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【本当に酷い村。惨いことをする……】
「あなたは飲んだことがないんですか?」
【流石にそこまでのことはなかったわ。……どうしてそんなことができるの?】
封印にヒビが入り、呪いが溢れ出しそうになっている。
「僕にも分かりません。だけど、おばあさんがあなたを助けたかったことは知っています」
【私を、助ける?】
「はい。おばあさんは自分の力不足のせいで終わらせられなかったって言ってました。
あなたにも救われてほしいんだって、遺された日記に……」
日記を見せたら、泡沫さんは驚いた様子でこっちを見た。
【その押し花……】
「鈴蘭の花ですよね?思い出なんだっておばあさんが言ってました」
【私が渡したものよ。もう忘れられていると思っていたのに、そうだったの……】
「菘さん、僕にそれをください。そうすればきっと、そこにいる人たちも解放されますよね?」
どす黒い呪いの中に、僕と同じ年くらいの人が何人もいる。
(あの人たちも僕と同じなんだろうな……)
怖くないわけじゃない。だけどもし、全部上手くいったら──
【分かったわ。あなたに任せる】
「ありがとうございます。祭壇を護っていた人たちと幸せに暮らしてください」
【ごめんなさい】
「僕、何もされていませんよ?」
【……ありがとう】
泡沫さん……もとい菘さんは、泣きながら笑って消えていった。
《耐えられそうですか?》
「耐えます。だけど、ちょっと怖いかもです」
ルナは鞄から出て歩きだして、隣に座ってくれた。
(ごめんなさい、穂高)
僕は悪でいい。それで全てを終わらせられるなら。
××××××××××××××××××××××××××××
「お疲れ様でした」
「暁美、頑張ったわね」
「……しばらくひとりにしてください」
「暁美?」
この人も結局、私を神子としてしか見ていない。
「大嫌い」
「神子様!」
体はこっそり鍛えていたし、山登りをしていたおかげでついた脚力で逃げ出した。
(言っちゃった……)
勢いで外へ出たはいいものの、なんだか村が騒がしい。
「何故だ、何故雨が降らない!?」
「もういっそ、あの山に神子様を捧げちまった方がいいんでないか?」
それはつまり、生贄にされるということ。
ぞっとする会話が聞こえて動けなくなっていると、いきなり黒狐の背中に乗せられていた。
「やっぱりこうなったか」
「穂高!」
穂高は黒狐の頭を撫でながら、村の状態を説明してくれた。
「ここ数日、突然作物が枯れる事案が発生してる。あとは猫の死骸だったり、殺人事件がおきたり……。
ここなら少しは時間を稼げるだろうが、あまり期待するな」
周りを見ると、草花が生い茂っている古い家がひとつある。
「ここはどこなの?」
「……俺の家だ」
「あなたは飲んだことがないんですか?」
【流石にそこまでのことはなかったわ。……どうしてそんなことができるの?】
封印にヒビが入り、呪いが溢れ出しそうになっている。
「僕にも分かりません。だけど、おばあさんがあなたを助けたかったことは知っています」
【私を、助ける?】
「はい。おばあさんは自分の力不足のせいで終わらせられなかったって言ってました。
あなたにも救われてほしいんだって、遺された日記に……」
日記を見せたら、泡沫さんは驚いた様子でこっちを見た。
【その押し花……】
「鈴蘭の花ですよね?思い出なんだっておばあさんが言ってました」
【私が渡したものよ。もう忘れられていると思っていたのに、そうだったの……】
「菘さん、僕にそれをください。そうすればきっと、そこにいる人たちも解放されますよね?」
どす黒い呪いの中に、僕と同じ年くらいの人が何人もいる。
(あの人たちも僕と同じなんだろうな……)
怖くないわけじゃない。だけどもし、全部上手くいったら──
【分かったわ。あなたに任せる】
「ありがとうございます。祭壇を護っていた人たちと幸せに暮らしてください」
【ごめんなさい】
「僕、何もされていませんよ?」
【……ありがとう】
泡沫さん……もとい菘さんは、泣きながら笑って消えていった。
《耐えられそうですか?》
「耐えます。だけど、ちょっと怖いかもです」
ルナは鞄から出て歩きだして、隣に座ってくれた。
(ごめんなさい、穂高)
僕は悪でいい。それで全てを終わらせられるなら。
××××××××××××××××××××××××××××
「お疲れ様でした」
「暁美、頑張ったわね」
「……しばらくひとりにしてください」
「暁美?」
この人も結局、私を神子としてしか見ていない。
「大嫌い」
「神子様!」
体はこっそり鍛えていたし、山登りをしていたおかげでついた脚力で逃げ出した。
(言っちゃった……)
勢いで外へ出たはいいものの、なんだか村が騒がしい。
「何故だ、何故雨が降らない!?」
「もういっそ、あの山に神子様を捧げちまった方がいいんでないか?」
それはつまり、生贄にされるということ。
ぞっとする会話が聞こえて動けなくなっていると、いきなり黒狐の背中に乗せられていた。
「やっぱりこうなったか」
「穂高!」
穂高は黒狐の頭を撫でながら、村の状態を説明してくれた。
「ここ数日、突然作物が枯れる事案が発生してる。あとは猫の死骸だったり、殺人事件がおきたり……。
ここなら少しは時間を稼げるだろうが、あまり期待するな」
周りを見ると、草花が生い茂っている古い家がひとつある。
「ここはどこなの?」
「……俺の家だ」
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