ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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獣人国編~御前試合の代表決め~

健闘を祈る

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「うおぅ…
国交樹立式典は良いとして、新種族な上、それがお伽噺の存在とは…(ゴフゥ)」

「凄ぇ、人魚なんてホントに居たんだな…
創作物だとばかり思ってたぜ…(ゴファン)」

「綺麗な人だにゃぁ…(ベレーザ)」
「う、うん…(ヴァモス)」

「実は色々あって少し前からあちらの国とは仲良くさせて貰っててね。
そこから今回の国交の流れになったんだ。
と言っても僕は王都と獣人国側に引き合わせただけに過ぎないんだけどね。」


リヴァイア自らが行う紹介が未だ行われる中、上空を見上げてポカンとしている4人に一応海洋種との経緯を説明する。

が、情報量が多過ぎたのか、その後も「はぁ…」とか「へぇ…」位の薄い反応しか戻ってこなかった。


″『…そう言えば、獣人国では″腕っぷしの強さ″をかなり重視しているとの事ですが、獣人国国王ローグ・ラグナー殿如何でしょう、2週間後の式典で友好の証としてそう言った催し物を行ってみては?』″

″『おぉ!それは良いですな!
丁度我が国ではトーナメント戦の様な物を行っておりまして、近々我が国最強が決まる所でありますしな。』″

「「「「「「「「おおおぉおおっ!?(一同)」」」」」」」」

「「「へ…?(ゴフゥ、ゴファン、ヴァモス)」」」


突然の発表に沸き立つ国民、呆然とする3人。

ノアの隣に居たゴフゥは、ワナワナとした指でリヴァイアの方を指差した後


「…え?ノ、ノア殿、今のは…?(ゴフゥ)」

「お二方とヴァモスが戦い、勝った方が僕と戦った後、この国の代表として式典で海洋種の代表と戦うのですよ。」

「「「え!?えええっ!?(ゴフゥ、ゴファン、ヴァモス)」」」


3人が上げた驚きの声は、沸き立つ歓声に掻き消されたのであった。





″『…と、少し話し込んでしまいましたね。
お話ししたい事はまだまだ御座いますが、ローグ・ラグナー殿の喉が潰れてしまうので、本日はこの辺にしておきましょう。』″

″『あ″、あ″ぁ、そうじて貰えると助か″る…
あ″ぁぞうだ、本日から幾人がの海洋種の者がお供と一緒に″ごの街を訪れる″。
なので皆の者、失礼の無い様にな″…』″

「「「「「「「はーい。(一同)」」」」」」」

″『それでは皆様2週間後にまたお会いしましょう。』″

フッ…スゥウウ…


リヴァイアが再び恭しく頭を下げた直後、映像が途切れて霧が霧散し、晴れ晴れとした空が広がるのであった。


″『でば皆の者、じばじのご静聴ありがたく、ごほっ!ごほごほっ!』″

「お大事にー。」
「「お大事に。」」
「せめてラッパ使おうぜ。」
「新年の挨拶の時も喉潰してたしな。」
「お大事にね。」


咳き込む声を最後に国王ローグの呼び掛けも終了。街の各所からは労りの声が上がりつつも、妙な熱気が上がり始めていた。


バンッ!

「さーて!新種族との国交記念だ!特別メニュー販売中だよ!」
「目出度い日だ!今日から式典まで限定で、お代2割引きだ!」


屋台通りの各所からは、これを商機と見て客確保に向けて続々と限定・新メニューや料金の割引きが行われ出し


「おーいそこの冒険者さんよ!2週間後のダンジョン解放に合わせて武器の新調をしてみてはどうだい?」
「序でに防具も一緒にどうかな?」
「万全の態勢でダンジョン攻略に臨む準備期間だ!よーく考えておくんだね!」


文面には出てなかったが、リヴァイアは2週間後の式典直後高難度ダンジョンを解放すると発言していた。
どうやら獣人国にポータルを設置し、そこから突入出来る様にするらしい。

獣人国近郊にある滅びの森同様、1ステージでありながら中心に進めば進む程難度が上がっていく仕様の様だ。

これとは別で、王都近郊にある鉱山からも後日行われる式典直後から階層型ダンジョンが解放されるらしく、こちらは新人冒険者からでも参加出来る様細かく難度が設定されているとの事。

これを聞いた冒険者は色めき立ち、2週間後のダンジョン解放に向けて準備を開始した。
これに食い付かない者は居ないだろう。

武器防具職人達は直ぐ様通りを歩く冒険者達に声を掛けて新調・強化を促した。

冒険者の中で特に躍起になっている者達が居た。それは″女性陣″である。


「ねぇっ!ねぇっ!さっき映り込んだ人魚さんのスケイルアーマー見た?凄く綺麗だったよね!」

「ホントホント!一瞬だったけどドレスみたいだった!
やーん、私もあんな装備欲しーい!」

「いや、あんな派手な装備着けてたら敵からまる分かり…「「黙らっしゃいっ!」」…はい…」


と言った感じで、先程リヴァイアが投影した映像に一瞬映り込んだ人魚が身に付けていた薄紅色のスケイルアーマーを見た女性冒険者達は、その煌びやかさに直ぐに目を奪われた。

普段の冒険者家業で使用したいと考えるものから、お洒落の1つとして検討する者など様々である。

片や男性陣は装備に関してそこまで乗り気では無かったが、先程国王のローグが言っていた様に、後に幾人かの海洋種が街に訪れて来た際にその考えを改める事となるのだが、それは数話先のお話し。

そんなこんなあって妙な熱気に包まれる獣人国であった。





そして、自分達が出場しているトーナメント戦がまさか国の代表を決める戦いの場であった事をついさっき知らされたヴァモスと超犀野人2(スーパ○サイヤジン2)の3人はと言うと


ガシッ!

「それじゃあヴァモス君、準決勝楽しみにしているぞ。(ゴフゥ)」

「お互い、悔いの残らない戦いにしよう。(ゴファン)」

「は、はい!勿論勝つ気で行きます!(ヴァモス)」

「その意気にゃ!(ベレーザ)」

(ホント、強くなったなぁヴァモスは。
国の代表になるかも知れないのに物怖じ一切しないで…)


先程の報せを受けても一切動じていない様子のヴァモスに、何処と無く熱くなる気持ちが沸くノアであったが


(正直超犀野人2(スーパーサ○ヤジン2)の2人には僅かながら勝機を見出だせる。
けど、例え決勝に行けたとしても相手はノア様…
勝てる見込みは一切無い!国の代表とか一切考えなくて良いのは逆にありがたい…(ヴァモス))

(ヴァモス君には悪いが、決勝には割と余裕で進めるだろうがノア殿は訳が違う。
気配からして何もかもが違う…国の代表とか考える余裕は全く無ぇな…(ゴフゥ))

(本人目の前にして思ったが、【鬼神】の噂通り隙が一切無くて勝てる気がしねぇ…
やれるだけの事はやろう…(ゴファン))


そう、ノアを前にして全員国の代表になれる訳が無いと思っている為、3人共冷静でいられるだけであった。

ちなみに超犀野人2(○ーパーサイヤジン2)とヴァモスの準決勝戦は、夜開始される事となった。
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