帰宅したら、家族がいた

バブみ道日丿宮組

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お題:静かな冬休み 制限時間:30分

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「……ただいまぁ」
 家の鍵を開けてると、
「にゃー」
 黒猫が足元によってくる。お迎えしてくれてるのだろう。
「お、元気にしてた?」
 しゃがみ撫でる。
 愛くるしい声をだすと奥へ戻ってった。
 スーツケースのローラーを雑巾で拭くと、一緒に家の中に入る。
 親は買い物にでかけてるので、いない。
 ずりずりとスーツケースを進めて、居間に入る。
「おや?」
 黒猫が4匹いた。
 黒猫に奥さんができて、子どもができたというのは聞いてたけど、
「ちっちゃいな」
 近寄り一匹を持ち上げる。
 ペットボトル(500ml)よりも軽かった。
 母猫が足を引っ掻いてきたので、下ろすと見せかけてもう一匹を持ち上げる。やっぱりこちらも軽かった。母猫は諦めたのか、不機嫌そうな声を出してもう一匹の毛づくろいを手伝ってた。
 代わりに黒猫が足をぺろぺろとなめてきた。
 構って欲しいのかな。
 子猫を下ろし、黒猫を持ち上げる。こちらはだいぶ重たかった。
「成長したよね」
 拾ったときは本当に小さくて、すぐ死んでしまうんじゃないかと思った。
 それが今では父猫になった。
 考え深いものだ。
 私のいないがニ年間でもすくすくと育ったようだ。
「ご飯食べるよね?」
「「「「にゃー」」」」
 複数の鳴き声が混じった。
 どうやら全員がお腹を空かせてるようだ。
 早く帰ってきて正解だったかもしれない。
 台所に向かうと、母猫と父猫がついてくる。子猫はついてこなかった。ちょっと寂しい。
 餌は記憶のあるいつもの場所にあった。それを4つにわけて、二往復して居間に置く。
 待った待たないの言葉なしに、むしゃむしゃと4匹は食べ始める。その様子を見ながら、水の入ったお皿を持ってきて側に置く。
「ちゃんと水も飲むんだよ?」
「にゃー」
 反応は父猫だけだった。寂しい。他の猫はご飯のほうが私よりいいらしい。
 軽く撫でてから、部屋にいった。
 ニ年間帰ってきてなかったが、何も変化はなかった。
 あるとすれば、ものが少なくなったということかな。
 いらないものの処分を親に頼んでて、自分で見ることはなかったっていう有り様だが、とくに問題はなさそうだった。
 残ったのは洋服ダンスにベッド、PC用のデスクとイスと、姿見。大きなものはそれくらしか残ってない。
 昔は本棚があって、床に散らかるほど本があった。
 それが今はない。処分してもらったのだから当たり前か。
「……うーん」
 レイアウトをちょっと変えてみるべきかもしれない。
 なんていうか適当に置きましたという感じがすごくする。
 まぁ……今はとりあえず着替えようとスーツケースを開き、部屋着を取り出す。
 着替えて、居間に戻る。
 子猫たちはまだご飯を食べてて、親猫たちは寝そべってた。
「すぐに横になったら豚になるんだぞ」
 お腹をつつくと、やめないかと猫パンチ。それでやめるなら警察はいらないと、くりくり。
 犬歯をたてられて、威嚇されたからさすがに中止。
 噛まれたくはない。
 甘噛み程度ならいいが、本気の噛みは痛すぎる。
 冬休みの間に子猫とも親睦を深めたいところだが、はたしてどうだろうか。
 居間のソファーに寝転ぶと、4匹が登ってきた。
「温かいからかな」
 お腹の上に子猫が二匹。足元に父猫と母猫。
 子どもに譲ったのかな。昔は父猫がよくお腹の上に乗って、動けなくなったものだ。
 子猫は軽いのでそんなことにはならない。
 撫で付けながら、横たわると凄く眠気が……襲ってくる。
 やることもないし、今はゆっくりしてしまおうかとか考えてるうちに私は眠りについてしまった。

 それから数十分後、父猫による顔面強襲によって深い眠りから目覚めた。
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