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最終章 最後の戦い
集う仲間たち
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刀根神社では聖菜が法元の霊気をビリビリと感じていた。
「お爺ちゃん、これほど巨大で巨悪な霊気を放つ人間がいるの?」
聖菜の祖父、太蔵もこれが狭間法元だとわかっている。
「十五年前に美里の命の奪った狭間法元だろう。美里の結界の効力が切れて復活してしまったのだ」
「お母さんの仇。。」
聖菜は拳を握りしめて立ち上がる。
「お爺ちゃん。私、行ってくる。狭間法元を倒してお母さんの仇を討つ」
太蔵は少しの間何も言わずに聖菜をじっと見つめていた。
可愛い孫だ。出来れば行かせなくない。
だが、こちらが行かなくても相手は確実に聖菜を見つけて命を奪いにくるだろう。
結局は誰かがやらなくてはならないのだ。
「聖菜、このおいぼれでは行ったところで役に立たないだろう。心苦しいが、ここはお前に託す。美里の仇打ちをして十五年に及ぶ戦いを終わらせてくれ」
太蔵はそう言うと聖菜に手を出すように促す。
聖菜の手を握ると己の持つ霊力を聖菜に向けて放出した。
「お爺ちゃん? 何をしているの?」
聖菜は自分の体が熱くなるような力が湧いてくるような不思議な感覚に驚いた。
「わしの霊力をお前に分けた。何が目覚めかはわからないが、お前の眠っている才能が開花するだろう」
「お爺ちゃん、ありがとう。必ず戻ってくるからここで待っていて。那由、行こう」
聖菜はそう言うと式神猫の那由多と共にハザマ真理教本部へと向かった。
☆☆☆
千葉県南町。
ハザマ真理教本部となるビルの前に雪乃たちは到着していた。
ビル全体から漂う異様なまでの霊力。
十五年前の悪夢が蘇ってくる。
そこにかつての美里によく似た人物がこちらに向かって歩いてくるのが見えた。
雪乃と凛はそれが美里の娘、聖菜だとわかった。
真美は二年ぶりの再会となる。
聖菜は真美の姿を確認するとすぐさま声をかけてお辞儀をする。
「真美さん、お久しぶりです」
「二年ぶりね。あれからまた経験を積んだようで随分とたくましくなった。にしてもその格好は?」
真美は自分と同じようにスーツ姿の聖菜を見て驚いた。
「真美さんがとても格好良かったから真美さんの服装を真似させてもらったの。スーツを着ると確かに気持ちは引き締まるし見た目も格好良いですね」
「そうだったのか。私は単に普段は警備会社の警備員だからスーツを着ているだけで、特に格好とか気にした事無かったからそう言ってもらえて嬉しい。
聖菜、紹介するわ。こちらが私の上司である藤村雪乃。それと友人の宗像凛。二人とも十五年前に美里さんと共に戦った仲間よ」
真美の紹介が終わると雪乃はすぐに聖菜の前に立って申し訳なさげに挨拶をする。
「聖菜さん、私は藤村雪乃と言います。十五年前にあなたのお母様、刀祢美里さんと共に狭間法元と戦った一人です。その時、美里さんを助けられずに申し訳ございませんでした」
深々と頭を下げる雪乃に聖菜は言葉を詰まらせる。
「あの。。雪乃さんとおっしゃいましたね。顔を上げて下さい。母は己の役目に殉じていったのです。私は誰のせいにもするつもりはありません。私が憎むべきは狭間法元ただ一人です」
「ありがとうございます。そう言って頂いて少し胸のつかえが取れました。その罪滅ぼしになど到底なりませんが、私たちは聖菜さんと共に戦います」
「母と戦った人たちが私に力を貸してくれる事に感謝しています。まだまだ母には及ばないと思いますが、どうぞよろしくお願いします」
凛はもじもじとしていた。
雪乃が言いたい事をほとんど言ってくれたので、自己紹介以外に言う言葉が見つからなかったのだ。
「宗像凛と申します。よろしくお願いします」
それだけ言うと頭を下げてさっさと雪乃の後ろへ引っ込んでしまった。
「お姉様」
突然聞いた事のある声に雪乃が振り向くと、妹である藤村桐子が立っていた。
「桐子か。姉妹なのに久しぶりに再会するとは。私も家を空けてばかりいるからな」
「お姉様、この巨大な気。。そして聖菜の周りに集まったこの方たち。お姉様は何か知っているのですね」
桐子の問いに雪乃はこれまでの経緯を説明する。
聞いているうちに桐子の表情がみるみる強張っていくのが聖菜にもわかった。
「そんな事が。。それで聖菜の元にみんな集まっていると言うわけね」
もう一人、桐子と一緒に来たのは西巻明日香。
いずれもかつて聖菜が戦った相手であった。
「桐子、明日香。その剣は?」
聖菜が問いかける。
藤村桐子と西巻明日香はともに剣を持っていた。
「これは藤村家にあったものを持って来たんだけど、お姉様わかりますか?」
桐子は家にあった剣を適当に持って来たようで、その剣が何なのかわからず雪乃に確認する。
「翠玉剣(すいぎょくけん)。緑色に輝く事からそう名付けられたそうだ。まだ幼少の頃、我が家に二振りあった剣のうちどちらを所有するかで私が両方を持ってみた時に、霧氷剣が青く光ったので翠玉剣はそのまま保管して私はこの剣にしたのだ」
「そうだったのですね。それで残るこの剣が私の所有に」
西巻明日香はそれを聞いて不思議な感覚であった。
「我が家にも何か武器のようなものがないか蔵の中を探してみたらこれがあったんです。刀なら丁度いいと思って持ってきたのですが」
明日香が剣をさやから少し抜くと刀剣が白い輝きを見せる。
今度は凛がそれを見て説明する。
「これはおそらく白鵬丸(はくほうまる)。ボクの持つ雷神丸と兄弟剣だ。この剣を所有しているのはうちと同じ代々霊媒師の家柄だと思っていた」
「実は西巻家も私のお爺ちゃんの代までは霊媒師の家柄だったそうです。お父さんにはその能力がなくてお父さんの代で霊媒師は廃業したのですが、この剣はそれ以来蔵の中で保管されていたそうなんです」
「そうだったのか」
そんな話をしている時にさらにもう一人、いや三人が現れた。
「皆様、お揃いのようですわね」
恨み晴らし屋、神宮寺稀である。
「神宮寺稀? どうして君がここに?」
雪乃は神宮寺稀を知っていた。
新屋敷水菜の一件で出会っていたからだ。
聖菜も「和花(のどか)」と声をかけようとしたが、先に雪乃が声をかけたので黙っていた。
「わたくしは聖菜さんの親友です。何があっても駆けつけるのは当然ですわ」
稀の持つ紫式部も七星剣の一つである。
稀の後ろにつく双子の姉妹らしい二人に聖菜が目をやると、それに気がついた稀が二人を紹介する。
「ここにいる二人は双子姉妹で瑠奈と莉乃と言います。私の助手を務めてくれていますが、戦いとなれば頼もしい味方になりますわ」
「瑠奈です。皆様、よろしくお願いします」
「莉乃です。少し背が低い方が妹だと見分けて下さい」
莉乃のわかりやすい説明にみんながくすっと笑う。
全員を代表して雪乃が二人に言葉をかける。
「こちらこそよろしく。仲間は多ければ多いほどいい。ただし法元は強大だ。熾烈な戦いになる事は覚悟しておいて欲しい」
「わかっています」
「私たちは稀様をお守りするために命を捨てる覚悟です」
黒澤真美はこの双子が少し前に神山邦夫に洗脳される直前に出会った姉妹である事に気がつく。
「あなたたち、神山邦夫に会って無事だったのね」
「黒澤真美さん。。でしたよね。あの時はお世話になりました」
瑠奈がお辞儀をすると真美は神宮寺稀を見てそういう事かと納得した。
「もしかして神山邦夫を倒したのは神宮寺稀さんなの? 二人はそれで助かったという事だったのかしら?」
「お恥ずかしい限りですが、真美さんの言う通りです。稀様のおかげで私たちは神山邦夫の洗脳から解かれました」
「あら、三人は知り合いでしたのね。世の中広いようで狭いですわね」
稀の言葉に瑠奈莉乃姉妹と真美から笑みが溢れる。
こんな感じでそれぞれが出会いの挨拶を終えると黒澤真美が雪乃に話しかける。
「雪乃様、これで七星剣のうちの赤、青、緑、黄、白、紫の六本が揃いました。残るは橙だけです」
「これは幸先がいい。すべてが揃わなくても六本あれば十分に法元と対抗できると思う。いよいよ最終決戦だな。さあ、みんな覚悟はいいな。乗り込むぞ」
雪乃の言葉に聖菜をはじめとする全員がうなづき、決意と覚悟を決めた神妙な面持ちでハザマ真理教本部ビルを見上げる。
そしてひと呼吸おいて聖菜が一歩前に足を踏み出すと他の仲間たちも次々に一歩踏み出す。
聖菜、稀、雪乃、凛、真美、桐子、明日香、そして瑠奈と莉乃。
九人の仲間たちが法元との決着を付けるためにハザマ真理教本部ビル内へと乗り込んだ。
「お爺ちゃん、これほど巨大で巨悪な霊気を放つ人間がいるの?」
聖菜の祖父、太蔵もこれが狭間法元だとわかっている。
「十五年前に美里の命の奪った狭間法元だろう。美里の結界の効力が切れて復活してしまったのだ」
「お母さんの仇。。」
聖菜は拳を握りしめて立ち上がる。
「お爺ちゃん。私、行ってくる。狭間法元を倒してお母さんの仇を討つ」
太蔵は少しの間何も言わずに聖菜をじっと見つめていた。
可愛い孫だ。出来れば行かせなくない。
だが、こちらが行かなくても相手は確実に聖菜を見つけて命を奪いにくるだろう。
結局は誰かがやらなくてはならないのだ。
「聖菜、このおいぼれでは行ったところで役に立たないだろう。心苦しいが、ここはお前に託す。美里の仇打ちをして十五年に及ぶ戦いを終わらせてくれ」
太蔵はそう言うと聖菜に手を出すように促す。
聖菜の手を握ると己の持つ霊力を聖菜に向けて放出した。
「お爺ちゃん? 何をしているの?」
聖菜は自分の体が熱くなるような力が湧いてくるような不思議な感覚に驚いた。
「わしの霊力をお前に分けた。何が目覚めかはわからないが、お前の眠っている才能が開花するだろう」
「お爺ちゃん、ありがとう。必ず戻ってくるからここで待っていて。那由、行こう」
聖菜はそう言うと式神猫の那由多と共にハザマ真理教本部へと向かった。
☆☆☆
千葉県南町。
ハザマ真理教本部となるビルの前に雪乃たちは到着していた。
ビル全体から漂う異様なまでの霊力。
十五年前の悪夢が蘇ってくる。
そこにかつての美里によく似た人物がこちらに向かって歩いてくるのが見えた。
雪乃と凛はそれが美里の娘、聖菜だとわかった。
真美は二年ぶりの再会となる。
聖菜は真美の姿を確認するとすぐさま声をかけてお辞儀をする。
「真美さん、お久しぶりです」
「二年ぶりね。あれからまた経験を積んだようで随分とたくましくなった。にしてもその格好は?」
真美は自分と同じようにスーツ姿の聖菜を見て驚いた。
「真美さんがとても格好良かったから真美さんの服装を真似させてもらったの。スーツを着ると確かに気持ちは引き締まるし見た目も格好良いですね」
「そうだったのか。私は単に普段は警備会社の警備員だからスーツを着ているだけで、特に格好とか気にした事無かったからそう言ってもらえて嬉しい。
聖菜、紹介するわ。こちらが私の上司である藤村雪乃。それと友人の宗像凛。二人とも十五年前に美里さんと共に戦った仲間よ」
真美の紹介が終わると雪乃はすぐに聖菜の前に立って申し訳なさげに挨拶をする。
「聖菜さん、私は藤村雪乃と言います。十五年前にあなたのお母様、刀祢美里さんと共に狭間法元と戦った一人です。その時、美里さんを助けられずに申し訳ございませんでした」
深々と頭を下げる雪乃に聖菜は言葉を詰まらせる。
「あの。。雪乃さんとおっしゃいましたね。顔を上げて下さい。母は己の役目に殉じていったのです。私は誰のせいにもするつもりはありません。私が憎むべきは狭間法元ただ一人です」
「ありがとうございます。そう言って頂いて少し胸のつかえが取れました。その罪滅ぼしになど到底なりませんが、私たちは聖菜さんと共に戦います」
「母と戦った人たちが私に力を貸してくれる事に感謝しています。まだまだ母には及ばないと思いますが、どうぞよろしくお願いします」
凛はもじもじとしていた。
雪乃が言いたい事をほとんど言ってくれたので、自己紹介以外に言う言葉が見つからなかったのだ。
「宗像凛と申します。よろしくお願いします」
それだけ言うと頭を下げてさっさと雪乃の後ろへ引っ込んでしまった。
「お姉様」
突然聞いた事のある声に雪乃が振り向くと、妹である藤村桐子が立っていた。
「桐子か。姉妹なのに久しぶりに再会するとは。私も家を空けてばかりいるからな」
「お姉様、この巨大な気。。そして聖菜の周りに集まったこの方たち。お姉様は何か知っているのですね」
桐子の問いに雪乃はこれまでの経緯を説明する。
聞いているうちに桐子の表情がみるみる強張っていくのが聖菜にもわかった。
「そんな事が。。それで聖菜の元にみんな集まっていると言うわけね」
もう一人、桐子と一緒に来たのは西巻明日香。
いずれもかつて聖菜が戦った相手であった。
「桐子、明日香。その剣は?」
聖菜が問いかける。
藤村桐子と西巻明日香はともに剣を持っていた。
「これは藤村家にあったものを持って来たんだけど、お姉様わかりますか?」
桐子は家にあった剣を適当に持って来たようで、その剣が何なのかわからず雪乃に確認する。
「翠玉剣(すいぎょくけん)。緑色に輝く事からそう名付けられたそうだ。まだ幼少の頃、我が家に二振りあった剣のうちどちらを所有するかで私が両方を持ってみた時に、霧氷剣が青く光ったので翠玉剣はそのまま保管して私はこの剣にしたのだ」
「そうだったのですね。それで残るこの剣が私の所有に」
西巻明日香はそれを聞いて不思議な感覚であった。
「我が家にも何か武器のようなものがないか蔵の中を探してみたらこれがあったんです。刀なら丁度いいと思って持ってきたのですが」
明日香が剣をさやから少し抜くと刀剣が白い輝きを見せる。
今度は凛がそれを見て説明する。
「これはおそらく白鵬丸(はくほうまる)。ボクの持つ雷神丸と兄弟剣だ。この剣を所有しているのはうちと同じ代々霊媒師の家柄だと思っていた」
「実は西巻家も私のお爺ちゃんの代までは霊媒師の家柄だったそうです。お父さんにはその能力がなくてお父さんの代で霊媒師は廃業したのですが、この剣はそれ以来蔵の中で保管されていたそうなんです」
「そうだったのか」
そんな話をしている時にさらにもう一人、いや三人が現れた。
「皆様、お揃いのようですわね」
恨み晴らし屋、神宮寺稀である。
「神宮寺稀? どうして君がここに?」
雪乃は神宮寺稀を知っていた。
新屋敷水菜の一件で出会っていたからだ。
聖菜も「和花(のどか)」と声をかけようとしたが、先に雪乃が声をかけたので黙っていた。
「わたくしは聖菜さんの親友です。何があっても駆けつけるのは当然ですわ」
稀の持つ紫式部も七星剣の一つである。
稀の後ろにつく双子の姉妹らしい二人に聖菜が目をやると、それに気がついた稀が二人を紹介する。
「ここにいる二人は双子姉妹で瑠奈と莉乃と言います。私の助手を務めてくれていますが、戦いとなれば頼もしい味方になりますわ」
「瑠奈です。皆様、よろしくお願いします」
「莉乃です。少し背が低い方が妹だと見分けて下さい」
莉乃のわかりやすい説明にみんながくすっと笑う。
全員を代表して雪乃が二人に言葉をかける。
「こちらこそよろしく。仲間は多ければ多いほどいい。ただし法元は強大だ。熾烈な戦いになる事は覚悟しておいて欲しい」
「わかっています」
「私たちは稀様をお守りするために命を捨てる覚悟です」
黒澤真美はこの双子が少し前に神山邦夫に洗脳される直前に出会った姉妹である事に気がつく。
「あなたたち、神山邦夫に会って無事だったのね」
「黒澤真美さん。。でしたよね。あの時はお世話になりました」
瑠奈がお辞儀をすると真美は神宮寺稀を見てそういう事かと納得した。
「もしかして神山邦夫を倒したのは神宮寺稀さんなの? 二人はそれで助かったという事だったのかしら?」
「お恥ずかしい限りですが、真美さんの言う通りです。稀様のおかげで私たちは神山邦夫の洗脳から解かれました」
「あら、三人は知り合いでしたのね。世の中広いようで狭いですわね」
稀の言葉に瑠奈莉乃姉妹と真美から笑みが溢れる。
こんな感じでそれぞれが出会いの挨拶を終えると黒澤真美が雪乃に話しかける。
「雪乃様、これで七星剣のうちの赤、青、緑、黄、白、紫の六本が揃いました。残るは橙だけです」
「これは幸先がいい。すべてが揃わなくても六本あれば十分に法元と対抗できると思う。いよいよ最終決戦だな。さあ、みんな覚悟はいいな。乗り込むぞ」
雪乃の言葉に聖菜をはじめとする全員がうなづき、決意と覚悟を決めた神妙な面持ちでハザマ真理教本部ビルを見上げる。
そしてひと呼吸おいて聖菜が一歩前に足を踏み出すと他の仲間たちも次々に一歩踏み出す。
聖菜、稀、雪乃、凛、真美、桐子、明日香、そして瑠奈と莉乃。
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