1 / 1
お題:薄汚いサッカー 制限時間:15分
しおりを挟む
人と機械が共存する世界に、幸せはあるのだろうか。
「……ぅ」
痛みは和らいできたが、足が動く気配がない。
どこかの線が切れてる。二度と歩けないかもしれない。
それでも、前へ。腕だけをつかって進む。
「や、やめろ!」
声を出す。
その声に振り返るヤンキーたち。
「なんだ、やめてほしいのか?」
ヤンキーの1人が、蹴飛ばしてた頭を踏みつける。
血だらけのそれは、彼女であったもの。
本体は、僕の隣で動きを停止してる。未だに血と特殊体液を吐き続けてる。
「人間様の世界に機械なんざ不要なんだよ」
「か、彼女は半分人間だよ!」
頭の中には人間の脳みそが入ってる。しかもそれだけで機能するようになってるから、ずっと痛みを感じ続けてる。ボクなんかよりもずっとずっと重いダメージを受けてる。
助けなきゃいけない。
「見分けなんかつくかよ。べっぴんさんは疑いしかねぇだろ?」
彼女の頭を蹴飛ばしてくヤンキーたち。
サッカーだ。
彼らにとって、彼女の頭はサッカーボールに過ぎない。
襲われたのも公園でいちゃついてたからというどうでもいい理由。
彼らには人の心がない機械なんじゃないかと思ってしまう。
「まぁ、俺も腕は機械だけどな」
外してつけてみる。
「半分以上機械なんて、ほぼ機械だろ」
それをいうなら、半分人間なんだ。
「やめろ」
サッカー場となってる公園の広場は広い。
彼女の頭があっちにいったり、こっちにいったりと追いきれない。
「なんだよ。張り合いねぇな。もっと動いてみせろよ」
彼女の本体を持つと、腕を引き抜き、足を引っ張る。
「やめろ!」
二度と連結ができなくなってしまう。
「そうだ。その眼だ。もっと本気になれ」
どうしてこいつらはここまで残虐になれるのか。理解できない。
「青き正常なる世界に、機械は不要」
人間崇拝信者だった。
嫌な連中に絡まれてしまった。
なおさら彼女を救わなくていけない。
壊されてしまえば、彼女は修復不可能になる。
「逃げて」
沈黙してた彼女の頭が声を発した。
「彼氏くん逃げちゃう? それでも俺たちはいいけどな!」
そんなことするわけがない。
「お、はやくなったな。いいぞ、こいつにもっと喋らせろ」
彼女の頭をひろうと、でこをつつく。
「ほら、喋りやがれ」
「あと2分で警察がきます」
事務的な回答を彼女が口にする。
「なんだ、通報してたのか」
頭を投げ捨てる。
「いくぞ、お前ら」
ヤンキーたちがさり、しばらくすると警察と救急車がやってきた。
これをきっかけにボクは足を機械化し、彼女は概念と化した。
「……ぅ」
痛みは和らいできたが、足が動く気配がない。
どこかの線が切れてる。二度と歩けないかもしれない。
それでも、前へ。腕だけをつかって進む。
「や、やめろ!」
声を出す。
その声に振り返るヤンキーたち。
「なんだ、やめてほしいのか?」
ヤンキーの1人が、蹴飛ばしてた頭を踏みつける。
血だらけのそれは、彼女であったもの。
本体は、僕の隣で動きを停止してる。未だに血と特殊体液を吐き続けてる。
「人間様の世界に機械なんざ不要なんだよ」
「か、彼女は半分人間だよ!」
頭の中には人間の脳みそが入ってる。しかもそれだけで機能するようになってるから、ずっと痛みを感じ続けてる。ボクなんかよりもずっとずっと重いダメージを受けてる。
助けなきゃいけない。
「見分けなんかつくかよ。べっぴんさんは疑いしかねぇだろ?」
彼女の頭を蹴飛ばしてくヤンキーたち。
サッカーだ。
彼らにとって、彼女の頭はサッカーボールに過ぎない。
襲われたのも公園でいちゃついてたからというどうでもいい理由。
彼らには人の心がない機械なんじゃないかと思ってしまう。
「まぁ、俺も腕は機械だけどな」
外してつけてみる。
「半分以上機械なんて、ほぼ機械だろ」
それをいうなら、半分人間なんだ。
「やめろ」
サッカー場となってる公園の広場は広い。
彼女の頭があっちにいったり、こっちにいったりと追いきれない。
「なんだよ。張り合いねぇな。もっと動いてみせろよ」
彼女の本体を持つと、腕を引き抜き、足を引っ張る。
「やめろ!」
二度と連結ができなくなってしまう。
「そうだ。その眼だ。もっと本気になれ」
どうしてこいつらはここまで残虐になれるのか。理解できない。
「青き正常なる世界に、機械は不要」
人間崇拝信者だった。
嫌な連中に絡まれてしまった。
なおさら彼女を救わなくていけない。
壊されてしまえば、彼女は修復不可能になる。
「逃げて」
沈黙してた彼女の頭が声を発した。
「彼氏くん逃げちゃう? それでも俺たちはいいけどな!」
そんなことするわけがない。
「お、はやくなったな。いいぞ、こいつにもっと喋らせろ」
彼女の頭をひろうと、でこをつつく。
「ほら、喋りやがれ」
「あと2分で警察がきます」
事務的な回答を彼女が口にする。
「なんだ、通報してたのか」
頭を投げ捨てる。
「いくぞ、お前ら」
ヤンキーたちがさり、しばらくすると警察と救急車がやってきた。
これをきっかけにボクは足を機械化し、彼女は概念と化した。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる