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第五十二話
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向こうからジェガリアがやってくる。
「あら、ジェガリアなんのようかしら」
「村の者に手だしはしてないだろうな」
「ええ、今のところは...... でもあんたの動き次第では」
「その時はお前たちを殺す」
そうジェガリアはクミーグをにらんだ。
「別に今やってもいいのよ......」
「やめろ。 ジェガリア、確認してこい」
ナハルは二人を止めそういった。
「ああ、そうさせてもらう」
「今です」
小声のおれの声でジェガリアは短剣を抜いて、石の鎧をまとうと二人を殴り付けた。
バキッ! バシャッ!
そこには砕けた木と砂がある。
「くっ! 擬態か」
「反逆だな!」
屋根の上にナハルとクミーグの二人がいた。
「ひゃはっは! やってくれたわね! もうこの村もおしまい!」
「全員死刑だ。 お前たち村人を......」
「どうしたの? ナハル」
「伝令しても応答がない。 全員拘束されている! ぐっ!」
「なに!? 何かがくっついている!」
二人が驚いている。
「【実体化】リアライズ!」
はっていた糸が姿を表した。
「これは糸いつの間に...... もう一人いたのか! だが砂に反応がなかった!」
クミーグが糸に絡まり体をよじっている。
(ナハルは木を、クミーグは砂を操るとジェガリアさんに聞いておいてよかった。 踏まずに浮いてかわせたしな)
そこにジェガリアさんが屋根まであがり、二人を石剣できりつける。
「ベルタチッド!」
家に絡まっていたツタがあつまり、ナハルは石剣をふせいだ。
「アシルス!」
砂が集まると固まり、二人を拘束していたおれの糸が切れた。
「なめた真似を!!」
ツタがジェガリアさんの四肢に絡まり、集まった砂がジェガリアさんの鎧に吹き付けられる。
(二人がジェガリアさんの向いてるうちに。 これを試す! 【形魔力】、【鉱魔力】都を複合、そして【糸魔力】、ぐっ、きつい! なんとか一発で仕留めないと)
「【跳鋼彈】《バレットピンポール》!!」
おれは糸に魔力を流すと、体を丸くなると金属化し、柔らかくなった体を圧縮、解放した。
ビィン! ビィン! ビィン! ビィィン!!
「なんだ!? 黒い玉!!」
「速い!!」
町に張り巡らせた柔らかな糸にバウンドして高速化すると、驚いている二人を狙って向かっていく。
「きゃぁぁ!!」
「ぐわぁぁ!!」
砂とツタの防御を貫いて二人を地面へと落とした。
「よし! ヴェイルガ!」
ジェガリアさんは落ちた二人を石でかためた。
「助かった...... 本当に感謝する」
ジェガリアさんはそう顔を紅潮させて頭を下げた。 捕縛した神剣士たちを石て拘束して神剣をうばう。
「いえ、いいんです。 でもここからどうしましょうか」
「ふはっ、あたしらの報告がなくなったらバルステアさまはここに兵を送り込んでくる。 その時お前たちは終わりだ」
そう体を石でかためられたクミーグが笑みを浮かべる。
「確かに、おれたち二人でここをまもりきるのは難しそうだ」
「ああ、だがバルステアは慕われてはいない。 この行動に疑問をもつものは多い。 とらえた中にも迷っているものはいる」
「でも裏切るかもしれないから拘束は解くわけにはいかないし...... 取りあえずこの村の防備をかためましょう」
おれは町のまわりに糸を張り巡らし、ジェガリアさんと近くの木々をきると積み上げ鉄の壁へと変えた。
「大したものだ金属化とは、これで弓などの攻撃はふせげる。 それにただの形を整えた木の枝を金属の矢にかえた、弓も村人に扱わさせられるな」
「それに粘着の糸を張り巡らしたので、道線以外の道で拘束できます」
「無駄だといってるでしょ。 神剣士たちと大量の兵を送り込まれたら、こんな村一瞬よ」
そうクミーグがせせらわらっている。
「ジェガリアさん、取りあえず、こいつらを村の前においときましょう」
「そうだな」
「なっ、ふざけないでよ!」
「バルステアがお前たちのことを考慮するとおもうか、この村を滅ぼしたあと、その責任を誰にとらせるとおもってたんだ」
おれがそういうとクミーグたちは顔を曇らせた。
「なに......」
「こんなちいさな村でも外との交流はある。 それがまったくなくなったら、そこから噂はひろがって、反乱の目がでてくる。 それをバルステアは全て滅ぼしていくとでも思うのか」
クミーグとナハルは顔を見合わす。
「はっ! 俺たちも切り捨てられる、そういいたいのか、俺たちはバルステアさまの弟子だぞ」
ナハルが鼻で笑う。
「そういう人間じゃないのかバルステアは、自分達は無事だと本気でそうおもうか」
おれがそう聞くとナハルはだまり、クミーグは青い顔をしている。
「十剣将の強者であった、ハーバランド、エルティッタ、バルジャン、そして私を簡単に殺害しようとする男だ。 お前たちバルステアが推して十剣将になったものなど、簡単に切り捨てるだろう」
そうジェガリアは吐き捨てた。
「あら、ジェガリアなんのようかしら」
「村の者に手だしはしてないだろうな」
「ええ、今のところは...... でもあんたの動き次第では」
「その時はお前たちを殺す」
そうジェガリアはクミーグをにらんだ。
「別に今やってもいいのよ......」
「やめろ。 ジェガリア、確認してこい」
ナハルは二人を止めそういった。
「ああ、そうさせてもらう」
「今です」
小声のおれの声でジェガリアは短剣を抜いて、石の鎧をまとうと二人を殴り付けた。
バキッ! バシャッ!
そこには砕けた木と砂がある。
「くっ! 擬態か」
「反逆だな!」
屋根の上にナハルとクミーグの二人がいた。
「ひゃはっは! やってくれたわね! もうこの村もおしまい!」
「全員死刑だ。 お前たち村人を......」
「どうしたの? ナハル」
「伝令しても応答がない。 全員拘束されている! ぐっ!」
「なに!? 何かがくっついている!」
二人が驚いている。
「【実体化】リアライズ!」
はっていた糸が姿を表した。
「これは糸いつの間に...... もう一人いたのか! だが砂に反応がなかった!」
クミーグが糸に絡まり体をよじっている。
(ナハルは木を、クミーグは砂を操るとジェガリアさんに聞いておいてよかった。 踏まずに浮いてかわせたしな)
そこにジェガリアさんが屋根まであがり、二人を石剣できりつける。
「ベルタチッド!」
家に絡まっていたツタがあつまり、ナハルは石剣をふせいだ。
「アシルス!」
砂が集まると固まり、二人を拘束していたおれの糸が切れた。
「なめた真似を!!」
ツタがジェガリアさんの四肢に絡まり、集まった砂がジェガリアさんの鎧に吹き付けられる。
(二人がジェガリアさんの向いてるうちに。 これを試す! 【形魔力】、【鉱魔力】都を複合、そして【糸魔力】、ぐっ、きつい! なんとか一発で仕留めないと)
「【跳鋼彈】《バレットピンポール》!!」
おれは糸に魔力を流すと、体を丸くなると金属化し、柔らかくなった体を圧縮、解放した。
ビィン! ビィン! ビィン! ビィィン!!
「なんだ!? 黒い玉!!」
「速い!!」
町に張り巡らせた柔らかな糸にバウンドして高速化すると、驚いている二人を狙って向かっていく。
「きゃぁぁ!!」
「ぐわぁぁ!!」
砂とツタの防御を貫いて二人を地面へと落とした。
「よし! ヴェイルガ!」
ジェガリアさんは落ちた二人を石でかためた。
「助かった...... 本当に感謝する」
ジェガリアさんはそう顔を紅潮させて頭を下げた。 捕縛した神剣士たちを石て拘束して神剣をうばう。
「いえ、いいんです。 でもここからどうしましょうか」
「ふはっ、あたしらの報告がなくなったらバルステアさまはここに兵を送り込んでくる。 その時お前たちは終わりだ」
そう体を石でかためられたクミーグが笑みを浮かべる。
「確かに、おれたち二人でここをまもりきるのは難しそうだ」
「ああ、だがバルステアは慕われてはいない。 この行動に疑問をもつものは多い。 とらえた中にも迷っているものはいる」
「でも裏切るかもしれないから拘束は解くわけにはいかないし...... 取りあえずこの村の防備をかためましょう」
おれは町のまわりに糸を張り巡らし、ジェガリアさんと近くの木々をきると積み上げ鉄の壁へと変えた。
「大したものだ金属化とは、これで弓などの攻撃はふせげる。 それにただの形を整えた木の枝を金属の矢にかえた、弓も村人に扱わさせられるな」
「それに粘着の糸を張り巡らしたので、道線以外の道で拘束できます」
「無駄だといってるでしょ。 神剣士たちと大量の兵を送り込まれたら、こんな村一瞬よ」
そうクミーグがせせらわらっている。
「ジェガリアさん、取りあえず、こいつらを村の前においときましょう」
「そうだな」
「なっ、ふざけないでよ!」
「バルステアがお前たちのことを考慮するとおもうか、この村を滅ぼしたあと、その責任を誰にとらせるとおもってたんだ」
おれがそういうとクミーグたちは顔を曇らせた。
「なに......」
「こんなちいさな村でも外との交流はある。 それがまったくなくなったら、そこから噂はひろがって、反乱の目がでてくる。 それをバルステアは全て滅ぼしていくとでも思うのか」
クミーグとナハルは顔を見合わす。
「はっ! 俺たちも切り捨てられる、そういいたいのか、俺たちはバルステアさまの弟子だぞ」
ナハルが鼻で笑う。
「そういう人間じゃないのかバルステアは、自分達は無事だと本気でそうおもうか」
おれがそう聞くとナハルはだまり、クミーグは青い顔をしている。
「十剣将の強者であった、ハーバランド、エルティッタ、バルジャン、そして私を簡単に殺害しようとする男だ。 お前たちバルステアが推して十剣将になったものなど、簡単に切り捨てるだろう」
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