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「まだ、3人ほど居たのだが、来るかな?」
カイが、誰に尋ねるわけでもなく、ボソリとつぶやく。
「来るさ。奴らは変質的だが、そういった意味では期待を裏切らない律儀な集団さ」
リアンが舌なめずりをして、笑う。
かつて、貴族と呼ばれた吸血鬼の本性が現れたかのように、嬉々として、戦いを楽しんでいる、そんな様子がリアンの表情からうかがえた。
「あんたが味方になってくれて、本当に、心強いよ」
カイは投げ捨てるように言葉を発して、近づいてきたもうひとりの敵に攻撃を加えるための準備に入った。
相手は3人同時に姿を表したが、カイは自分たちの位置から一番近い相手を選び、攻撃を仕掛けた。
リアンの方はというと、こちらは余裕があるのか、それとも相手を侮っているのかわからない。ゆっくりと残る相手の方に、歩いて近づく。
顔からは残忍な笑顔は消えていたが、むしろ不気味なほどに明るい表情で、鼻歌でも歌い出しそうなくらい明るく、口元に笑みを浮かべていた。
「誰が来る?どっちがわたしと遊んでくれる?」
可愛らしく、小首をかしげて見せる。
カイの向かった先とは反対側の影が動いた。
手にした錫杖のようなものから、光の線が、リアンをめがけて伸びてくる。リアンが避けると、相手は身動き一つしていないのに、光の線が次々と、素早くリアンに襲いかかる。
右へ左へ、前へ後ろへ、ジャンプして天井へと、リアンは素早く交わし続け、光を発する錫杖の持ち主に近づいてゆく。
相手も、その都度距離を保つために位置を変えなければならなかった。リアンの素早い攻撃なら、一定の距離以上を保っていなければ、一瞬で間合いに入られて、自分がやられてしまうことを、バランの宣教師はわかっていたのだ。
カイの方は少々苦戦を強いられた。
相手に攻撃を加えるのだが、実態のない霧のように、相手にダメージを与える一撃を加えることができなかった。
霧への攻撃を仕掛けている間も、相手はカイに対して攻撃を仕掛けてきたので、精神的に疲労感が募った。カイは少し苛ついたが、深呼吸をして気持ちを落ち着かせると、ゆっくりと構えを変えた。呼吸を整えて、相手への対処法を探った。こいつはまるで、古の吸血王が使ったという技に似ている。体を霧に変えてしまう技だ。そのあたりのことをヒントにして、記憶を弄って、勝機を探した。
昔、師匠に聞いたことがある。だが、決定的な必殺の方法を見つけ出すことは、この刹那では見つけ出すことができなかった。
「まだ、3人ほど居たのだが、来るかな?」
カイが、誰に尋ねるわけでもなく、ボソリとつぶやく。
「来るさ。奴らは変質的だが、そういった意味では期待を裏切らない律儀な集団さ」
リアンが舌なめずりをして、笑う。
かつて、貴族と呼ばれた吸血鬼の本性が現れたかのように、嬉々として、戦いを楽しんでいる、そんな様子がリアンの表情からうかがえた。
「あんたが味方になってくれて、本当に、心強いよ」
カイは投げ捨てるように言葉を発して、近づいてきたもうひとりの敵に攻撃を加えるための準備に入った。
相手は3人同時に姿を表したが、カイは自分たちの位置から一番近い相手を選び、攻撃を仕掛けた。
リアンの方はというと、こちらは余裕があるのか、それとも相手を侮っているのかわからない。ゆっくりと残る相手の方に、歩いて近づく。
顔からは残忍な笑顔は消えていたが、むしろ不気味なほどに明るい表情で、鼻歌でも歌い出しそうなくらい明るく、口元に笑みを浮かべていた。
「誰が来る?どっちがわたしと遊んでくれる?」
可愛らしく、小首をかしげて見せる。
カイの向かった先とは反対側の影が動いた。
手にした錫杖のようなものから、光の線が、リアンをめがけて伸びてくる。リアンが避けると、相手は身動き一つしていないのに、光の線が次々と、素早くリアンに襲いかかる。
右へ左へ、前へ後ろへ、ジャンプして天井へと、リアンは素早く交わし続け、光を発する錫杖の持ち主に近づいてゆく。
相手も、その都度距離を保つために位置を変えなければならなかった。リアンの素早い攻撃なら、一定の距離以上を保っていなければ、一瞬で間合いに入られて、自分がやられてしまうことを、バランの宣教師はわかっていたのだ。
カイの方は少々苦戦を強いられた。
相手に攻撃を加えるのだが、実態のない霧のように、相手にダメージを与える一撃を加えることができなかった。
霧への攻撃を仕掛けている間も、相手はカイに対して攻撃を仕掛けてきたので、精神的に疲労感が募った。カイは少し苛ついたが、深呼吸をして気持ちを落ち着かせると、ゆっくりと構えを変えた。呼吸を整えて、相手への対処法を探った。こいつはまるで、古の吸血王が使ったという技に似ている。体を霧に変えてしまう技だ。そのあたりのことをヒントにして、記憶を弄って、勝機を探した。
昔、師匠に聞いたことがある。だが、決定的な必殺の方法を見つけ出すことは、この刹那では見つけ出すことができなかった。
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