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前日譚
握りしめて、願いを。・其の壱 弥生side
それから半年、私は特に何をするわけでもなく...ただ、気が向いたときに勉強だけはしていた。
(もうすぐこの本読み終わっちゃうな...)
夜、いつもの場所で読んでいた本はもうすぐ読破してしまう。
「弥生」
「今日は早いね、葉月」
「あのね、これ...もらってほしいの」
葉月がいつものようにゆっくりと近づいてきて、私の手にそっと何かをのせる。
「これってお守り?」
「うん。...友だちとお揃いで持つのが夢で、それで、作ってみたらこうなって、だから、えっと、」
『友だち』。私には一生できないと思っていたもので、裏切られるくらいなら必要ないのではないかと思っていたもので...
(どうして葉月は、そんなふうに言ってくれるんだろう)
「私は、葉月の友だち?」
「ごめんなさい、違ったかな...」
不安がらせたかった訳じゃない。
嫌な思いをさせたかった訳じゃない。
私はただ、確認したかったんだ。
「すごく嬉しい...ありがとう、葉月」
「手芸も好きだから、喜んでもらえてよかった」
(...ん)
手芸?ということはつまり、これは葉月が...
「葉月の手作り、なの?」
「え、あ、うん、そうなんだけど...」
不安げに瞳を揺らす葉月の手をそっと握った。
「私こういうのすごく苦手だから上手にできるの羨ましい。本当にすごいね」
「ありがとう」
その日もいちご大福を分けて、手にはそっとお守りを握りしめて。
...そうして迎えた、入試当日。
(どうか合格しますように!)
そっとお守りを握りしめる。
だから全く気づいていなかったのだ...私の目の前を通った人物が友人だということに。
(もうすぐこの本読み終わっちゃうな...)
夜、いつもの場所で読んでいた本はもうすぐ読破してしまう。
「弥生」
「今日は早いね、葉月」
「あのね、これ...もらってほしいの」
葉月がいつものようにゆっくりと近づいてきて、私の手にそっと何かをのせる。
「これってお守り?」
「うん。...友だちとお揃いで持つのが夢で、それで、作ってみたらこうなって、だから、えっと、」
『友だち』。私には一生できないと思っていたもので、裏切られるくらいなら必要ないのではないかと思っていたもので...
(どうして葉月は、そんなふうに言ってくれるんだろう)
「私は、葉月の友だち?」
「ごめんなさい、違ったかな...」
不安がらせたかった訳じゃない。
嫌な思いをさせたかった訳じゃない。
私はただ、確認したかったんだ。
「すごく嬉しい...ありがとう、葉月」
「手芸も好きだから、喜んでもらえてよかった」
(...ん)
手芸?ということはつまり、これは葉月が...
「葉月の手作り、なの?」
「え、あ、うん、そうなんだけど...」
不安げに瞳を揺らす葉月の手をそっと握った。
「私こういうのすごく苦手だから上手にできるの羨ましい。本当にすごいね」
「ありがとう」
その日もいちご大福を分けて、手にはそっとお守りを握りしめて。
...そうして迎えた、入試当日。
(どうか合格しますように!)
そっとお守りを握りしめる。
だから全く気づいていなかったのだ...私の目の前を通った人物が友人だということに。
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