蒼き英雄(旧)

雨宮結城

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最終章 The Final

Part12

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アスタを殺した、その言葉に衝撃を受けるユキ。

「…!」

驚いている中、ユキの背後に瞬時に移動したスレイヤーは、ユキを蹴り飛ばした。

「ウッ!」

「!」

ユキが蹴り飛ばされ、怯えるマキ。

「…」

スレイヤーは、マキの頸をしめ、持ち上げた。

「ア…ウッ…」

「それにしても、なんで洗脳が解けたのかしら…」

ユキの方を見るスレイヤー。そして、ユキが握っていた魔力剣を見つめる。

「あー、あれのせいね」

「ウッ…」

立ち上がろうとするが、スレイヤーからの蹴り技で立ち上がれないユキ。

「…」

そして再びマキを見るスレイヤー。

「ウッ、スレイヤー、様」

「…はぁ、洗脳状態じゃないマキなんて、ただの、欠陥品」

「!」

その言葉にショックを受けるマキ。

「あら、何を驚いているの。洗脳状態だった貴方は、貴方の中に眠る力をコントロールできていた。でも、今はどう?まるでコントロールできていない。本来の貴方なんて、なんの価値もないのよ」

「…そんな」

涙を流すマキ。

「でも安心なさい。また貴方を洗脳して…」

「やめろ」

「…あら、意識があるのね」

ユキは、スレイヤーがまたマキに洗脳を施そうとしていた所を止めた。

「マキちゃん、から、手を、離せ」

「ふん、洗脳を解いて、この欠陥品と仲良くでもなったつもり?コイツは貴方を殺そうとしたのよ」

「でもそれは、その子の、マキちゃんの意思じゃない。お前が植え付けたモノだろ」

「でも、実行したのはマキよ」

「実行したのは、マキちゃんでも、お前が命令を下したんだろ」

「それの何が違うの」

「命令されて動くのと、本人の意思で動くのでは、全然違う。お前には欠陥品でも、ボクから見れば、その子は人間だ!お前の人形じゃない!」

「…ユキ、さん」

「くだらないわね。まあいいわ、この手を離してあげる」

スレイヤーは、マキの頸をしめるのを止め、手を離した。

その次の瞬間、スレイヤーはマキを殴り飛ばした。

「…ウッ!」

「マキちゃ…」

「フッ!」

「っ!」

マキを殴り飛ばした後、スレイヤーはユキを蹴り飛ばした。

「っ!かは」

「つくづく」

「ハァハァ」

「貴方は邪魔な存在ね」

「…」

ユキの覚醒状態は解かれた。

「ここで、死になさい」

スレイヤーは剣を握り、ユキの顔へ下ろした。ユキも死を覚悟した。

だが次の瞬間。

「…!」

「っ!」

ユキの顔に当たるギリギリの所で、アスタが現れ、スレイヤーの剣を止めた。

「あら、生きていたのね」

「ユキは、殺させないぞ」

「アスタ…」

「っ!」

アスタは剣を使い、スレイヤーの剣を振り払った。

スレイヤーは後退した。

「心臓を貫いたはずだが」

「あぁ、ギリギリだったけど、剣でズラしたのさ」

アスタはスレイヤーとの戦いで、スレイヤーに剣で心臓に貫かれる直前に、剣を使い心臓からズラし、致命傷を防いだのだ。

「なるほど、だが、よくここまで戻ってこれたな」

「あぁ」

「(ん?なんだ、蒼い炎?)」

「ユキ、マキは」

「マキちゃんは、スレイヤーに洗脳されていただけなの、だから」

「…分かった」

「…」

「ユキがそう判断したなら、そうなんだろう。信じるよ」

「アスタ……ありがとう」

「…あとは、アイツだけか」

「(先程の蒼い炎、あれは何の力だ?私の知っている覚醒とも違う)」

「どうした」

「…」

「考え事か」

「ふん、余裕そうだな、アスタ!」

「!」

スレイヤーは、考え事を一瞬で止め、アスタの目の前まで迫った。

「ふんっ!」

「っ!」

その攻撃に、アスタは吹き飛ばされた。

「アスタ!」

ユキもアスタを心配する。

だがスレイヤーは、吹き飛ばしたアスタの元へすぐさま移動し、アスタに考える暇を与えなくさせる為、空中へ、次は地上へと蹴り飛ばした。

「っ!」

「ふうっ!」

「かはっ」

「ふん、覚醒状態でもないお前が」

「…」

「私に勝とうなどと、不可能なんだよ!」

スレイヤーがアスタに、剣を振り下ろした瞬間、その一瞬の隙を、アスタは攻めた。

「っ!」

アスタは、スレイヤーの剣を避け、スレイヤーに剣を振るった。

「(はいった!)」

「…惜しいな、アスタ」

だが、頬に傷が少し入った所で、アスタの攻撃は止められてしまった。

「…ウッ!」

アスタは殴り飛ばされた。

「っ!…」

アスタは倒れてしまう。

「…ちっ、また私に傷を」

「アスタ!」

「アスタさん!」

「ん?」

スレイヤーが振り返ると、そこにはサオリとサキがいた。

「あらあら、私の部下達がいたはずだけど、なるほど、突破したのね」

「スレイヤー、今度は」

「仕留めます!」

サオリとサキがスレイヤーに向かっていく。二人は、真正面から攻撃を仕掛ける。そう思わせ、次に二人はスレイヤーの両サイドへ分かれ移動した。

「ふうっ!」

二人が攻撃をした。だが、二人の刀は、スレイヤーには届かず、二人の刀は、スレイヤーの素手に止められてしまう。

「っ!」

流石のサオリもサキも驚いた。

だが、驚いたのも束の間、スレイヤーは魔力による攻撃を二人に放った。

「ふん」

「っ!」

サオリとサキは、魔力の攻撃によって吹き飛ばされる。

「…」

二人は気を失ってしまった。

「弱いな、この程度か」

「てめーがスレイヤーか」

「あ?お前は、ユウヤか」

「…(コイツ、サオリとサキを一瞬で)」

「今度は、貴様が相手か」

「いえ、私達もいます」

「…(アイツら、使えないな。私の部下は全滅か)」

ユウヤに続き、メイ、それにリタとエリーナも合流した。

「四対一か。まあ、面白い」

「お前の相手は俺だ!」

「ユウヤさん!」

「ふん」

ユウヤが一人で突っ込んだ瞬間、スレイヤーは重力魔法を放った。

「ぬおっ!」

「っ!」

「くっ!」

「っ!なんて重力なの」

ユウヤ、メイ、リタ、エリーナ、四人共重力魔法に押し負けてしまう。

「お前ごとき、この程度でいいだろう」

「なめやがって」

「ほお、威勢がいいな。だが」

「くっ!」

「だが、この重力からは抜け出せまい」

「っ!」

「ん?」

「んっ、んーん!」

「リタ!」

「くっ!んーん!」

「お前、この重力で動けるのか」

「っ!」

その瞬間、リタは白髪に赤い瞳の覚醒状態へと入り、スレイヤーの重力魔法を突破した。

「ほお」

「ハァー!」

「…」

スレイヤーはリタの一撃をかわした。そしてリタに蹴り技をおみまいしようとした。

だがリタはその足を避け、空中にいる状態から、スレイヤーの顔に剣を振るった。

「っ!ハァーア!」

「っ!」

流石のスレイヤーも驚いた。この一瞬でその判断を下し、そう動けたことに。

スレイヤーの頬にリタの剣が、そう思ったが、リタの剣は、頬に当たるギリギリで止められてしまった。

「貴様、中々やるな。だが」

「っ!、!」

リタはスレイヤーに蹴り技をくらってしまう。

「まだ甘いな」

「かはっ、くっ」

リタは倒れ、覚醒状態も解けてしまった。

「リ、タ、っ!」

エリーナも参戦したかったが、スレイヤーの重力からは抜け出せなかった。

「あの世界の人間が、まさか覚醒状態に入れるとはな。それも二人も」

スレイヤーが言う二人とは、ユキとリタだ。

「(だが)ふん、ふふふ、ハッハッハ。これだけ挑んで、私に勝つ者が誰一人いないとはな」

「くっ、やろー」

「安心しろ、貴様もすぐ殺してやろう」

「っ!」

ユウヤ、メイ、エリーナがスレイヤーに狙われた。

その時アスタは気絶していた。だが、そのアスタの元に、アスタの精神世界に、語りかける者がいた。
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