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ハジマリの失恋
今日も、誰かが、何処かで恋をする
好きです
寒さで悴んで震えているのか、
緊張で震えているのか分からない手が白くなるくらいぎゅっと握り締め彼にそう告げた
「……ごめん」
ただ、一言、【叶わない】という現実が私に突き刺さる
「そッ……そっか…」
わかっていた。初恋は叶わないだろうって
気を抜いたら流れそうな涙を、目にぐっと力を入れ無理矢理笑う
「ご、ごめんね、寒いのに…じゃあね」
さようなら
さよなら、
私の恋心
汚い笑顔だっただろう。
でも笑うしかないのだ私は
もう、何も無いのだから
最初は早歩きだったのがどんどんと速度が上がり、
冷たい風を切るように走り抜ける
ポツポツと明かりがつき始めた住宅街を走り抜け、ガチャリとぞんざいに自宅の扉を開いた
暖かい空気と母さんのおかえりという声を
無視して、自室へと駆ける
バンッと力いっぱいドアを開いた私はその場に力尽き崩れ落ちるように座り込んだ
「グッ…うっ、ッゥ…」
口許を手で抑え、泣きながらポロポロと零れ落ちそうになる花弁を喉に押し戻す
クラクラと血の気が引く
視界が砂嵐のようになり、白と黒の世界になったとき、
ふと目に映った、
昔よりも随分と細い腕を見て思った
きっと私には何も残らない
ただそれだけが頭に残りふらりと、体が床に叩かつけられた
あぁ、
恋とは、なんと難しいものか
好きだった
両思いだった
でも、俺より、
彼女を幸せにできる、
彼女を好きな人が
叶わないと思った
だから
「好きです」
「…ごめん」
そう、言って…
どうしてこんな事になってしまったのだろう
彼女は美しい笑顔を浮かべ走り去った
「ごめん…!!」
誰に聞こえるわけでも、彼女に届く訳でもない
勝手に諦めて、
彼女を傷付けた男が言えたことじゃない
けれど…
けれど俺の口からは悲痛な音が零れ落ちた
がらんどうな心はもう器が割れそうなくらい、痛かった
ベッドに横になり、真っ白な天井を眺める事ぐらいしか、私にはもう出来なかった。
あの日から、徐々に身体はゆっくりと
しかし確実に壊れて行った
まず、何かを口にしても吐き出し、
更には花も吐いてしまうから体力が無くなる
次にそうなると体に力が入らず、ベッドに横になるしかできない
ぐちゃぐちゃになった感情だけがもう何もかも受け入れられない身体で生産され続けている
きっと、
私はもう死ぬのだろう
もう何も感じない体を無理矢理動かそうとする、やっと動いた手は白く、細く、枯れ木のようにぽっくりと折れそうで、
そうしていつか、溶けるように消えて、
いつしか誰の心からも忘れ去られて、
そうして、本当の意味で死ぬのだろう
次があるのなら
「今度こそ、しあわせな、」
恋…してみたいなぁ…
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