉄の木には襲ってこなかったわね」
そう伸びをしてメリムがいう。
「ああ、ただ寒いのが難点だ。 寝袋と毛布でもキンキンに冷える」
「なるほど、どうやって三人で町をつくるのかともおもっていたが、これを使うのか」
レフィーネはうなづいた。
「そう、木材や石なんかを積んで金属化して壁をつくる。 それならモンスターの襲撃も防げる」
「確かに、これなら外側の壁さえ作れば、中に人をよべばいいものね!」
二人とも納得してくれた。
「あとは水だな。 川や湖をみつけるか、水脈に井戸を掘るかだ」
二人がうなづく。
「これだけの木々が育つんだから、地下か近くに大きな水源があるはず。 探しましょう」
「やみくもに探すならトーマが上から探した方がよくないか」
「あっ!」
レフィーネにいわれておれとメリムが同時にいう。
「えーと、水、水っと」
空に浮かんで城を眼下に広がる森をつぶさにみる。
「もう少し高く浮かぶか......」
下をみると二人が必死に口を開けて手を振っている。
「なにいってるかわからんが、のんきなもんだな」
ガシッ
「えっ?」
なにかに捕まれて急に加速する。
「な、なんだ!?」
上をみると巨大な黒い鳥がおれを爪でつかんでいた。
「ふぎゃあ! つれてかれてるーー! は、はなせ! こいつ! はかさないならこうだ!」
おれは足首に噛みついた。
「ギャァ!!」
鳥はホバリングしておれにくちばしを向ける。
「なめんな。 イカはカラスをつかまえるから烏賊なんだぞ! おれはタコだけど! 【鋼拳】《スティールフィスト》!」
鋼化した腕を収縮して放ち鳥にぶち当てる。
「ギィァァ!!」
「うわぁぁぁ!」
落ちる鳥につかまれその鳥ごと落ちていく。
(ヤバイ!! 地面にぶつかる! き、金属になれば!)
ドボンッ!!
強い衝撃と共に水の中にいた。
(下に水!?)
緩んだ爪から脱出し、水面へとあがる。
「ぷはぁ!! ここは」
そこは巨大な湖のようだった。
「だいじょうぶトーマ!?」
メリムたちが岸から呼んでいるのがみえた。
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