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2章 約束と忘れた思い出
48.昔の夢と博識な商人
しおりを挟む「きらきら光るお星様
どうして星座に名前があるのか、叡智へ至るだろう魔女サマはその理由を知ってるかい?」
「その呼び方、止めてください」
「ごめんごめん、でもそんな風に評価されるのはマヤがすごい証拠だ!
胸を張って歩けばいい
ついでに、ボクの商品を広告してくれるともっといい!!」
「これは、いつの話だっけ」
むぅ、っと口を尖らす自分と、小柄だが、大きな荷物を背負った仲間の商人と話す場面を真夜は映画のように眺めていた
「で、星座?…なんでしたっけ…確か旅人の目印…?」
「おっよく知ってるねぇ、さすがマヤ!
まぁ、その理由もあるけど、ボクは星座を空に描いた絵だと思っているんだ」
「絵?」
「そう、今ボクらが知っている星座は約5000年ぐらい前にメソポタミア地方の羊飼い達が空を眺めて作られたものだと言われているんだ
マヤは思ったことは無い?これの何処がサソリなんだ、とか」
「あんまり考えた事は無かったけど…確かに…」
「でしょ?アポロンとか、神様を想像して空の星を軸に描いたんだ
なーんて、ね!ま、こんな考え方もロマンチックでしょ?」
いたずらっ子のように笑う商人に映像の真夜もつられてクスクスと「そうですね」と笑っていた
場面が変わり、仲間たちが揃って食事を取っている映像に切り替わる
勇者と聖女と商人以外の顔はモヤがかかっていてよく見えず、声もノイズが混ざり聞き取れない
その状況に眉を潜めながらも続きを見た
「やぁ!快勝快勝!さすが勇者一行、悪の限りを尽くしたドラゴンを退治!新聞の表紙を飾ったね!」
「やめてよアカゲさん恥ずかしい」
「も~そんな事言っちゃって!ユウ坊は照れ屋だなぁ」
「まぁまぁ、でもアカゲさんの仕入れてくれたアイテムが無ければ危なかったんですよ。
アカゲさんがMVPです!」
「お!美人なサクラがそんな事言ってくれるなんて照れちゃう
で、どんな戦いがあったのかボクにも聞かせておくれ!」
「──────、────?──!」
「うるせーやい!──、君の矢はどこから仕入れたと思ってる!」
「────、──~!!」
「まぁまぁ、──もこう言ってますし…」
「…むぅ、マヤがそう言うならば仕方ない…」
楽しそうに喋る仲間たち
商人はアカゲ…聖女はサクラ…?いや、何かが足りない…これはアカゲの付けたあだ名か…
「──、────」
「え!なに、ユウ坊新技作ったの?!
ずるいずるい!ボクも見たかった!!」
「後で見せるから、ゆらさないで、よう…うっ」
「あ、あぁ…えっと、真夜ちゃんも、ちょっと変わった技使ってたよね!」
「え?…あ~あれは基礎の魔法を掛け合わせたものだから、あんまり珍しいものじゃないよ
桜子さんも今回、回復範囲広くなかった?」
「えー!いーな、いーな!今度ボクも付いてっちゃだめ?」
「────は、!非戦闘員────!!」
プツリ、そう音を立てて、映像が1度途切れた
思い出した、聖女は桜子…
あとの仲間の名前も顔も思い出せないが今回ここまで思い出せたのは上等だろう、そう思いながら真夜はふぅ、とため息を付くとバチンっと音を立てスクリーンにはまた映像が流れ出した
「…ボクが付いてこれるのはここまでだ。
全く、非戦闘員ってこう言う時最後まで一緒についていけないのは使えない…」
「…ありがとう。こんなとこまで一緒に…「おっとユウ坊、それは違うぜ」え?」
「ありがとう、はこの世界に別れを告げる時だ。
まだ魔王を倒していない今は早すぎる」
「そっか…うん、わかった」
「…行ってらっしゃい!いいかい!誰か一人でも掛けてたらボク、悪質ぼったくり商人になるか、黒幕みたいに怪しい商人になるからね!」
「なにそれ」
「いいね!ボクは有言実行する人間さ!」
「…結局、アカゲさんの性別は分かりませんでしたね…」
最終決戦が近いのに、緩い空気でそんな会話をする
結局、約束は果たせなかったな
アカゲさん、どうなったんだろ?黒幕の商人っぽいのはちょっと見たかったな、なんてくだらいことを考えながら真夜はゆっくりと目を閉じた
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