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獣人国編~御前試合の代表決め~
準決勝終了
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「なぁ実況のリッチー。
戦闘不能と見なされる項目の中に″10秒程立ち上がれない場合″とか何とか無かったっけ?(ゴフゥ)」
″『あー、あったねぇ。』″
「が…な、に…」
「んじゃよろしく。(ゴファン)」ザッザッザッ…
″『あいよ。1、2…』″
ゴフゥに指摘され、思い出したかの様にカウントを取り始めた実況のリッチー。
ヴァモスは未だ地面に踞まり呼吸も儘ならない様子。
ゴフゥとゴファンの2人はカウントを聞きながら自身達の席の方へ向かう。
″『5、6…』″
「頼む、立たないでくれよ…(ゴフゥ)」
「どうだろう、死に体ではあったが眼は死んでいなかった。
もしかすると…(ゴファン)」
″『7、は…』″
「「ああ…(ゴフゥとゴファン)」」
実況のカウントが途中で止まると、2人は嘆息しつつ振り返ると、息も絶え絶えで膝を震わせて何とか立っている状態のヴァモスが居た。
「こ、この程度で…弱音を吐いて、いたらダメだ…ノア様の足元にも…及ばない…」
息も儘ならないながらも視線の先に居る2人にそう伝える。
が、その光景を観客席に座るノアは、顔に手を当てて押し黙っていた。
立ってしまった以上戦闘不能とは見なされない為、戦闘は継続となる。
これにはゴフゥとゴファンの2人は困ってしまったが、渋々と言った様子でゴフゥが再び腰の辺りに手を当て、波動弾の構えを取る。
「おいゴフゥ!(ゴファン)」
「…まぁ見てな。(ゴフゥ)」ドンッ!
何か策がある様で、構えを取ったままのゴフゥはヴァモスへ向けて駆け出した。
″『辛くも立ち上がったヴァモス君に再びゴフゥが迫る!
そしてあの構えはヴァモス君を窮地に追い込んだ波動弾の構え!二度と立ち上がれないよう止めを差すつもりでしょう!つーか棄権してくれヴァモス君よ!』″
実況のリッチーも見ていられない様子であるが、ゴフゥは一直線にヴァモスへ迫る。
対するヴァモスはダメージが酷く、立ったままピクリとも動けずにいた。
ギュンッ!
「食らえぃっ!(ゴフゥ)」ボッ!
「…くっ…」グググ…
数秒でヴァモスの元まで到達したゴフゥが波動弾を溜めた腕を突き放つ。
ヴァモスは何とか腕を上げる事しか出来なかった。
ゴ『ガシッ!』バァアッ!
「え?」ガシッ!
ヴァモスの目の前で放たれた光の塊が自身の上部に逸れていく。
良く見ると誰かの手が伸びてゴフゥの手首を掴んでいた。
「…君なら止めに入ると信じていたよ…(ゴフゥ)」
「″止めてくれ″って目が訴えかけてましたよ?」
「は…え…?
何で…ノア様…が…?(ヴァモス)」
ゴフゥの手首を掴んだのは先程まで観客席に居たノアで、どうやらゴフゥから目で合図を送られていた様だ。
″『ああっとぉっ!?いつの間にか【鬼神】が闘技場にっ!
ヴァモス君の試合を止めに入った様子です!
つまりこの時点でヴァモス君の敗けとなり、勝者は超犀野人2の2人となります!』″
「「「「「「「「「うん。(観客)」」」」」」」」」
「えっ、ええっ…ま、待って下さい…
僕はまだ戦え『ストッ。』ま…っ…」ガクッ…
″『あっ!?ヴァモス君が気絶してしまった様です!
いりょー班!医療班っ!?』″
まだ戦えると言い放ったヴァモスだが、突然意識を失い、全身から力が抜けた。
観客席からは気絶してしまった様に見えた事だろう。
だが
「…恐ろしく速い手刀…俺でなきゃ見逃しちまうぜ…(ゴフゥ)」
「気力で言えばまだ戦える様でしたが体の方が限界です。こうするしか無いでしょう…」
「にゃ、にゃにゃにゃ!ヴァモス!大丈夫かにゃ、ヴァモス!?(ベレーザ)」タッタッタッ…
慌てた様子のベレーザと、闘技場専用の医療班が飛び出して来てヴァモスの元へと向かう。
「安心して。
弱めに打ち込んで気絶してるだけだから数分で目覚めると思うよ。」
「え…?あ、はいにゃ。
と、とりあえず観客席の方まで運ぶにゃ!(ベレーザ)」
「「は、はい!(医療班)」」
ベレーザによって観客席に運ばれたヴァモスは、全身にダメージを負っているもののノアの目論見通り気を失っているだけなので少しすれば目覚めるとの事だった。
″『えー、色々ありましたがこれにて準決勝の方は超犀野人2の勝利と言う事で決着しました!』″
「「「「「「オオオオオオッ!(観客)」」」」」」
闘技場の中央で観客席に手を振る2人。
観客達は超犀野人2の2人を祝福するのであった。
″『さて、残るは決勝戦。
対するは観客席で観覧しております【鬼神】となりますが…【鬼神】君、いつ頃が良いでしょう?』″
「え?僕が決めるの?」
″『いやだって【鬼神】君大体忙しそうにしてるし、こちらが指定した日までにまた何かに巻き込まれてるかもだし…』″
「「「「「「「「うんうん。(観客)」」」」」」」」
「いやいや、そんな事…
…無いとは言い切れないしな…」
ノアのこれまでを考えれば日単位で何かに巻き込まれる恐れがある為、おいそれと日程が組めないのである。
そんなこんなで日取りを決めるよう言われたノアは
「ねぇねぇ超犀野人2のお二人。
さっきヴァモスと戦った時のダメージってどうですか?」
「え?
まぁ、当の本人が気絶してるから言える事だが、大したダメージは無い。(ゴフゥ)」
「寧ろ適度に体を動かしたから今が絶好調とすら言えるかな。(ゴファン)」
~間~
「「…ま、まさか…(ゴフゥとゴファン)」」
「2人が良いならやりません?今から。」
ザワザワ…ガヤガヤ…
「…ぅ、うーん…(ヴァモス)」
「あ、起きたかにゃ?(ベレーザ)」
「え?ベレーザ…?
何でここに…あ!試合っ、あ痛だだだっ!?(ヴァモス)」
ヴァモスが目を覚ますと、何故かそこにはベレーザの顔があった。
どうやらベレーザに膝枕をされ、そこで眠っていた様子。
ふと試合の事を思い出して起き上がろうとすると、自身の全身に襲い来る激痛に苦悶の声を上げる。
「めーにゃよヴァモスー。
ボロボロなんにゃから安静にしとかなきゃ。(ベレーザ)」
「…あ、そうか…そうだよな…(ヴァモス)」
ベレーザのその言葉だけで試合の結果を悟った様子のヴァモス。
先程は色々と高まっていたのか冷静では無かった様で、気を失って頭が冷えた今のヴァモスは取り乱す様子は無い。
「…ごめんベレーザ…
あっさり負けちゃった…(ヴァモス)」
「何で謝るにゃ、ヴァモスはじゅーぶん強いにゃよ。
今まで勝ち進んできた来たじゃにゃい。
寧ろ胸を張って良いと思うにゃ。(ベレーザ)」
「…うん、ありがとう…(ヴァモス)」
そんな直ぐに納得はしないだろうが、一先ずは事なきを得るのだった。
「…あれ?ベレーザ、ノア様が居たと思ったけど…?(ヴァモス)」
「あー…それにゃんだけどにゃ…
…良い?起こすにゃよ?(ベレーザ)」
グググ…
「え?うん…
い、痛でで…って、え?(ヴァモス)」
ベレーザの手を借りて観客席から起き上がると、荒鬼神を腰から外したノアが闘技場中央に立ち、超犀野人2の2人対峙していた。
「今から決勝戦にゃよ。(ベレーザ)」
「え?僕何日寝てたの?(ヴァモス)」
困惑するヴァモスであった。
戦闘不能と見なされる項目の中に″10秒程立ち上がれない場合″とか何とか無かったっけ?(ゴフゥ)」
″『あー、あったねぇ。』″
「が…な、に…」
「んじゃよろしく。(ゴファン)」ザッザッザッ…
″『あいよ。1、2…』″
ゴフゥに指摘され、思い出したかの様にカウントを取り始めた実況のリッチー。
ヴァモスは未だ地面に踞まり呼吸も儘ならない様子。
ゴフゥとゴファンの2人はカウントを聞きながら自身達の席の方へ向かう。
″『5、6…』″
「頼む、立たないでくれよ…(ゴフゥ)」
「どうだろう、死に体ではあったが眼は死んでいなかった。
もしかすると…(ゴファン)」
″『7、は…』″
「「ああ…(ゴフゥとゴファン)」」
実況のカウントが途中で止まると、2人は嘆息しつつ振り返ると、息も絶え絶えで膝を震わせて何とか立っている状態のヴァモスが居た。
「こ、この程度で…弱音を吐いて、いたらダメだ…ノア様の足元にも…及ばない…」
息も儘ならないながらも視線の先に居る2人にそう伝える。
が、その光景を観客席に座るノアは、顔に手を当てて押し黙っていた。
立ってしまった以上戦闘不能とは見なされない為、戦闘は継続となる。
これにはゴフゥとゴファンの2人は困ってしまったが、渋々と言った様子でゴフゥが再び腰の辺りに手を当て、波動弾の構えを取る。
「おいゴフゥ!(ゴファン)」
「…まぁ見てな。(ゴフゥ)」ドンッ!
何か策がある様で、構えを取ったままのゴフゥはヴァモスへ向けて駆け出した。
″『辛くも立ち上がったヴァモス君に再びゴフゥが迫る!
そしてあの構えはヴァモス君を窮地に追い込んだ波動弾の構え!二度と立ち上がれないよう止めを差すつもりでしょう!つーか棄権してくれヴァモス君よ!』″
実況のリッチーも見ていられない様子であるが、ゴフゥは一直線にヴァモスへ迫る。
対するヴァモスはダメージが酷く、立ったままピクリとも動けずにいた。
ギュンッ!
「食らえぃっ!(ゴフゥ)」ボッ!
「…くっ…」グググ…
数秒でヴァモスの元まで到達したゴフゥが波動弾を溜めた腕を突き放つ。
ヴァモスは何とか腕を上げる事しか出来なかった。
ゴ『ガシッ!』バァアッ!
「え?」ガシッ!
ヴァモスの目の前で放たれた光の塊が自身の上部に逸れていく。
良く見ると誰かの手が伸びてゴフゥの手首を掴んでいた。
「…君なら止めに入ると信じていたよ…(ゴフゥ)」
「″止めてくれ″って目が訴えかけてましたよ?」
「は…え…?
何で…ノア様…が…?(ヴァモス)」
ゴフゥの手首を掴んだのは先程まで観客席に居たノアで、どうやらゴフゥから目で合図を送られていた様だ。
″『ああっとぉっ!?いつの間にか【鬼神】が闘技場にっ!
ヴァモス君の試合を止めに入った様子です!
つまりこの時点でヴァモス君の敗けとなり、勝者は超犀野人2の2人となります!』″
「「「「「「「「「うん。(観客)」」」」」」」」」
「えっ、ええっ…ま、待って下さい…
僕はまだ戦え『ストッ。』ま…っ…」ガクッ…
″『あっ!?ヴァモス君が気絶してしまった様です!
いりょー班!医療班っ!?』″
まだ戦えると言い放ったヴァモスだが、突然意識を失い、全身から力が抜けた。
観客席からは気絶してしまった様に見えた事だろう。
だが
「…恐ろしく速い手刀…俺でなきゃ見逃しちまうぜ…(ゴフゥ)」
「気力で言えばまだ戦える様でしたが体の方が限界です。こうするしか無いでしょう…」
「にゃ、にゃにゃにゃ!ヴァモス!大丈夫かにゃ、ヴァモス!?(ベレーザ)」タッタッタッ…
慌てた様子のベレーザと、闘技場専用の医療班が飛び出して来てヴァモスの元へと向かう。
「安心して。
弱めに打ち込んで気絶してるだけだから数分で目覚めると思うよ。」
「え…?あ、はいにゃ。
と、とりあえず観客席の方まで運ぶにゃ!(ベレーザ)」
「「は、はい!(医療班)」」
ベレーザによって観客席に運ばれたヴァモスは、全身にダメージを負っているもののノアの目論見通り気を失っているだけなので少しすれば目覚めるとの事だった。
″『えー、色々ありましたがこれにて準決勝の方は超犀野人2の勝利と言う事で決着しました!』″
「「「「「「オオオオオオッ!(観客)」」」」」」
闘技場の中央で観客席に手を振る2人。
観客達は超犀野人2の2人を祝福するのであった。
″『さて、残るは決勝戦。
対するは観客席で観覧しております【鬼神】となりますが…【鬼神】君、いつ頃が良いでしょう?』″
「え?僕が決めるの?」
″『いやだって【鬼神】君大体忙しそうにしてるし、こちらが指定した日までにまた何かに巻き込まれてるかもだし…』″
「「「「「「「「うんうん。(観客)」」」」」」」」
「いやいや、そんな事…
…無いとは言い切れないしな…」
ノアのこれまでを考えれば日単位で何かに巻き込まれる恐れがある為、おいそれと日程が組めないのである。
そんなこんなで日取りを決めるよう言われたノアは
「ねぇねぇ超犀野人2のお二人。
さっきヴァモスと戦った時のダメージってどうですか?」
「え?
まぁ、当の本人が気絶してるから言える事だが、大したダメージは無い。(ゴフゥ)」
「寧ろ適度に体を動かしたから今が絶好調とすら言えるかな。(ゴファン)」
~間~
「「…ま、まさか…(ゴフゥとゴファン)」」
「2人が良いならやりません?今から。」
ザワザワ…ガヤガヤ…
「…ぅ、うーん…(ヴァモス)」
「あ、起きたかにゃ?(ベレーザ)」
「え?ベレーザ…?
何でここに…あ!試合っ、あ痛だだだっ!?(ヴァモス)」
ヴァモスが目を覚ますと、何故かそこにはベレーザの顔があった。
どうやらベレーザに膝枕をされ、そこで眠っていた様子。
ふと試合の事を思い出して起き上がろうとすると、自身の全身に襲い来る激痛に苦悶の声を上げる。
「めーにゃよヴァモスー。
ボロボロなんにゃから安静にしとかなきゃ。(ベレーザ)」
「…あ、そうか…そうだよな…(ヴァモス)」
ベレーザのその言葉だけで試合の結果を悟った様子のヴァモス。
先程は色々と高まっていたのか冷静では無かった様で、気を失って頭が冷えた今のヴァモスは取り乱す様子は無い。
「…ごめんベレーザ…
あっさり負けちゃった…(ヴァモス)」
「何で謝るにゃ、ヴァモスはじゅーぶん強いにゃよ。
今まで勝ち進んできた来たじゃにゃい。
寧ろ胸を張って良いと思うにゃ。(ベレーザ)」
「…うん、ありがとう…(ヴァモス)」
そんな直ぐに納得はしないだろうが、一先ずは事なきを得るのだった。
「…あれ?ベレーザ、ノア様が居たと思ったけど…?(ヴァモス)」
「あー…それにゃんだけどにゃ…
…良い?起こすにゃよ?(ベレーザ)」
グググ…
「え?うん…
い、痛でで…って、え?(ヴァモス)」
ベレーザの手を借りて観客席から起き上がると、荒鬼神を腰から外したノアが闘技場中央に立ち、超犀野人2の2人対峙していた。
「今から決勝戦にゃよ。(ベレーザ)」
「え?僕何日寝てたの?(ヴァモス)」
困惑するヴァモスであった。
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