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第五十三話
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神殿の部屋につれてきたが、ドラゴンはすこし窮屈そうにしている。
「すこしせまいな。 新しく部屋を増築してもらうか」
「ですね」
「それより名前や。 まるっこいから【たこ焼き丸】でどないや」
「却下」
「女神たる私の僕になるのですから、【しもふり】でどうでしょう」
「却下」
「そ、そうですね。 【リロ】はどうですか?」
リリオンはおずおずいった。
「ああ、いいんじゃないか」
「えー 【たこ焼き太郎】は」
「やはり【赤身】でどうでしょう」
「......リロと呼ぶことにする」
「「えーーー!!」」
ぶーたれる二人を軽くスルーし、新たな依頼をえにギルドにむかった。
「えっ!? Bクラス!」
「え、ええ、この間の依頼で昇格したんです。 それをお伝えしようとしたら、『そんなんええから、お金ちょうだい』といわれて......」
受付嬢は困った顔でいった。
「ほんまだれやねん! そんな大事なこときかんと!」
「関西弁の時点でお前以外いないだろ!」
「わからんやん! ティティかもしれんし......」
「人になすり付けないでください!」
「まったく...... それでBクラスでなにかかわるんですか」
「ええ、難度の高い依頼はもちろん。 ギルドからの依頼もうけられます」
「ギルドからの依頼?」
「そうです。 絶対に失敗が許されないような重要な依頼は、Bクラス以上しかうけられません」
「確かにそんな重要な依頼ならば、ギルドの信頼にも関わりますしね」
「まえに受けたベルアイユ大臣の依頼みたいなものか」
「ええ、これはギルドからのもので仲介料は必要ありません」
「つまり、そのまま報酬がもらえるんやな! やろう!」
「これが依頼のリストです。 ご覧ください」
受付嬢はそういって、豪華な装丁がなされた本のようなものをカウンターにおいた。 そこには依頼と報酬がかかれている。
「なるほど、新しくでた遺跡からの遺物の発見と回収、重要な書類、アイテムの配送。 犯罪組織の調査と捕縛...... 確かに信頼できるものじゃないと依頼できない案件ばかりだな」
「報酬もすごいな! はよやろ!」
「しかし、かなり難度の高いものですね。 いまリリオンはリロのお世話で神殿にいますから、私たち三人でやるしかありません」
「ああ、不達成なら複数段のクラス降格と多額な賠償がペナルティか。 安易に失敗もできないな」
「まあ、ウチらでやれるやろ。 なんせBクラスやねんから、これなんかええやん」
そういってリヴァはリストを指差す。
「......犯罪組織【偽使徒】《イミテイト》の調査か」
「そうですね。 その犯罪組織の名前は、今までもたびたび町などて聞き及んでおります。 神の名において成敗しましょう」
(大丈夫かよ...... とはいえ、悪名高い犯罪組織を潰したとなればティティへの信仰もかなり高まるな)
そう思いその依頼をうけた。
「それでその偽使徒《イミテイト》はどう調べる?」
「大臣ならばなにかしっているかもしれませんね」
「そやな。 あのじいちゃんにきいてみよーや」
俺たちはベルアイユ大臣にあいにいくことにした。
「偽使徒《イミテイト》か...... 困ったことだな」
ベルアイユ大臣は眉をひそめるソファーにすわっている。 俺たちは城にきて話をしにきていた。
「なにか困ることが...... 犯罪組織ですよね」
「ぶっ潰したほうがええやん?」
「確かに奴らは危険なものたちだ。 だから排除したいのはやまやまだったからお主たちの力を借りようとも思っていた」
「ならば好都合では」
ティティがそういうと大臣はさらに困ったような顔をした。
「ふむ、しかしな。 奴らを探っていた多くのものが姿を消しているのだ」
「それほど危険だと......」
「ああ、だがそれだけではない。 探るもののなかには貴族や王族、高位の身分のものもいた...... しかし皆沈黙してしまう」
「......沈黙」
「せやけどそんな人らは周りに強い護衛もおるやろうし、暗殺やないよな。 どういうことや?」
「おそらくは力をもつ何者かが口を封じたのであろう」
「黒幕がいるのですね。 それは誰ですか?」
「ふむ...... すまぬがそれはいえん。 さすがに確証なしに推論で述べられる相手ではない」
悩んだようにベルアイユ大臣は調べをまとめた書類をくれた。
「なんか、困ってましたね」
「そんな力をもつものって誰や?」
「王公貴族か、もしくは上位の官職...... 確かこの国にもう一人大臣がいたよな」
「ええ、サマエルという人物だったはず。 ベルアイユ大臣と双璧をなす大貴族です」
「どうもそいつくさいな。 せやからじいちゃんも言葉を濁したんちゃうか」
「かもな...... とりあえず偽使徒《イミテイト》を調べるぞ。 大臣から資料はもらった」
「なんてかいてあるんや?」
「起こしたであろう事件、そして関わった人物。 アジトらしき場所、ここまでわかってて手出しできないとなると......」
「その悪大臣が止めとるんやろな」
「危険だな......」
「なにビビッとんねん。 そんなボケどもしばいたったらええねん!」
「俺たちはな。 ただ神殿にバチュアとリリオンたちだけだとな」
「確かに不安ではありますね。 そうだ!」
ティティはある提案をしてきた。
「ええやん! お前にしては上出来や!」
「誰がおまえにしてはですか!」
「なるほどな...... 確かにそれはいいかもしれん。 さっそく頼んでそのあとに調査しよう」
俺たちは行動にうつした。
「すこしせまいな。 新しく部屋を増築してもらうか」
「ですね」
「それより名前や。 まるっこいから【たこ焼き丸】でどないや」
「却下」
「女神たる私の僕になるのですから、【しもふり】でどうでしょう」
「却下」
「そ、そうですね。 【リロ】はどうですか?」
リリオンはおずおずいった。
「ああ、いいんじゃないか」
「えー 【たこ焼き太郎】は」
「やはり【赤身】でどうでしょう」
「......リロと呼ぶことにする」
「「えーーー!!」」
ぶーたれる二人を軽くスルーし、新たな依頼をえにギルドにむかった。
「えっ!? Bクラス!」
「え、ええ、この間の依頼で昇格したんです。 それをお伝えしようとしたら、『そんなんええから、お金ちょうだい』といわれて......」
受付嬢は困った顔でいった。
「ほんまだれやねん! そんな大事なこときかんと!」
「関西弁の時点でお前以外いないだろ!」
「わからんやん! ティティかもしれんし......」
「人になすり付けないでください!」
「まったく...... それでBクラスでなにかかわるんですか」
「ええ、難度の高い依頼はもちろん。 ギルドからの依頼もうけられます」
「ギルドからの依頼?」
「そうです。 絶対に失敗が許されないような重要な依頼は、Bクラス以上しかうけられません」
「確かにそんな重要な依頼ならば、ギルドの信頼にも関わりますしね」
「まえに受けたベルアイユ大臣の依頼みたいなものか」
「ええ、これはギルドからのもので仲介料は必要ありません」
「つまり、そのまま報酬がもらえるんやな! やろう!」
「これが依頼のリストです。 ご覧ください」
受付嬢はそういって、豪華な装丁がなされた本のようなものをカウンターにおいた。 そこには依頼と報酬がかかれている。
「なるほど、新しくでた遺跡からの遺物の発見と回収、重要な書類、アイテムの配送。 犯罪組織の調査と捕縛...... 確かに信頼できるものじゃないと依頼できない案件ばかりだな」
「報酬もすごいな! はよやろ!」
「しかし、かなり難度の高いものですね。 いまリリオンはリロのお世話で神殿にいますから、私たち三人でやるしかありません」
「ああ、不達成なら複数段のクラス降格と多額な賠償がペナルティか。 安易に失敗もできないな」
「まあ、ウチらでやれるやろ。 なんせBクラスやねんから、これなんかええやん」
そういってリヴァはリストを指差す。
「......犯罪組織【偽使徒】《イミテイト》の調査か」
「そうですね。 その犯罪組織の名前は、今までもたびたび町などて聞き及んでおります。 神の名において成敗しましょう」
(大丈夫かよ...... とはいえ、悪名高い犯罪組織を潰したとなればティティへの信仰もかなり高まるな)
そう思いその依頼をうけた。
「それでその偽使徒《イミテイト》はどう調べる?」
「大臣ならばなにかしっているかもしれませんね」
「そやな。 あのじいちゃんにきいてみよーや」
俺たちはベルアイユ大臣にあいにいくことにした。
「偽使徒《イミテイト》か...... 困ったことだな」
ベルアイユ大臣は眉をひそめるソファーにすわっている。 俺たちは城にきて話をしにきていた。
「なにか困ることが...... 犯罪組織ですよね」
「ぶっ潰したほうがええやん?」
「確かに奴らは危険なものたちだ。 だから排除したいのはやまやまだったからお主たちの力を借りようとも思っていた」
「ならば好都合では」
ティティがそういうと大臣はさらに困ったような顔をした。
「ふむ、しかしな。 奴らを探っていた多くのものが姿を消しているのだ」
「それほど危険だと......」
「ああ、だがそれだけではない。 探るもののなかには貴族や王族、高位の身分のものもいた...... しかし皆沈黙してしまう」
「......沈黙」
「せやけどそんな人らは周りに強い護衛もおるやろうし、暗殺やないよな。 どういうことや?」
「おそらくは力をもつ何者かが口を封じたのであろう」
「黒幕がいるのですね。 それは誰ですか?」
「ふむ...... すまぬがそれはいえん。 さすがに確証なしに推論で述べられる相手ではない」
悩んだようにベルアイユ大臣は調べをまとめた書類をくれた。
「なんか、困ってましたね」
「そんな力をもつものって誰や?」
「王公貴族か、もしくは上位の官職...... 確かこの国にもう一人大臣がいたよな」
「ええ、サマエルという人物だったはず。 ベルアイユ大臣と双璧をなす大貴族です」
「どうもそいつくさいな。 せやからじいちゃんも言葉を濁したんちゃうか」
「かもな...... とりあえず偽使徒《イミテイト》を調べるぞ。 大臣から資料はもらった」
「なんてかいてあるんや?」
「起こしたであろう事件、そして関わった人物。 アジトらしき場所、ここまでわかってて手出しできないとなると......」
「その悪大臣が止めとるんやろな」
「危険だな......」
「なにビビッとんねん。 そんなボケどもしばいたったらええねん!」
「俺たちはな。 ただ神殿にバチュアとリリオンたちだけだとな」
「確かに不安ではありますね。 そうだ!」
ティティはある提案をしてきた。
「ええやん! お前にしては上出来や!」
「誰がおまえにしてはですか!」
「なるほどな...... 確かにそれはいいかもしれん。 さっそく頼んでそのあとに調査しよう」
俺たちは行動にうつした。
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