バッドエンド

黒蝶

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《思ったより愛らしい子が来たもんだ》
次の祭壇にいたのは、華奢なお姉さんの姿をした妖だった。
《おやおや、可哀想に。おまえだって人間のはずなのに、何故仲間はずれなんだろうね?》
「普通の人間と違うからです」
人間は自分と異なるものに恐怖する。
だからもう、僕と分かりあえる人間なんていない。
《退屈しのぎに丁度いい。ここまで辿り着けた子はあなたが8人目よ》
「意外と多いんですね」
《私、無駄な殺生は嫌いなの。だから、あなたもここで暮らさない?》
とても優しい声で言われるものだから頷きそうになるけど、きっとそう言って何人も騙してきたんだ。
「ごめんなさい」
《あら、そう》
「……!」
いきなりの攻撃を避けきれず、太腿あたりを何かがかすめた。
(髪の毛が伸びている……?)
《さあ、私と踊り狂いましょう》
ずっと避け続けているだけでは倒せそうにない。
「その力は、あなたの呪いですか?」
《……さあ?だけど関係ないさ。あなたもここで私たちと一緒に暮らすんだから》
彼女のお友だちが沢山出てきたけど、無理矢理いうことを聞かされているわけではなさそうだ。
ここに留まったのは、あの人たちの意志。
(こんな世界なら、誰だって楽しく暮らせる場所にいたいですよね)
その気持ちも分かるけど、ここで立ち止まるわけにはいかない。
髪の毛の攻撃は止まらないけど、よく見ていると何回かに1回反動で動けなくなっている。
《そんなにちょこまか逃げないでおくれ。上手く刺さらないだろう?》
地面に髪の束が突き刺さる瞬間を見逃さなかった。
足元に真っ黒い呪いを集めて、持っていた刀に纏わせる。
「……陰画かげえ
一瞬で相手との間合いをつめて、力を集中させた刀で斬る。
祭壇がぼろぼろと崩れて、女の人から少しずつ邪気が消えていく。
《見事だったわ。その力なら、あの子のこともきっと……》
「あの子って誰ですか?」
《泡沫様よ。……この世で1番孤独な人。私たちはもう行くわ》
禍々しい穢は僕の呪いが食べたみたいだけど、元々妖だったらしい女の人に何人かがぞろぞろついていく。
「お願いします。ここに住んでいる動物さんたちを傷つけないでください」
《傷つけるつもりはなかったの。それはあの方も同じよ》
一瞬で姿を消した一行が立っていた場所には、小さな花が咲いている。
(間違った内容が伝わっている……?でも、あの女の人以外はたしかに祭壇から造られた存在でした)
あの女の人が特別なのか、それとも間違った形で広まってしまったのか。
どっと噴き出る汗を拭いながら、更に奥へと歩みを進めた。
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