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第四十一話
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「ここがリズベンダ......」
馬車から国を見るに、町同士が舗装された道でちゃんと整備されており、豊かにも見えた。
「他の国より、暮らしやすそうに見えるね」
おれはアゼリアの膝に乗っけられてそういった。
「そう。 けっこう裕福な国よ」
横に座るメリムがおれを突っつきながらそういうと、レフィーネもうなづいた。
「なんか大きな産業があるの?」
「いいや、特にはない。 商業を奨励し、外国との交易の関税なんかもやすくしているだけだ」
「それでこんなになるの?」
「女王のカリスマもあるのかもね」
「ああ、ここの女王メギアナと亡き夫シュライエはその圧倒的な戦闘、統率力で弱小国であったこの国を他国から守り大きくした」
レフィーネがそういう。
「そんな強いの?」
「ええ、本人もだけど、八極剣の一本、時洸剣セレンディアをもっているから」
メリムがいうと、レフィーネもうなづく。
「ああ、莫大な魔力を使うが、時間を操れるらしい」
「時間を...... そんな剣まであるのか)
「その上、巧みな国家運営ゆえに国民の支持も高く、このリズベンダを短期間で大国へと押し上げたんだよ」
メリムの話を聞きながら大きな町へとはいる。
「ここが王都サークリアストか」
「それでライネが約束は取り付けてくれたんでしょ」
「ああライネが知り合いらしくて、手紙をだしてくれたら、許可がおりた」
(だが、念おしして、あの方には気をつけてくださいといっていたのは気になるな)
馬車が止まると、そこは巨大な白い城だった。
「でかっ!」
「ほんと、今までのどの城より大きいね」
「だが、実用的だな。 弓をいるための丸いちいさな窓がたくさんついている。 メンダコにも建てるか」
レフィーネは城を分析していた。
「なんか、怖い感じがするってリストーアがいってる......」
そうおれの後ろに隠れていたアゼリアがそういう。
「怖い感じ......」
それを聞きながら城の門をくぐる。
ヒュッ
(なんだ!?)
おれは何かを異変を感じすぐ剣を上に向けた。
ガキンッ!!
金属音がとどろく。
上から何者かが飛んでおれに剣を振り下ろすのをなんとか防いだ。
「ほう、やるではないか。 おまえがトーマだな」
そうおれに切りかかった人は着地していった。
「なんだ急に! あぶないだろ!」
「ふふっ、剣武祭の優勝者の腕前を確かめたくてな」
その騎士風の出で立ちをした赤い髪の女性は、抜いた剣を納めていった。
「あなたがメギアナさまですか」
「ふむ、そうだ」
メリムが訪ねると胸を張りその美しい女性は答えた。
「ええーー!!!?」
おれは驚いた。
「よくきたな。 おまえたちにはあってみたかった」
城に招かれ、女王に再び謁見する。
(この人が【破剣妃】《ディストラクションエンプレス》って呼ばれてる人か...... めちゃくちゃきれいだけど)
凛々しい顔をして玉座に座る女王をみる。
「ライネと知り合いなんですよね」
「ああ、ライネは私が見に行った剣武祭に幼少の頃でていてな。 幼きながら大人たちを次々と倒した。 二回戦まですすんだ。 そこでしばらく預かり、剣の手解きをしたのだ」
(つまり師匠にあたるのか)
「私も今回見に行くつもりだったのに! モンスターが現れてやむなく見送ったのだ!」
悔しそうに唇をかむ。
「そ、そうなんですね。 それで八極剣を狙うものたちのことしっていますか?」
「この城にも賊が何度か忍び込んできました」
そう女王のとなりにいるメガネをかけているお付きの女性、アフィカさんがそうつげた。
「やはり! それで!?」
「ん? ぶちのめした」
メギアナ女王は事も無げにそういった。
「そやつはなんど切っても死ななくてな...... トーマ! おまえその剣、あやつのもっていた剣ではないか」
「えっ!? じゃあ賊って!」
おれはザリアザムのもっていた剣、死奏剣アグロアルを手に入れていた。 そしておれたちはメギアナ女王に事情を話した。
「......なるほど、死者を動かす剣か...... それであれほど切ったのに死ななんだのか、まあ死んでおっては死なぬわな」
そう女王は豪快に笑った。
(すごいな。 あのザリアザムを。 あれは?)
「それが八極剣ですか?」
女王が傍らにおく剣をみて聞いた。
「うむ、時洸剣セレンディアだ」
そう剣を抜く、それは白く輝く剣だった。
「この力ゆえ、小国であった我が国は守られたからな、悪用するやからに渡しなどはせぬ。 確か復神教団であったな。 そのものたちを我が部下が探っておるからなにかわかれば伝えよう」
「ありがとうございます」
(話のわかる人でよかった。 まあ急に切りかかられたときはビックリしたけどまともな人じゃないか)
「それで話は変わるが......」
「はい?」
「トーマよ、私と戦え」
「はっ?」
「こっちにこい!」
「えっ? えっ! えっ!?」
そう女王に強引にひっぱられる。 その姿をアフィカさんがため息をついてみていた。
馬車から国を見るに、町同士が舗装された道でちゃんと整備されており、豊かにも見えた。
「他の国より、暮らしやすそうに見えるね」
おれはアゼリアの膝に乗っけられてそういった。
「そう。 けっこう裕福な国よ」
横に座るメリムがおれを突っつきながらそういうと、レフィーネもうなづいた。
「なんか大きな産業があるの?」
「いいや、特にはない。 商業を奨励し、外国との交易の関税なんかもやすくしているだけだ」
「それでこんなになるの?」
「女王のカリスマもあるのかもね」
「ああ、ここの女王メギアナと亡き夫シュライエはその圧倒的な戦闘、統率力で弱小国であったこの国を他国から守り大きくした」
レフィーネがそういう。
「そんな強いの?」
「ええ、本人もだけど、八極剣の一本、時洸剣セレンディアをもっているから」
メリムがいうと、レフィーネもうなづく。
「ああ、莫大な魔力を使うが、時間を操れるらしい」
「時間を...... そんな剣まであるのか)
「その上、巧みな国家運営ゆえに国民の支持も高く、このリズベンダを短期間で大国へと押し上げたんだよ」
メリムの話を聞きながら大きな町へとはいる。
「ここが王都サークリアストか」
「それでライネが約束は取り付けてくれたんでしょ」
「ああライネが知り合いらしくて、手紙をだしてくれたら、許可がおりた」
(だが、念おしして、あの方には気をつけてくださいといっていたのは気になるな)
馬車が止まると、そこは巨大な白い城だった。
「でかっ!」
「ほんと、今までのどの城より大きいね」
「だが、実用的だな。 弓をいるための丸いちいさな窓がたくさんついている。 メンダコにも建てるか」
レフィーネは城を分析していた。
「なんか、怖い感じがするってリストーアがいってる......」
そうおれの後ろに隠れていたアゼリアがそういう。
「怖い感じ......」
それを聞きながら城の門をくぐる。
ヒュッ
(なんだ!?)
おれは何かを異変を感じすぐ剣を上に向けた。
ガキンッ!!
金属音がとどろく。
上から何者かが飛んでおれに剣を振り下ろすのをなんとか防いだ。
「ほう、やるではないか。 おまえがトーマだな」
そうおれに切りかかった人は着地していった。
「なんだ急に! あぶないだろ!」
「ふふっ、剣武祭の優勝者の腕前を確かめたくてな」
その騎士風の出で立ちをした赤い髪の女性は、抜いた剣を納めていった。
「あなたがメギアナさまですか」
「ふむ、そうだ」
メリムが訪ねると胸を張りその美しい女性は答えた。
「ええーー!!!?」
おれは驚いた。
「よくきたな。 おまえたちにはあってみたかった」
城に招かれ、女王に再び謁見する。
(この人が【破剣妃】《ディストラクションエンプレス》って呼ばれてる人か...... めちゃくちゃきれいだけど)
凛々しい顔をして玉座に座る女王をみる。
「ライネと知り合いなんですよね」
「ああ、ライネは私が見に行った剣武祭に幼少の頃でていてな。 幼きながら大人たちを次々と倒した。 二回戦まですすんだ。 そこでしばらく預かり、剣の手解きをしたのだ」
(つまり師匠にあたるのか)
「私も今回見に行くつもりだったのに! モンスターが現れてやむなく見送ったのだ!」
悔しそうに唇をかむ。
「そ、そうなんですね。 それで八極剣を狙うものたちのことしっていますか?」
「この城にも賊が何度か忍び込んできました」
そう女王のとなりにいるメガネをかけているお付きの女性、アフィカさんがそうつげた。
「やはり! それで!?」
「ん? ぶちのめした」
メギアナ女王は事も無げにそういった。
「そやつはなんど切っても死ななくてな...... トーマ! おまえその剣、あやつのもっていた剣ではないか」
「えっ!? じゃあ賊って!」
おれはザリアザムのもっていた剣、死奏剣アグロアルを手に入れていた。 そしておれたちはメギアナ女王に事情を話した。
「......なるほど、死者を動かす剣か...... それであれほど切ったのに死ななんだのか、まあ死んでおっては死なぬわな」
そう女王は豪快に笑った。
(すごいな。 あのザリアザムを。 あれは?)
「それが八極剣ですか?」
女王が傍らにおく剣をみて聞いた。
「うむ、時洸剣セレンディアだ」
そう剣を抜く、それは白く輝く剣だった。
「この力ゆえ、小国であった我が国は守られたからな、悪用するやからに渡しなどはせぬ。 確か復神教団であったな。 そのものたちを我が部下が探っておるからなにかわかれば伝えよう」
「ありがとうございます」
(話のわかる人でよかった。 まあ急に切りかかられたときはビックリしたけどまともな人じゃないか)
「それで話は変わるが......」
「はい?」
「トーマよ、私と戦え」
「はっ?」
「こっちにこい!」
「えっ? えっ! えっ!?」
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