17 / 60
第十七話
しおりを挟む
「さて、少しだが金がはいったな」
俺たちはコボルトを住みかにもどしたことでギルドから報酬をえた。
「はーい、はーい! ウチほしいもんがあんねん!」
「なんだよ」
「それは内緒や! だからお金ちょうだい」
「今回は刀として役にたったからな。 ごくろうさん、ほいお前の分」
「よっしゃ! ほないってくるで!」
リヴァは金を受けとると喜んではしりさった。
「ティティも格闘術と魔法を体得したな。 ほれお前の分」
ティティにも等分の金を渡した。
「......ありがとうございます」
ティティが浮かない顔をしている。
「なんだ? いつもなら、四つんばいではうように食い物を買いに走って散財するのに、また拾い物でもたべて腹でもいたいのか」
「いいえ......」
「いたぞ!!」
向こうから屈強な男たちが走ってきた。
「ひぃ!!」
ティティは怯え逃げようとする。
「まて!! 貴様逃げるな!!」
「ちょっとまて、こいつは俺のツレだ。 なんのようだ」
男たちの前にでた。
「そやつはわが【マジックアーツ】門下!! 連れ戻しに来たのだ!」
「マジックアーツ...... ああこいつが修行してたってそこか」
「そうだ! そやつは修行途中に逃亡した!」
「修行終わってなかったのか! お前というやつは......」
「し、しかたなかったんですぅ。 食べるものを制限されたんですぅ。 ひもじくてぇ......」
ティティは半泣きで俺の後ろに隠れる。
「まあ、それはこいつが悪かった。 でも許してやってくれないか。 こんなのでも仲間なんだ」
「だめだ! そやつ、逃げる途中我々の食料をすべて食いつくして逃亡したのだ! その分と未払いの修行料金をすべて払ってもらわねばならん!」
「......わかりました。 どうぞ」
俺はティティを差し出した。
「ひどっ! それでも仲間ですか!!」
「ドロボウと仲間になったつもりはない! さっさと金を返してこい!」
「さあこい! 金を払えんなら! これから24時間365日イモの皮むきの刑だ!」
「いつねるんですか!! レージさん助けてくださ~い!!」
ティティは泣きながら男たちに両手、両足をもたれつれていかれる。
(あれが仮にも神...... あわれすぎるな。 しかたない......)
「まて、その金返せばいいんだな」
「まあ、そうだが......」
「まずは前金で払うが、手持ちが足りない。 残りは後払いにしてくれ」
俺が持ち金を渡した。
「ふむ、1/3といったところか...... いいだろう。 一週間ほどまつ。 その間に残りを払え。 できねばイモの皮むきの刑だぞ」
「わかった」
「れーじしゃ~ん!!」
「まず鼻水をふけ」
男たちは去っていった。
「やったで! 手に入ったで!」
スキップしてリヴァがやってきた。
「どないしたん? ティティ鼻水ずるずるやん?」
リヴァに事情を話した。
「あきれた...... 自分なにしてんの? 暴食の神なんか」
「ち、ちがいます! あまりの節食で限界値に達し、体が暴走しただけです」
「それが暴食だろ。 まあいい、早く金を集めよう」
「はぁ、めんどいな。 ほんま」
俺たちはギルドにむかった。
「報酬のよい依頼ですか?」
カウンターの受付嬢に話を通す。
「そうですね。 これなんか大金ですよ」
そう一枚の依頼書をもってきた。
「なんでこれだけ別なんだ?」
「かなり有力な方のご依頼の場合、そういう依頼は信頼できる冒険者の方にしか紹介できないのです。 とはいえこれは私の権限を使い特別です」
「つまり、それほど大物の依頼ということか」
「ええ、この国の大臣【ベルアイユ】さまのご依頼です。 あなたたち至高の女神と最強の精霊刀《ディーヴァブレイド》さまだからご紹介させていただくのです」
「我らならばその依頼にこたえましょう!」
「そうやな!」
(そんな安請け合いして大丈夫か? まあ一応、二人とも使えるようになってるから大丈夫か)
俺たちはその依頼をうけた。
「ここが城か」
俺たちはこの国の大臣にあいに、城へときていた。 門の衛兵に話をする。
「なに? ベルアイユ大臣の依頼をうけた。 そんな話きいてないぞ」
「ふむ、少年とアホそうな子供と更にアホな少女か」
「誰が! アホそうな子供や!!」
「私だけアホそうなじゃなくて確定ってどういうことですか!!」
(さすが人をみる衛兵だな。 鋭い指摘だ)
「まあ、ギルドからの紹介状もあるから」
「本当だ...... わかったなかにとりつぐから、まっていろ」
俺たちはまった。
「全くなんて奴らや! それにしてもでかい城やな。 ウチら犬小屋みたいな宿にしかとまれへんのに」
「ええ、許せませんよ! 私をさておいてこんな城にすむなんて! うばってやろうかしら!」
(......やはり慧眼だったなあの衛兵)
「お前たち大臣がお会いするそうだ。 こちらにこい」
俺たちは呼ばれ門から入り城内部にはいる。
「豪勢だな。 さすが王の城」
「おいてあるもの全部すごいお高そう」
「壺一個ぐらいもってってもわからへんのちゃう。 そうすれば借金返せるやん......」
こそこそとリヴァは耳元でつぶやいた。
「捕まったらそく死刑だぞ」
そういうとリヴァはだまった。
俺たちはコボルトを住みかにもどしたことでギルドから報酬をえた。
「はーい、はーい! ウチほしいもんがあんねん!」
「なんだよ」
「それは内緒や! だからお金ちょうだい」
「今回は刀として役にたったからな。 ごくろうさん、ほいお前の分」
「よっしゃ! ほないってくるで!」
リヴァは金を受けとると喜んではしりさった。
「ティティも格闘術と魔法を体得したな。 ほれお前の分」
ティティにも等分の金を渡した。
「......ありがとうございます」
ティティが浮かない顔をしている。
「なんだ? いつもなら、四つんばいではうように食い物を買いに走って散財するのに、また拾い物でもたべて腹でもいたいのか」
「いいえ......」
「いたぞ!!」
向こうから屈強な男たちが走ってきた。
「ひぃ!!」
ティティは怯え逃げようとする。
「まて!! 貴様逃げるな!!」
「ちょっとまて、こいつは俺のツレだ。 なんのようだ」
男たちの前にでた。
「そやつはわが【マジックアーツ】門下!! 連れ戻しに来たのだ!」
「マジックアーツ...... ああこいつが修行してたってそこか」
「そうだ! そやつは修行途中に逃亡した!」
「修行終わってなかったのか! お前というやつは......」
「し、しかたなかったんですぅ。 食べるものを制限されたんですぅ。 ひもじくてぇ......」
ティティは半泣きで俺の後ろに隠れる。
「まあ、それはこいつが悪かった。 でも許してやってくれないか。 こんなのでも仲間なんだ」
「だめだ! そやつ、逃げる途中我々の食料をすべて食いつくして逃亡したのだ! その分と未払いの修行料金をすべて払ってもらわねばならん!」
「......わかりました。 どうぞ」
俺はティティを差し出した。
「ひどっ! それでも仲間ですか!!」
「ドロボウと仲間になったつもりはない! さっさと金を返してこい!」
「さあこい! 金を払えんなら! これから24時間365日イモの皮むきの刑だ!」
「いつねるんですか!! レージさん助けてくださ~い!!」
ティティは泣きながら男たちに両手、両足をもたれつれていかれる。
(あれが仮にも神...... あわれすぎるな。 しかたない......)
「まて、その金返せばいいんだな」
「まあ、そうだが......」
「まずは前金で払うが、手持ちが足りない。 残りは後払いにしてくれ」
俺が持ち金を渡した。
「ふむ、1/3といったところか...... いいだろう。 一週間ほどまつ。 その間に残りを払え。 できねばイモの皮むきの刑だぞ」
「わかった」
「れーじしゃ~ん!!」
「まず鼻水をふけ」
男たちは去っていった。
「やったで! 手に入ったで!」
スキップしてリヴァがやってきた。
「どないしたん? ティティ鼻水ずるずるやん?」
リヴァに事情を話した。
「あきれた...... 自分なにしてんの? 暴食の神なんか」
「ち、ちがいます! あまりの節食で限界値に達し、体が暴走しただけです」
「それが暴食だろ。 まあいい、早く金を集めよう」
「はぁ、めんどいな。 ほんま」
俺たちはギルドにむかった。
「報酬のよい依頼ですか?」
カウンターの受付嬢に話を通す。
「そうですね。 これなんか大金ですよ」
そう一枚の依頼書をもってきた。
「なんでこれだけ別なんだ?」
「かなり有力な方のご依頼の場合、そういう依頼は信頼できる冒険者の方にしか紹介できないのです。 とはいえこれは私の権限を使い特別です」
「つまり、それほど大物の依頼ということか」
「ええ、この国の大臣【ベルアイユ】さまのご依頼です。 あなたたち至高の女神と最強の精霊刀《ディーヴァブレイド》さまだからご紹介させていただくのです」
「我らならばその依頼にこたえましょう!」
「そうやな!」
(そんな安請け合いして大丈夫か? まあ一応、二人とも使えるようになってるから大丈夫か)
俺たちはその依頼をうけた。
「ここが城か」
俺たちはこの国の大臣にあいに、城へときていた。 門の衛兵に話をする。
「なに? ベルアイユ大臣の依頼をうけた。 そんな話きいてないぞ」
「ふむ、少年とアホそうな子供と更にアホな少女か」
「誰が! アホそうな子供や!!」
「私だけアホそうなじゃなくて確定ってどういうことですか!!」
(さすが人をみる衛兵だな。 鋭い指摘だ)
「まあ、ギルドからの紹介状もあるから」
「本当だ...... わかったなかにとりつぐから、まっていろ」
俺たちはまった。
「全くなんて奴らや! それにしてもでかい城やな。 ウチら犬小屋みたいな宿にしかとまれへんのに」
「ええ、許せませんよ! 私をさておいてこんな城にすむなんて! うばってやろうかしら!」
(......やはり慧眼だったなあの衛兵)
「お前たち大臣がお会いするそうだ。 こちらにこい」
俺たちは呼ばれ門から入り城内部にはいる。
「豪勢だな。 さすが王の城」
「おいてあるもの全部すごいお高そう」
「壺一個ぐらいもってってもわからへんのちゃう。 そうすれば借金返せるやん......」
こそこそとリヴァは耳元でつぶやいた。
「捕まったらそく死刑だぞ」
そういうとリヴァはだまった。
0
あなたにおすすめの小説
魔道具頼みの異世界でモブ転生したのだがチート魔法がハンパない!~できればスローライフを楽しみたいんだけど周りがほっといてくれません!~
トモモト ヨシユキ
ファンタジー
10才の誕生日に女神に与えられた本。
それは、最強の魔道具だった。
魔道具頼みの異世界で『魔法』を武器に成り上がっていく!
すべては、憧れのスローライフのために!
エブリスタにも掲載しています。
外れスキルは、レベル1!~異世界転生したのに、外れスキルでした!
武蔵野純平
ファンタジー
異世界転生したユウトは、十三歳になり成人の儀式を受け神様からスキルを授かった。
しかし、授かったスキルは『レベル1』という聞いたこともないスキルだった。
『ハズレスキルだ!』
同世代の仲間からバカにされるが、ユウトが冒険者として活動を始めると『レベル1』はとんでもないチートスキルだった。ユウトは仲間と一緒にダンジョンを探索し成り上がっていく。
そんなユウトたちに一人の少女た頼み事をする。『お父さんを助けて!』
【完結】発明家アレンの異世界工房 ~元・商品開発部員の知識で村おこし始めました~
シマセイ
ファンタジー
過労死した元商品開発部員の田中浩介は、女神の計らいで異世界の少年アレンに転生。
前世の知識と物作りの才能を活かし、村の道具を次々と改良。
その発明は村の生活を豊かにし、アレンは周囲の信頼と期待を集め始める。
俺得リターン!異世界から地球に戻っても魔法使えるし?アイテムボックスあるし?地球が大変な事になっても俺得なんですが!
くまの香
ファンタジー
鹿野香(かのかおる)男49歳未婚の派遣が、ある日突然仕事中に異世界へ飛ばされた。(←前作)
異世界でようやく平和な日常を掴んだが、今度は地球へ戻る事に。隕石落下で大混乱中の地球でも相変わらず呑気に頑張るおじさんの日常。「大丈夫、俺、ラッキーだから」
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
異世界転生雑学無双譚 〜転生したのにスキルとか貰えなかったのですが〜
芍薬甘草湯
ファンタジー
エドガーはマルディア王国王都の五爵家の三男坊。幼い頃から神童天才と評されていたが七歳で前世の知識に目覚め、図書館に引き篭もる事に。
そして時は流れて十二歳になったエドガー。祝福の儀にてスキルを得られなかったエドガーは流刑者の村へ追放となるのだった。
【カクヨムにも投稿してます】
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる