1 / 1
お題:戦争と武器 制限時間:15分
しおりを挟む
武器があるから争いが起こるというわけではなく。
「……」
言葉があるから争いが起こる。
教室では怒鳴りが続いてる。
物が投げられるという事態には陥ってないが時間の問題だろう。
その前に教室から抜け出せればいいのだが、逃げようとすれば周囲から視線を受ける。そうなれば、怒鳴りはすぐに私のところにやってきて、行動を阻害する。
席が窓側ってのが余計に悪い。
せめて廊下側であれば、視線で停止することなく廊下へと走り抜けられたはずだ。
そう『はず』なわけで、確定じゃない。
「……」
もしならばというのは存在しない。窓側なのを変更することはできない。
そんなことを考えてたら、次々に立ち上がってく。
これは物が投げられるまでの時間が残り少ないことを意味してる。
机の下に隠れるべきだろうか?
それでもノートやら教科書やら、筆箱やらは普通に通過してくる。机は縦は守れるが、横は空間。つまり貫通してくる。
いっそのこと立ち上がった人を無双して蹴散らすというのはどうだろうか。
座ってる椅子を持って、振り回していけば、効果はでかい。
ま、体力も握力もない私がそんなことできるわけないが。
そうこう考えてる内に、投げ合いが開始された。
この瞬間なら、移動はできるだろうと、窓側の一番うしろへと避難した。
不幸にも参加した仲間たちが次々と集まってく。
人壁が完成した。
よし、これで大丈夫だと思ってたら上から辞典が降ってきた。
避けれない。避けるスペースがない。
手でなんとかガードするも重いし、痛い。
絶対痣になってる!
これ以上は無理と、人壁の服もとい下着を引っ張り奪い取る。
なにしてくれてんのという威嚇をされたが、素手と布一枚じゃショックが違う。
あぁなんていうか生暖かいブラジャーはえっちだな!
こんなときじゃなければ、匂いを嗅いだり、舐めたりしたかったよ! どんびきだけどね!
両手左右に色違い大きさ違いのブラジャーを天に捧げて、ガードを固める。胸の形を保護するブラジャーは手と頭を守る下着にもなるのだ!
そうして十分が経過する頃には怒鳴りは散っており、はたして人壁もどく。
その際思いっきり、叩かれたね。仕方ないよね。ブラジャー取ったんだもの。周りに見られたんだもの。私だってそうすると思う。
泣き顔の人壁は廊下に向かって出ていった。
戦争は終わった。
残ったのはいい匂いだったなという下着の香り。そして発生する教師からの説教という理不尽な時間。私は悪くないのに、悪いことにされた。被害者なのに被害者なのに……。
「……はぁ」
ゆううつだ。
「……」
言葉があるから争いが起こる。
教室では怒鳴りが続いてる。
物が投げられるという事態には陥ってないが時間の問題だろう。
その前に教室から抜け出せればいいのだが、逃げようとすれば周囲から視線を受ける。そうなれば、怒鳴りはすぐに私のところにやってきて、行動を阻害する。
席が窓側ってのが余計に悪い。
せめて廊下側であれば、視線で停止することなく廊下へと走り抜けられたはずだ。
そう『はず』なわけで、確定じゃない。
「……」
もしならばというのは存在しない。窓側なのを変更することはできない。
そんなことを考えてたら、次々に立ち上がってく。
これは物が投げられるまでの時間が残り少ないことを意味してる。
机の下に隠れるべきだろうか?
それでもノートやら教科書やら、筆箱やらは普通に通過してくる。机は縦は守れるが、横は空間。つまり貫通してくる。
いっそのこと立ち上がった人を無双して蹴散らすというのはどうだろうか。
座ってる椅子を持って、振り回していけば、効果はでかい。
ま、体力も握力もない私がそんなことできるわけないが。
そうこう考えてる内に、投げ合いが開始された。
この瞬間なら、移動はできるだろうと、窓側の一番うしろへと避難した。
不幸にも参加した仲間たちが次々と集まってく。
人壁が完成した。
よし、これで大丈夫だと思ってたら上から辞典が降ってきた。
避けれない。避けるスペースがない。
手でなんとかガードするも重いし、痛い。
絶対痣になってる!
これ以上は無理と、人壁の服もとい下着を引っ張り奪い取る。
なにしてくれてんのという威嚇をされたが、素手と布一枚じゃショックが違う。
あぁなんていうか生暖かいブラジャーはえっちだな!
こんなときじゃなければ、匂いを嗅いだり、舐めたりしたかったよ! どんびきだけどね!
両手左右に色違い大きさ違いのブラジャーを天に捧げて、ガードを固める。胸の形を保護するブラジャーは手と頭を守る下着にもなるのだ!
そうして十分が経過する頃には怒鳴りは散っており、はたして人壁もどく。
その際思いっきり、叩かれたね。仕方ないよね。ブラジャー取ったんだもの。周りに見られたんだもの。私だってそうすると思う。
泣き顔の人壁は廊下に向かって出ていった。
戦争は終わった。
残ったのはいい匂いだったなという下着の香り。そして発生する教師からの説教という理不尽な時間。私は悪くないのに、悪いことにされた。被害者なのに被害者なのに……。
「……はぁ」
ゆううつだ。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
今更家族だなんて言われても
広川朔二
ライト文芸
父は母に皿を投げつけ、母は俺を邪魔者扱いし、祖父母は見て見ぬふりをした。
家族に愛された記憶など一つもない。
高校卒業と同時に家を出て、ようやく手に入れた静かな生活。
しかしある日、母の訃報と共に現れたのは、かつて俺を捨てた“父”だった――。
金を無心され、拒絶し、それでも迫ってくる血縁という鎖。
だが俺は、もう縛られない。
「家族を捨てたのは、そっちだろ」
穏やかな怒りが胸に満ちる、爽快で静かな断絶の物語。
ちゃんと忠告をしましたよ?
柚木ゆず
ファンタジー
ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私フィーナは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢アゼット様に呼び出されました。
「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」
アゼット様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は最愛の方に護っていただいているので、貴方様に悪意があると気付けるのですよ。
アゼット様。まだ間に合います。
今なら、引き返せますよ?
※現在体調の影響により、感想欄を一時的に閉じさせていただいております。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
英雄一家は国を去る【一話完結】
青緑 ネトロア
ファンタジー
婚約者との舞踏会中、火急の知らせにより領地へ帰り、3年かけて魔物大発生を収めたテレジア。3年振りに王都へ戻ったが、国の一大事から護った一家へ言い渡されたのは、テレジアの婚約破棄だった。
- - - - - - - - - - - - -
ただいま後日談の加筆を計画中です。
2025/06/22
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
夫から「用済み」と言われ追い出されましたけれども
神々廻
恋愛
2人でいつも通り朝食をとっていたら、「お前はもう用済みだ。門の前に最低限の荷物をまとめさせた。朝食をとったら出ていけ」
と言われてしまいました。夫とは恋愛結婚だと思っていたのですが違ったようです。
大人しく出ていきますが、後悔しないで下さいね。
文字数が少ないのでサクッと読めます。お気に入り登録、コメントください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる