バッドエンド

黒蝶

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26頁

「何、今の」
「僕の呪いです」
(あんなふうに動く呪いなんてあるんだ)
「綺麗……」
「え?」
思わず呟いた言葉に驚かれた。
「だって、星が散りばめられてるみたいでとっても綺麗なんだもん」
「……」
怒らせちゃったと思ったら、宵は声をあげて笑った。
穂高も隣で微笑んでいる。
「すみません。そんなことを言う人、穂高とおばあさん以外で初めてで……」
「穢が溜まっているとかごちゃごちゃ言う奴はいたけど、その表現は初めてだな」
穂高が笑わないのも、宵が冷たい反応を返すのもあの村のせいなんだ。
(やっぱりあの村、おかしいよ)
「ふたりはもし村から出られたら何がしたい?」
「旅だな。宵は?」
「もし出られたら……。考えたことがありませんでしたが、もし解放されるなら穂高についていきます」
「俺?」
「はい。僕の大切な友だちですし、誰かとおはようとかおやすみって言い合えたらきっと楽しいです」
宵はずっとひとりでいたって穂高は言っていた。
そんなことさえ許されないなら、こんな風習なんてなくなればいい。
こんなことを言ったら怒られるかもしれないけど、それで解決する気がする。
「……神子様も解放されたいんですか?」
「うん。普通の女の子の生活がしてみたいんだ。誰にも監視されなくて、何かを強要されない生活をしてみたい」
もっと体を動かしたいし、色々な人と話してみたい。
「……やっぱり大変なんですね」
「宵たちに比べたら全然だよ」
そう話すと、穂高は大きく息を吐いた。
「苦労って比べるものじゃないだろ。みんな大変ってことでいいんじゃないか?」
「そうだね。少なくても、私たちは普通とは縁遠い生活をしているってことは分かる」
相変わらず宵の顔は見えないけど、思い切って言ってみた。
「ねえ、宵。私も友だちになれるかな?」
「……どうでしょう」
やっぱり難しいかと落ちこんでいると、宵が手を差し出した。
「どうしてもと仰るなら」
「ありがとう!よろしくね、宵」
本気で嫌われているわけではなさそうで安心した。
やっぱりいい人だ。
「いけない、もう戻らないと!……また明日来るね」
「……それなら、明日までに刺繍を仕上げておきます」
「いいの!?」
宵が小さく頷いているのを確認して、そのまま来た道を戻る。
山道を歩くのにもだいぶ慣れてきた。
(明日は何を話そうかな)
急いで戻ったつもりだったけど、いつも閉じこめられている部屋の見張りがかなり増えている。
なんとか見つからないように戻れたものの、どうしてこんなことになっているのか知らなかった。
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