愛梨

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心にずっとある棘
傷付きたくないから
誰にも心を触れられないように
誰にも心を壊されないように
静かに棘を生やしていた

誰かと交わる度に棘を増やし
心に触れられないように
気付かれないように
嘘の笑顔を作る
その嘘で
誰もが私の本当の心には気付かない

触れられる人なんて
棘に気付く人なんていない
知っているのは私だけ
でもいつしか
心は枯れてきていて
棘も無くなり始めた
嘘のせい?
本当は傷付いて涙を流したせい?

もし今誰かに心を触れられてしまったら
忽ち愛してしまうだろう
棘の無い弱い心じゃ本気で愛してしまう
嘘の愛を演じる事が出来なくなる

愛の怖さはよく知っている
だから…
棘を生やした
傷付かないように
涙を流さないように

棘に触れられる前に
もう終わりにしよう
嘘も本当も無い世界に
旅立つ時がきた
誰もいない世界なら
怯える必要も無い

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