託されたソウルキャリア

のぞ

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「みんな、守れなくてごめんね、、、」

真夏は泣きながらそう言った。

「私はね、昔冒険者だったの。その時の仲間がみんなを連れてきた弧太郎さんだったり、天さんなの。みんなの盾役として戦ってたんだけど、大きな戦いで仲間を守れなくて引退してたの。」

龍丸たち4人は真剣な顔で話を聞いていた。

「わたしが使った力、天器は別名ソウルキャリア、魂の武器と呼ばれていて、その人の心を形にしたものなの。誰もが生まれた時から持っていて、成長するに連れて形作られていき、10歳を過ぎた頃に一部の人は使えるようになるわ。でも、今回のりゅうちゃんのはまた別物。本人は分かっていると思うけどね。本来なら目の前に精霊が現れて、契約し、発現するもので、私の場合はバウがその精霊なの。力を使わなくなったことで今はただのワンちゃんになっちゃったけどね。」

「バウって精霊だったのか、、、」

仁たち3人は驚いていた。

「そんなことよりも、僕の方が謝らないといけないんです。」

龍丸はポツリと喋り始めた。

「僕は、おじいちゃんが死んでから変な夢を見るようになったんです。仁に綺麗な場所に連れていってもらったのも夢で見てたし、今回のことも知っていたんです。」

その言葉に、真夏以外の3人は驚きいた。

「僕の夢の中では、まだまだ先のことで、それまでにみんなを守れるように、強くなれるように頑張ってきたけど結局間に合わなくって、真夏さんもやられかけたし、人の腕も無くなってしまった。全部僕が悪いんです。本当にごめんなさい。」

仁はゆっくりと龍丸と向かい合った。

「龍くんも生きてて、僕も生きてる。それだけでいいじゃないか!なによりも、龍くんが居なかったら、僕ら全員死んでたんだよ?全部、龍くんのおかげさ!ありがとう。」

仁太の言葉に龍丸は泣き出してしまった。

「僕も強くなりたいから、一緒に修行させてよ!」

「私も!」

「おれも、、、」

3人の申し出に龍丸は頷いた。

「危険なことはダメよ?」

真夏はそんな4人の姿を見て泣きそうになっていた。
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