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旅立ち~オードゥス出立まで
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「え!?ノア君、ロゼとパーティを組むだって!?
で、でもノア君、協力や連携したら…その…【適正】が…」
「ええ、勿論【ソロ】の力は一時的に無くなって素のステータスで戦う事になります。
なので僕がある程度ダメージを入れますので止めをロゼさんにお願いするという形で行こうかと。」
ノアが先制攻撃をする形を取れば一応【ソロ】の恩恵が解除される事は無い。
そう言った説明をした事でジェイルとロゼも一先ず納得してくれた。
「じゃあ少しの間パーティとしてよろしく。」
「おー、よろよろ。」
「何でしたっけ、猛毒大蛇の皮で防具作るんでしたっけ?」
「そーそー、薄くて軽いんだけど防御力に優れてるし受け流し効果もあるんだって。
ただ体のラインが出る仕上がりらしいから少し恥ずかしーかな。」
(へー、猛毒大蛇の素材でそんな装備が作れるのか…)
「もし恥ずかしいなら普段はマントとか羽織ってると良いですよ。
動きを阻害しない程度のマントとか売ってますから。」
「マントかーその手があったか。その案貰うよー。」
ノアの案を採用したロゼだが、普段隠してる分余計イヤらしくなったと文句を言われるのはこの数日後の事だった。
「おー見えてきた、見えてきた。」
数分程話していると下層2階への入口が見えてきた。
1階までの道のりに比べればそれほど時間は掛からなかったが、それでもそれなりに距離はあった。
「それじゃあ確認だけど、猛毒大蛇を発見したらロゼさんと組んで討伐します。
それ以外は通常通りで行きます、これで良いですね?」
ノアの言葉に頷く4人。
「早速で悪いけど入口入って左に曲がった所で未確認の反応があります。
何だろうこれ、結構大きいな…ちょっと先行って確認してきます。」
そう言って駆け出すノアは<忍び足>を発動して入口まで行くと顔をひょっこりと出して左側を確認する。
「…おおぅ…」
ノアの目線の先にはダンジョンの壁に寄り掛かってふごふごと眠る巨大な猪がいた為、入口手前にいる4人に待機する様に手で合図を送る。
猪は寝そべっている状態でもノアの背丈の2倍はあり、体毛は脂で固まり、1本1本が針金の様になっている。
口元には短刀程の牙が生えており、他のモンスターの返り血で赤黒く染まっている。
ノアは腰の阿羅亀噛を抜くとダンジョンの壁に走らせ、不快な音を出す。
ギャリィン! フゴッ!?
音で目覚めた猪はノアを視認すると直ぐに立ち上がり、鳴き声を上げて威嚇する。
眼は血走り、足元の地面をガリガリと掻き突進の体勢に入る。
フゴォアアアアアアアアアアアアアアッ!
「いやいや…沸点低すぎでしょ…」
ズゴァッ! ゴァアアアアアアッ!
地面が捲れ上がる程の勢いで突進を仕掛けた猪はノア目掛け突き進む。
ノアは大きく横に転がり、すれ違い様<渾身>を発動し、脚を目掛けて阿羅亀噛を振る。
ゴゴギゴゴギギギィン! 「硬ってぇ!?」
皮が硬いのは勿論の事、針金の様な体毛と脂によって刃が通らない。
直ぐに背後を振り返ると木を薙ぎ倒しながら旋回しようとする猪。
ノアはその場で回転し、<集中><渾身><投擲術>の阿羅亀噛ぶん投げ三点セットを発動して猪の首元に投擲。
ドズン! グゴアアアアアアアアアッ!
見事首元に命中するも、剣の3分の1程しか刺さらなかった。
(くっ…皮も硬いが中も固いか…長期戦は不利だな…)
そう考えたノアは素早く猪に接近し刺さった剣に向け跳躍、滞空している間に【鎧袖一贖】を発動。
凄まじい蹴りを阿羅亀噛の柄に繰り出し根本まで突き刺す。
ゾブッ! グボゴァアアアアアアアッ!
血混じりの咆哮を上げる猪の側面に降り立ったノアは、高々と片足を上げると踵落としの要領で突き刺さった剣の柄に振り下ろす。
突き刺さった剣は、凄まじい威力の踏み付けを受け、喉の肉を大きく裂かれ、喉元から夥しい量の血液が噴き出す。
それでも猪は大きく顔を振ってノアを引き剥がし、ふらつきながらもノアに向け突進を仕掛ける。
対するノアは猪の真正面に立ち拳を構え
ガゴンッ! ブゴァッ!?ドシャァァッ!
猪の横っ面をぶん殴り、倒れ込んだ猪はそのまま起き上がって来る事は無かった。
「はぁ…はぁ…」
【鎧袖一贖】を解除したノアは膝に手を当て肩で息をしていた。
発動したのは1分程とはいえ反動はそれなりに来るものがあるらしい。
「いやー…流石にゴリ押しだけじゃ厳しくなってきたな…」
ノアがポツリと愚痴ているとジェイル達がやって来た。
「こりゃまた大きい…こいつが『暴走猪』か…
ところでノア君、大丈夫かい?」
「あぁ、気にしないで下さい【固有スキル】使った反動です。
もうそろそろで解除されるのでご心…おい嘘だろ…」
「どうしたんだいノア君?」
「別の『暴走猪』がこちらに向かって来ています。恐らく先程の咆哮を聞き付けてやって来たのでしょう。」
「そうか、分かった。
ロゼ、ポーラ、クロラ討伐しに向かうぞ。
ノア君、他にモンスターの反応はあるか?」
「いや、他には…無い。
が、気を付けてくれ、奴の体は硬い上に突進力も半端じゃない。」
「分かってる、君が【固有スキル】使って短期決戦しなきゃいけない様な相手だ、嘗めて掛かったりはしないよ。」
そう言うとジェイルはロゼ、ポーラ、クロラの3人を集め、指示を出す。
「ロゼ、俺が始めに"アレ"を叩き込む、止められはしないだろうが、狙える時に"アレ"を打ち込んでくれ。」
「らじゃー。」
「クロラは口内、眼等の肉質が柔らかい所を狙って矢を射ってくれ。」
「ら、らじゃー。」
「ポーラ、奴の体に出来た傷にエグいのを叩き込んでやれ。」
「らじゃー!」
「その掛け声何なの?」
「最近彼女らの中で流行ってるらしい。」
作戦を伝え終わると各々行動に移す。
ジェイルは盾を手に取り<挑発>を放つ体勢に入る。
ポーラは皆に支援魔法を放つ。
「防御、強化魔法掛けるわよ!
<守り手><身体強化><盾強化付与><剣強化付与>
あと新しく覚えた<氷の加護>」
<氷の加護>…対象の体表に半透明の氷の膜を発生させ、1回だけ大ダメージを肩代わりする。
※再詠唱10分
ポーラは支援魔法を放ち終えるとジェイルから少し離れた位置にロゼと共に立つ。
クロラは樹上に上がり木の陰に隠れ待機。
少しすると『暴走猪』を視界に捉える。
ジェイルは離れ過ぎていると突進を繰り出されると感じ、ゆっくりと接近。
『暴走猪』は前に立ちはだかったジェイルに鼻を鳴らすと軽く威嚇。
ジェイルが剣を取り出し<挑発>を発動、剣で盾を叩き『暴走猪』にとっての不快音を放つ。
フゴォアアアアアアアアアアアアアアッ!
『暴走猪』…突進力だけで言えば下層で1、2を争う非常に気性が荒いモンスター。
ちょっとの事でも怒り狂い、どちらかが死ぬまで戦い続ける。
知能は普通の猪程度しかないが攻撃力、防御力共に高くまともに受けると只では済まない。
『暴走猪』が持つ【猪突猛進】のスキルにより突進中は防御力が上がり、体表が硬質化する。
一気に沸点まで達した『暴走猪』は地面をガリガリと掻き、突進の予兆を出す。
ジェイルは突進を繰り出される前に自分の【固有技】を発動した。
で、でもノア君、協力や連携したら…その…【適正】が…」
「ええ、勿論【ソロ】の力は一時的に無くなって素のステータスで戦う事になります。
なので僕がある程度ダメージを入れますので止めをロゼさんにお願いするという形で行こうかと。」
ノアが先制攻撃をする形を取れば一応【ソロ】の恩恵が解除される事は無い。
そう言った説明をした事でジェイルとロゼも一先ず納得してくれた。
「じゃあ少しの間パーティとしてよろしく。」
「おー、よろよろ。」
「何でしたっけ、猛毒大蛇の皮で防具作るんでしたっけ?」
「そーそー、薄くて軽いんだけど防御力に優れてるし受け流し効果もあるんだって。
ただ体のラインが出る仕上がりらしいから少し恥ずかしーかな。」
(へー、猛毒大蛇の素材でそんな装備が作れるのか…)
「もし恥ずかしいなら普段はマントとか羽織ってると良いですよ。
動きを阻害しない程度のマントとか売ってますから。」
「マントかーその手があったか。その案貰うよー。」
ノアの案を採用したロゼだが、普段隠してる分余計イヤらしくなったと文句を言われるのはこの数日後の事だった。
「おー見えてきた、見えてきた。」
数分程話していると下層2階への入口が見えてきた。
1階までの道のりに比べればそれほど時間は掛からなかったが、それでもそれなりに距離はあった。
「それじゃあ確認だけど、猛毒大蛇を発見したらロゼさんと組んで討伐します。
それ以外は通常通りで行きます、これで良いですね?」
ノアの言葉に頷く4人。
「早速で悪いけど入口入って左に曲がった所で未確認の反応があります。
何だろうこれ、結構大きいな…ちょっと先行って確認してきます。」
そう言って駆け出すノアは<忍び足>を発動して入口まで行くと顔をひょっこりと出して左側を確認する。
「…おおぅ…」
ノアの目線の先にはダンジョンの壁に寄り掛かってふごふごと眠る巨大な猪がいた為、入口手前にいる4人に待機する様に手で合図を送る。
猪は寝そべっている状態でもノアの背丈の2倍はあり、体毛は脂で固まり、1本1本が針金の様になっている。
口元には短刀程の牙が生えており、他のモンスターの返り血で赤黒く染まっている。
ノアは腰の阿羅亀噛を抜くとダンジョンの壁に走らせ、不快な音を出す。
ギャリィン! フゴッ!?
音で目覚めた猪はノアを視認すると直ぐに立ち上がり、鳴き声を上げて威嚇する。
眼は血走り、足元の地面をガリガリと掻き突進の体勢に入る。
フゴォアアアアアアアアアアアアアアッ!
「いやいや…沸点低すぎでしょ…」
ズゴァッ! ゴァアアアアアアッ!
地面が捲れ上がる程の勢いで突進を仕掛けた猪はノア目掛け突き進む。
ノアは大きく横に転がり、すれ違い様<渾身>を発動し、脚を目掛けて阿羅亀噛を振る。
ゴゴギゴゴギギギィン! 「硬ってぇ!?」
皮が硬いのは勿論の事、針金の様な体毛と脂によって刃が通らない。
直ぐに背後を振り返ると木を薙ぎ倒しながら旋回しようとする猪。
ノアはその場で回転し、<集中><渾身><投擲術>の阿羅亀噛ぶん投げ三点セットを発動して猪の首元に投擲。
ドズン! グゴアアアアアアアアアッ!
見事首元に命中するも、剣の3分の1程しか刺さらなかった。
(くっ…皮も硬いが中も固いか…長期戦は不利だな…)
そう考えたノアは素早く猪に接近し刺さった剣に向け跳躍、滞空している間に【鎧袖一贖】を発動。
凄まじい蹴りを阿羅亀噛の柄に繰り出し根本まで突き刺す。
ゾブッ! グボゴァアアアアアアアッ!
血混じりの咆哮を上げる猪の側面に降り立ったノアは、高々と片足を上げると踵落としの要領で突き刺さった剣の柄に振り下ろす。
突き刺さった剣は、凄まじい威力の踏み付けを受け、喉の肉を大きく裂かれ、喉元から夥しい量の血液が噴き出す。
それでも猪は大きく顔を振ってノアを引き剥がし、ふらつきながらもノアに向け突進を仕掛ける。
対するノアは猪の真正面に立ち拳を構え
ガゴンッ! ブゴァッ!?ドシャァァッ!
猪の横っ面をぶん殴り、倒れ込んだ猪はそのまま起き上がって来る事は無かった。
「はぁ…はぁ…」
【鎧袖一贖】を解除したノアは膝に手を当て肩で息をしていた。
発動したのは1分程とはいえ反動はそれなりに来るものがあるらしい。
「いやー…流石にゴリ押しだけじゃ厳しくなってきたな…」
ノアがポツリと愚痴ているとジェイル達がやって来た。
「こりゃまた大きい…こいつが『暴走猪』か…
ところでノア君、大丈夫かい?」
「あぁ、気にしないで下さい【固有スキル】使った反動です。
もうそろそろで解除されるのでご心…おい嘘だろ…」
「どうしたんだいノア君?」
「別の『暴走猪』がこちらに向かって来ています。恐らく先程の咆哮を聞き付けてやって来たのでしょう。」
「そうか、分かった。
ロゼ、ポーラ、クロラ討伐しに向かうぞ。
ノア君、他にモンスターの反応はあるか?」
「いや、他には…無い。
が、気を付けてくれ、奴の体は硬い上に突進力も半端じゃない。」
「分かってる、君が【固有スキル】使って短期決戦しなきゃいけない様な相手だ、嘗めて掛かったりはしないよ。」
そう言うとジェイルはロゼ、ポーラ、クロラの3人を集め、指示を出す。
「ロゼ、俺が始めに"アレ"を叩き込む、止められはしないだろうが、狙える時に"アレ"を打ち込んでくれ。」
「らじゃー。」
「クロラは口内、眼等の肉質が柔らかい所を狙って矢を射ってくれ。」
「ら、らじゃー。」
「ポーラ、奴の体に出来た傷にエグいのを叩き込んでやれ。」
「らじゃー!」
「その掛け声何なの?」
「最近彼女らの中で流行ってるらしい。」
作戦を伝え終わると各々行動に移す。
ジェイルは盾を手に取り<挑発>を放つ体勢に入る。
ポーラは皆に支援魔法を放つ。
「防御、強化魔法掛けるわよ!
<守り手><身体強化><盾強化付与><剣強化付与>
あと新しく覚えた<氷の加護>」
<氷の加護>…対象の体表に半透明の氷の膜を発生させ、1回だけ大ダメージを肩代わりする。
※再詠唱10分
ポーラは支援魔法を放ち終えるとジェイルから少し離れた位置にロゼと共に立つ。
クロラは樹上に上がり木の陰に隠れ待機。
少しすると『暴走猪』を視界に捉える。
ジェイルは離れ過ぎていると突進を繰り出されると感じ、ゆっくりと接近。
『暴走猪』は前に立ちはだかったジェイルに鼻を鳴らすと軽く威嚇。
ジェイルが剣を取り出し<挑発>を発動、剣で盾を叩き『暴走猪』にとっての不快音を放つ。
フゴォアアアアアアアアアアアアアアッ!
『暴走猪』…突進力だけで言えば下層で1、2を争う非常に気性が荒いモンスター。
ちょっとの事でも怒り狂い、どちらかが死ぬまで戦い続ける。
知能は普通の猪程度しかないが攻撃力、防御力共に高くまともに受けると只では済まない。
『暴走猪』が持つ【猪突猛進】のスキルにより突進中は防御力が上がり、体表が硬質化する。
一気に沸点まで達した『暴走猪』は地面をガリガリと掻き、突進の予兆を出す。
ジェイルは突進を繰り出される前に自分の【固有技】を発動した。
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