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フリアダビア前哨基地編
往生際が悪い
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《はっはっは、往生際が悪いですね、大砲、バリスタ程度じゃ私の鱗に傷1つ付けられませんよ?》
依然として防壁の上から大砲、バリスタの射撃が続いていた。
角度や向きを調整し、満遍なく当てているが、それを嘲笑うかの様に竜人の余裕の態度を崩せずにいた。
「大砲、バリスタ弾薬残り僅かです!」
「構わん!撃ち続けろぃ!わしらはあくまで時間稼ぎじゃ!
弾薬が空んなったら直ぐ様持ち場を離れ、必要人員だけ残して待避じゃ!
こっからは本当の意味での戦場になるでの!」
《全く…これ以上進展が無い様でしたらさっさと終わらせるとしましょうか。》
先程から効きもしないのに撃たれ続ける事に流石に嫌気がさしたのか、竜人が行動に移そうとした時だった。
ブゥウン!
《ん?何ですかね、今の感覚『ゴチュッ!』は!?》
教会を中心に遂に防御結界が発動、半径300メル全域に浄化魔法、神聖魔法、防御系魔法、身体強化魔法、回復魔法等のバフ効果が施された結界が展開。
対して魔素強化されたモンスターや、それに連なる存在(竜人含む)に関しては反転してデバフ効果が付与される。
その結界の範囲内にいた待機中のモンスターは脱力を起こし、その場に崩れ落ちる。
更に結界が発動された時に竜人の顔面に大砲の砲弾が着弾、初めてと言って良い位竜人にダメージが入った瞬間である。
《くっ…防御結界とか言う物ですか。
また面倒な物を作ってくれたものですね…
お陰で自前の物理、魔法耐性(特大)が掻き消されてしまった様だ…
仕方無い、教会を破壊するとしますか…》
「「それはさせねーよ!」」
トスッ!
《ん?何…矢ですか『ズバババババババッ!』
うぐぁっ!?…んだ、この電撃はぁっ…!》
電撃の嵐を受け切り、少しふらつく竜人。
矢が飛んで来た方向を見ると、防壁の上で弓を構えるユグと、竜人に対してふんぞり返っているクリストロとサンドラがいた。
「ぬっはっは!どーだ私考案の『ズバッズバッズバババッ!』は!」
「何かさっきと名前違くない?」
「この際名前はどうでも良い、割と効いてる様だからさっさと殺ってしまおう。
今日の夜食は蜥蜴の黒焼きに決定だ、な!」
シュパッ!
そう言って再び矢を放つ。
竜人の足元を狙って射った様だが、竜人は跳躍してこれを回避。
《ふふん、2度と同じ手は食らいませんよ。》
トスッ
《あれ?》
「ふふ、すまない、今射ったのは普通の矢だ。
どうやら先程の攻撃は大分堪えた様だな、そんなに大きく飛び退いて…」
「開発者みょーりに尽きるってヤツだな!」
サンドラが小さな体をふんぞり返らせて竜人に威張り散らす。
《…ふ、ふふ…エルフと妖精如きが私をおちょくりおってぇ!》
回避直後に滞空していた竜人は、防壁にいるエルフ達に向け急速接近を仕掛ける。
「さて、指示通り怒らせてやったんだ、外すんじゃ無いぞ。」
《何をブツブツ言ってやがる耳長ぁっ!》
バヂュンッ! ドパァッ!《ヴゴ…ォッ!?》
西門の防壁から何かが発射、即竜人の心臓部分に着弾し、竜人の竜鱗を易々と突破、凄まじい貫通力で心臓部分に大穴が空いた。
竜人はそのまま東門側の防壁まで吹き飛ばされ壁にめり込んで項垂れていた。
「ガハハ!なっかなかな威力じゃったろぅ!
作った本人が一番驚いとるわい!」
レールガンから飛び降りたドワーフのロイは竜人を一瞥した後、レールガンの砲身を確認、周囲の兵士らに指示を飛ばす。
「1発撃っただけで砲身がガタガタじゃ。
冷えたら交換、直ぐに交換して次に備えろ!
操作はさっき説明した通りじゃて。」
「え?アイツ…死んだのでは?」
「はん、あれでも中身は竜じゃ、あの程度では死なん。
今ヤツは死んだふフリしとるだけじゃて。」
その直後、壁にめり込んで項垂れていた竜人の尻尾が持ち上がり鉤爪の先端に火球が発生。
「む!マズイ!皆防御姿勢を取れぃ!」
ロイは直ぐ様腕にガントレットを装着。
ガンガンと拳を打ち鳴らした後に顔の前で両腕を構えると両腕のガントレットが大盾へと変形、足元に魔力を流し体を固定。
《その程度の大盾で防ぎきれるかな?》
「うっさいわ、能書き垂れとらんでさっさと撃てば良かろう?」
ドシュッ! ドグァアアアアアアアッ!!!
「うぐ…ぬぬぬぬぬぬぬぬぬっ…」
即座に発射された火球はドワーフの大盾に着弾、直径に渡って火の海に包まれる。
少しして爆煙が晴れると共に、大盾を解除したドワーフが悠然と立っていた。
「ガハハ!防御結界様様じゃな、今じゃったらドラコンのブレスですら防げそうじゃわい!」
《ちっ、この防御結界、本当に忌々しい…
私の火球が弱体化してしまいましたか…》
ガハハ笑いをしているロイであるが、ガントレットの下の腕は火傷と骨折とで無惨な状態であった。
ロイは竜人に聞こえない様にボソリと後ろの兵士に声を掛ける。
「…兵士共、無事かや?」
「「「な、何とか…でもあなたは…」」」
「おっと、今はまだ本の事は口走るなや?
"お前の攻撃など屁でも無い"と虚勢張って誘導しとるんやからな?」
途轍も無い激痛に襲われているハズだが顔に出さず、依然としてどっしりと身構え竜人を見下している。
《くっ…やはりあの教会から先に潰さないと行けませんね…》
大穴が空いた箇所がうぞうぞと動き、高速再生中の竜人は教会へ向けて動き出す。
すると、ユグが立っていた南門の防壁から1人の男が勢い良く飛び出す。
「させるかぁっ!」
男は一直線に竜人まで飛び、途中2メルもある巨大な戦斧を2本肩に担いで竜人に斬り掛かる。
竜人はそれを尻尾を振って受け止めようとするも易々と断ち斬られ、両の手で受け止めざるを得なくなった。
《うぬぁっ!?》ガシッ!ガシッ!
「あれはこの戦いの要だ!あれを発動させるのに何人犠牲にしたと思ってやがる!
俺の命を賭してでも絶対に破壊させん!」
《な、何だ貴様は!?何だこの力は!》
「俺は旧フリアダビア前哨基地最高責任者、【狂戦士】エルグランド・アーミスタ!貴様を抹殺する者だ!」
《つまりここの頭と言う訳か!
良いだろう【魔王】より賜りし真名『シエストラバード』。
この名に賭けて貴様を殺し、この廃墟を巨大な繁殖場に作り替えてやろう!》
瞬時に尻尾を再生させたシエストラバードは、凄まじい速さで尻尾を振るいエルグランドの頭を弾き飛ばしに掛かる。
が、エルグランドは頭を反らしてこれを回避。
巨大な戦斧を高速で振り、シエストラバードの右脇腹に刃を立てる。
《ぬぎっ…何と言うちか「おぉおオオオオオオオオアアアアッ!」
エルグランドの表情は鬼の形相と化し、腕の太さが倍位に膨れ上がり、肌は浅黒く変化、目は漆黒に染まり、言葉も人間味が無くなっていく。
「リュウジンノチカラハコノテイドカァッ!」
エルグランドが突き立てた戦斧の刃がシエストラバードの背骨にまで達し、苦悶の声を上げる。
《ぐぉああっ!》ブォンッ!
シエストラバードは左腕を振り下ろして殴り掛かるも高速で振った戦斧によって肩口から斬り落とされる。
続けざまに尻尾を振り上げようとするも
「でぇやぁあああああっ!」ザグゥッ!
背後から接近していたバドがガントレットを装着した腕で戦斧を振るい、尻尾の根本を7割程断ち斬る。
《糞!この髭達磨がぁっ!》ブォンッ!
シエストラバードが腰を切ってバドに後ろ回し蹴りを繰り出す。
バヂュンッ! ドパァン!!《ち、きしょうめぇ!?》
再び西門からレールガンが発射され、シエストラバードの腰から下を吹き飛ばす。
「今の内じゃあ、バド!再生しきる前に発動させい!」
「分かっちょるっつう、の!」バシンッ!
バドがガントレットを装着した手でシエストラバードを叩き付けると、体中に鎖の紋様が浮かび上がり、身動き1つ取れなくなった。
《な!?これは拘束魔法…いつの間にこんな物を仕掛けた!》
「お前さん自ら大砲の弾やらバリスタに当たってくれて、仕掛けを施すのが楽じゃったわい!
今貴様に掛かっちょるのは、高位拘束魔法『縛鎖封印牢』。
…わしの魔力を根刮ぎ使って発動させたでの、後は任せるぞ、ルド。」
「おぅさ!エルグランド殿、離れちょくれ。」
「アア。」
エルグランドがその場を離れると、ルドがガントレットを装着してシエストラバードが横たわる地面をガツンと叩く。
すると、シエストラバードがすっぽりと収まる大きさの真っ黒い大穴が展開。
中から夥しい量の黒い手が伸び、シエストラバードの体を大穴の中へと引き摺り込んでいく。
《ぐ…ぬぐぐ…》
「お前さんは竜人じゃ、これ位徹底的にやらせて貰うぞ、高位封印魔法『禍闇(カグラ)』。
何処とも知れぬ異空間に飛ばされるが良い。」
《ぐ、くそっ!貴様ら如きに…》
シエストラバードは身を捩ってどうにか禍闇から抜け出そうともがくが
ガッ!「往生際が悪かぞ。」ズプン。
ルドがシエストラバードの顔面を足蹴にして穴の中へと押し込んでいった。
依然として防壁の上から大砲、バリスタの射撃が続いていた。
角度や向きを調整し、満遍なく当てているが、それを嘲笑うかの様に竜人の余裕の態度を崩せずにいた。
「大砲、バリスタ弾薬残り僅かです!」
「構わん!撃ち続けろぃ!わしらはあくまで時間稼ぎじゃ!
弾薬が空んなったら直ぐ様持ち場を離れ、必要人員だけ残して待避じゃ!
こっからは本当の意味での戦場になるでの!」
《全く…これ以上進展が無い様でしたらさっさと終わらせるとしましょうか。》
先程から効きもしないのに撃たれ続ける事に流石に嫌気がさしたのか、竜人が行動に移そうとした時だった。
ブゥウン!
《ん?何ですかね、今の感覚『ゴチュッ!』は!?》
教会を中心に遂に防御結界が発動、半径300メル全域に浄化魔法、神聖魔法、防御系魔法、身体強化魔法、回復魔法等のバフ効果が施された結界が展開。
対して魔素強化されたモンスターや、それに連なる存在(竜人含む)に関しては反転してデバフ効果が付与される。
その結界の範囲内にいた待機中のモンスターは脱力を起こし、その場に崩れ落ちる。
更に結界が発動された時に竜人の顔面に大砲の砲弾が着弾、初めてと言って良い位竜人にダメージが入った瞬間である。
《くっ…防御結界とか言う物ですか。
また面倒な物を作ってくれたものですね…
お陰で自前の物理、魔法耐性(特大)が掻き消されてしまった様だ…
仕方無い、教会を破壊するとしますか…》
「「それはさせねーよ!」」
トスッ!
《ん?何…矢ですか『ズバババババババッ!』
うぐぁっ!?…んだ、この電撃はぁっ…!》
電撃の嵐を受け切り、少しふらつく竜人。
矢が飛んで来た方向を見ると、防壁の上で弓を構えるユグと、竜人に対してふんぞり返っているクリストロとサンドラがいた。
「ぬっはっは!どーだ私考案の『ズバッズバッズバババッ!』は!」
「何かさっきと名前違くない?」
「この際名前はどうでも良い、割と効いてる様だからさっさと殺ってしまおう。
今日の夜食は蜥蜴の黒焼きに決定だ、な!」
シュパッ!
そう言って再び矢を放つ。
竜人の足元を狙って射った様だが、竜人は跳躍してこれを回避。
《ふふん、2度と同じ手は食らいませんよ。》
トスッ
《あれ?》
「ふふ、すまない、今射ったのは普通の矢だ。
どうやら先程の攻撃は大分堪えた様だな、そんなに大きく飛び退いて…」
「開発者みょーりに尽きるってヤツだな!」
サンドラが小さな体をふんぞり返らせて竜人に威張り散らす。
《…ふ、ふふ…エルフと妖精如きが私をおちょくりおってぇ!》
回避直後に滞空していた竜人は、防壁にいるエルフ達に向け急速接近を仕掛ける。
「さて、指示通り怒らせてやったんだ、外すんじゃ無いぞ。」
《何をブツブツ言ってやがる耳長ぁっ!》
バヂュンッ! ドパァッ!《ヴゴ…ォッ!?》
西門の防壁から何かが発射、即竜人の心臓部分に着弾し、竜人の竜鱗を易々と突破、凄まじい貫通力で心臓部分に大穴が空いた。
竜人はそのまま東門側の防壁まで吹き飛ばされ壁にめり込んで項垂れていた。
「ガハハ!なっかなかな威力じゃったろぅ!
作った本人が一番驚いとるわい!」
レールガンから飛び降りたドワーフのロイは竜人を一瞥した後、レールガンの砲身を確認、周囲の兵士らに指示を飛ばす。
「1発撃っただけで砲身がガタガタじゃ。
冷えたら交換、直ぐに交換して次に備えろ!
操作はさっき説明した通りじゃて。」
「え?アイツ…死んだのでは?」
「はん、あれでも中身は竜じゃ、あの程度では死なん。
今ヤツは死んだふフリしとるだけじゃて。」
その直後、壁にめり込んで項垂れていた竜人の尻尾が持ち上がり鉤爪の先端に火球が発生。
「む!マズイ!皆防御姿勢を取れぃ!」
ロイは直ぐ様腕にガントレットを装着。
ガンガンと拳を打ち鳴らした後に顔の前で両腕を構えると両腕のガントレットが大盾へと変形、足元に魔力を流し体を固定。
《その程度の大盾で防ぎきれるかな?》
「うっさいわ、能書き垂れとらんでさっさと撃てば良かろう?」
ドシュッ! ドグァアアアアアアアッ!!!
「うぐ…ぬぬぬぬぬぬぬぬぬっ…」
即座に発射された火球はドワーフの大盾に着弾、直径に渡って火の海に包まれる。
少しして爆煙が晴れると共に、大盾を解除したドワーフが悠然と立っていた。
「ガハハ!防御結界様様じゃな、今じゃったらドラコンのブレスですら防げそうじゃわい!」
《ちっ、この防御結界、本当に忌々しい…
私の火球が弱体化してしまいましたか…》
ガハハ笑いをしているロイであるが、ガントレットの下の腕は火傷と骨折とで無惨な状態であった。
ロイは竜人に聞こえない様にボソリと後ろの兵士に声を掛ける。
「…兵士共、無事かや?」
「「「な、何とか…でもあなたは…」」」
「おっと、今はまだ本の事は口走るなや?
"お前の攻撃など屁でも無い"と虚勢張って誘導しとるんやからな?」
途轍も無い激痛に襲われているハズだが顔に出さず、依然としてどっしりと身構え竜人を見下している。
《くっ…やはりあの教会から先に潰さないと行けませんね…》
大穴が空いた箇所がうぞうぞと動き、高速再生中の竜人は教会へ向けて動き出す。
すると、ユグが立っていた南門の防壁から1人の男が勢い良く飛び出す。
「させるかぁっ!」
男は一直線に竜人まで飛び、途中2メルもある巨大な戦斧を2本肩に担いで竜人に斬り掛かる。
竜人はそれを尻尾を振って受け止めようとするも易々と断ち斬られ、両の手で受け止めざるを得なくなった。
《うぬぁっ!?》ガシッ!ガシッ!
「あれはこの戦いの要だ!あれを発動させるのに何人犠牲にしたと思ってやがる!
俺の命を賭してでも絶対に破壊させん!」
《な、何だ貴様は!?何だこの力は!》
「俺は旧フリアダビア前哨基地最高責任者、【狂戦士】エルグランド・アーミスタ!貴様を抹殺する者だ!」
《つまりここの頭と言う訳か!
良いだろう【魔王】より賜りし真名『シエストラバード』。
この名に賭けて貴様を殺し、この廃墟を巨大な繁殖場に作り替えてやろう!》
瞬時に尻尾を再生させたシエストラバードは、凄まじい速さで尻尾を振るいエルグランドの頭を弾き飛ばしに掛かる。
が、エルグランドは頭を反らしてこれを回避。
巨大な戦斧を高速で振り、シエストラバードの右脇腹に刃を立てる。
《ぬぎっ…何と言うちか「おぉおオオオオオオオオアアアアッ!」
エルグランドの表情は鬼の形相と化し、腕の太さが倍位に膨れ上がり、肌は浅黒く変化、目は漆黒に染まり、言葉も人間味が無くなっていく。
「リュウジンノチカラハコノテイドカァッ!」
エルグランドが突き立てた戦斧の刃がシエストラバードの背骨にまで達し、苦悶の声を上げる。
《ぐぉああっ!》ブォンッ!
シエストラバードは左腕を振り下ろして殴り掛かるも高速で振った戦斧によって肩口から斬り落とされる。
続けざまに尻尾を振り上げようとするも
「でぇやぁあああああっ!」ザグゥッ!
背後から接近していたバドがガントレットを装着した腕で戦斧を振るい、尻尾の根本を7割程断ち斬る。
《糞!この髭達磨がぁっ!》ブォンッ!
シエストラバードが腰を切ってバドに後ろ回し蹴りを繰り出す。
バヂュンッ! ドパァン!!《ち、きしょうめぇ!?》
再び西門からレールガンが発射され、シエストラバードの腰から下を吹き飛ばす。
「今の内じゃあ、バド!再生しきる前に発動させい!」
「分かっちょるっつう、の!」バシンッ!
バドがガントレットを装着した手でシエストラバードを叩き付けると、体中に鎖の紋様が浮かび上がり、身動き1つ取れなくなった。
《な!?これは拘束魔法…いつの間にこんな物を仕掛けた!》
「お前さん自ら大砲の弾やらバリスタに当たってくれて、仕掛けを施すのが楽じゃったわい!
今貴様に掛かっちょるのは、高位拘束魔法『縛鎖封印牢』。
…わしの魔力を根刮ぎ使って発動させたでの、後は任せるぞ、ルド。」
「おぅさ!エルグランド殿、離れちょくれ。」
「アア。」
エルグランドがその場を離れると、ルドがガントレットを装着してシエストラバードが横たわる地面をガツンと叩く。
すると、シエストラバードがすっぽりと収まる大きさの真っ黒い大穴が展開。
中から夥しい量の黒い手が伸び、シエストラバードの体を大穴の中へと引き摺り込んでいく。
《ぐ…ぬぐぐ…》
「お前さんは竜人じゃ、これ位徹底的にやらせて貰うぞ、高位封印魔法『禍闇(カグラ)』。
何処とも知れぬ異空間に飛ばされるが良い。」
《ぐ、くそっ!貴様ら如きに…》
シエストラバードは身を捩ってどうにか禍闇から抜け出そうともがくが
ガッ!「往生際が悪かぞ。」ズプン。
ルドがシエストラバードの顔面を足蹴にして穴の中へと押し込んでいった。
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