ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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天空大陸~終わりの始まり

地獄の入口

~地上~



『『『バシィンッ!』』』(破壊された空間が閉じる)



~地獄の入口・死者選別の階層~


『『『バシィンッ!』』』

【ぬがっ!?何…だここ!?
一体何処に連れてきたんだ!?】


魔神と共にヒビの中に突入したノアは周辺状況の変貌に困惑を極める。

何せノアの視界では一面真っ暗で、自身の上に魔神が馬乗りになっている様にしか見えないからである。


【取り敢えず…退けっ!】

ドカッ!

【あら。(魔神)】

【くそっ!‹夜目›が効かない、何も見えない!ここは何処なんだ!】

【ふぅん…何も見えないか…やっぱり"キレイ過ぎる"わね坊やは。上の連中が気に入る訳ね♪】

【質問に答えろ!】


未だ馬乗り状態の所から足を差し込んで蹴りを入れ、魔神と距離を取る事には成功。
ずっと訳の分からない事を言われているので苛立ちが目立つ。


【ここ?ここは海より深く、マグマの海と分厚い岩盤層の遥か下の"地獄の窯の上"。
普通は死者しか来ない特別な場所よ♪(魔神)】

【…は?
ってか、グリード?『鬼神』?何処に居る?反応が無いんだが!?】

【見た所"内在系"っぽいからまだ体に戻ってきてないのね。
地上とはすンごく離れてるからね、ここ。(魔神)】


地獄と言われ思考停止する中、中と下からいつも感じていた気配が存在していない事に気付き、周囲の反応を探る。

だが地上から数十ケメル単位で離れている為、グリードの気配は届かず、100メル制限のある分離した『鬼神』がノアの体に戻るにはもう暫くの時間が掛かる事だろう。


【にしても【魔王】ちゃんが言っていた要注意人物にこーんなに早く出会えるとは思わなかったわ♪(魔神)】


【っ!?何だお前【魔王】の仲間なのか!?】


【仲間って訳じゃないわよ、お互い利用して利用されるWin-Winな関係♪
私達が地上に進出するのはあっちにとっても利にしか繋がらないみたいなの。(魔神)】


【【魔王】はまだしもお前は外で何を…】


【もうちょっと話していたい所だけど、"新入り"の教育があるから戻らなきゃならないのよ。悪いわねぇ。(魔神)】


魔神が【魔王】と知り合いである事が判明し、情報を聞き出したい所ではあるのだが、それを区切ってこの場を離れる事を告げてくる魔神。

連れてきた張本人がこの場を離れてしまっては堪ったものではないので


【だったら元の場所に戻せ。】


【それは無理ね。
坊やは【魔王】にとって最大の障壁と認識されてるからタダで返す訳にはいかないわ。(魔神)】


【なら力尽くでそうさせるまでだ。】


【それは無理ね、何せここは私の領域。
指パッチン1回で"生者を地獄の窯の中"に放り込む事すら出来るんだから♪(魔神)】

『『『パチンッ!』』』


端から交渉など無理だとは思いつつも地上へ帰すよう要求を出すが、魔神からの返事は指パッチン1つのみであった。



~地獄の窯内部・『魔界の住人レジデント・デーモン』の巣窟~


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【うっ!?】


魔神が指を弾いた直後、何も見えない真っ暗な空間がガラリと切り替わり、全方位がマグマの様な赤熱した赤に染まった広大な空間へと放り出された。

天井や壁は赤や黒い何かで形成され、まるで血液で作られたと言っても信じてしまう事だろう。

それと同時にノアの‹気配感知›内に夥しい反応が表示され、自分を中心とした全方位が真っ赤に染まった。

だがノアが狼狽えたのはそこでは無い。

足場が無くなり、底も見えない程の高さの宙空に投げ出されてしまったからである。


『『『ゴォッ!』』』(落下)

【うぉっ!?


【この高さだけど坊やなら生き残れるでしょ。"新入り"と違って潜ってきた修羅場と場数が違うのだからね。(魔神)】


ォオオオオオオオオオッ!】


【あら?(魔神)】


魔神は宙に浮いた状態で自由落下を開始したノアを眺め微笑む。
踵を返し、この場を離れようとするも、ノアの叫び声が聞こえ立ち止まる。



『『『バキュゥウウッ!』』』

【待てぇェエッ!】


【あーら活きが良くて良いわねぇ坊や、活きが良いのは私大好きよぉ♪
でも活きの良い生者が大好きな連中がここにはた~くさん居るのよ?(魔神)】


ギュォオオオッ!ガァアアアッ!グワァアアッ!

【何っ!?】

ギャギギッ!『ビタンッ!』ガァアッ!『ビタンッ!』ゲァアアッ!『ビタンッ!』グルルルッ!


龍装状態のノアが風切り音と共に大跳躍し、宙空の魔神に迫る。

が、ノアの‹気配感知›を埋め尽くす程の赤点が全方位から飛来。
それら全てが地上でも襲ってきた異形達であった。

周囲に広がる赤熱した赤い何かで形成された"何か"とは全て異形の事で、よく見ればそれら全ては細かく蠢いており、幾重にも重なっている事が窺える。

それらが次から次へと飛翔する龍装状態のノアへと飛び掛かって来るのだ。
肩や足、長い尻尾や顔面にまで引っ付いてくる。

それによって凄まじい速度で魔神に迫っていたノアは一気に減速していった。


【邪…魔ダァアッ!】

『『『ギュルルルルッ!』』』(高速回転)

『『『ズダダダダダッ!』』』(異形達を足場に跳躍)

【シッ!】

ギュンッ!(長い尻尾を槍の様に伸ばす)


アギャギャッ!『ビタンッ!』ガァアッ!『ビタンッ!』ゲァアアッ!『ビタンッ!』グルルルッ!


【ちっくしょうめっ!】


纏わり付いた異形を引き剥がす為その場で高速回転して剥がし、瞬間的に出来た異形の足場を駆け登り、高速の尻尾槍を繰り出すも次々にやって来る異形が尻尾にまで張り付き魔神までは届かない。


【あらあら、引く手数多で暇にはならなそうね♪
上手く捌き続ければ何処かの"出口"から出られると思うわ、頑張ってね。チャオ♪(魔神)】


【テッメェッ…!
地上に戻ったら真っ先に殺してやるから首洗って待ってやがれぇっ!】


【うふふ、待ってるわね♪(魔神)】

『『『ヒュンッ!』』』(光の軌跡を残して何処かへ転移)


余裕の笑みを浮かべる魔神は怒気を孕んだノアの言葉にも笑みを持って返し、そのまま何処かへと転移してしまうのだった。
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