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本篇・1年目後期
大木に願いを。葉月side
(なんだか無理矢理弥生を呼び出しちゃったみたいになっちゃったな...)
弥生は優しいから多分きてくれる。
けれど、その優しさに甘えてばかりでいいのだろうか。
(それに今日、なんだか弥生の様子が変だった)
聞いたら話してくれるだろうか。
色んなことを考えていると、丘をのぼってくる人影が見えた。
「弥生」
「葉月...!早かったね」
「なんだか今日は早くきたくて...」
半分は本当だけれど、半分は嘘だ。
誰もいない家にいる意味がないから...ただそれだけのことだ。
『温めて食べてください』の文字も無視して、最近はごみ箱に生ゴミとして捨てている。
どう考えても、自分で作った方がバランスがとれたものになるからだ。
「授業、どうだった?」
「ちょっと、疲れた...」
実質八時間はね、と弥生は苦笑しながら、てきぱきと何か飲み物を準備してくれた。
(やっぱり、何か変だ)
いつもなら、弥生はここでいちご大福を出すはずなのに...どうしてか、今日は飲み物の準備が先だ。
「...ねえ、弥生」
「ん?」
「弥生は、どうだった?」
飲み物を準備していた手が止まって、私の方をじっと見る。
やがて弥生はふっと息をはいて話しはじめた。
「正直、最初の方は前の高校のことを思い出してた」
「...うん」
やっぱり前の高校のことを考えずにはいられないのかもしれない。
(どんなことがあったのか、私は詳しくは知らないけど...)
そのまま言葉を待っていると、弥生は再び口を開いた。
「だけど、ここなら通学できそうだなって思ったよ」
「...!」
その表情は笑顔で、言葉には嘘がないのだとすぐに分かった。
「私の心配してくれてたの?」
「えっと...一応、は」
「一応はって...」
弥生は笑いながらいちご大福を差し出した。
私はそれを受け取り、カツサンドを渡す。
「今日はジンジャーエールを作ってみたから、喜んでもらえるか少しわくわくしてたんだ」
手渡してくれる弥生はもうすっかりいつもどおりの弥生で、私は少しほっとした。
「今日も星綺麗だね」
「そうだね」
「...ところで、さ」
一呼吸おいて、弥生は遠慮がちに告げた。
「葉月はどう思った?」
「え、私...!?」
「なんだか今日、顔色があんまりよくないような気がしたから...」
分からないようにしていたつもりだったけれど、弥生にはバレてしまっていたらしい。
(上手く言葉がまとまらないな...)
結局、一番シンプルな言葉しか出てこなかった。
「私も楽しかったけど、だけど...やっぱり不安だなって思った」
弥生は優しいから多分きてくれる。
けれど、その優しさに甘えてばかりでいいのだろうか。
(それに今日、なんだか弥生の様子が変だった)
聞いたら話してくれるだろうか。
色んなことを考えていると、丘をのぼってくる人影が見えた。
「弥生」
「葉月...!早かったね」
「なんだか今日は早くきたくて...」
半分は本当だけれど、半分は嘘だ。
誰もいない家にいる意味がないから...ただそれだけのことだ。
『温めて食べてください』の文字も無視して、最近はごみ箱に生ゴミとして捨てている。
どう考えても、自分で作った方がバランスがとれたものになるからだ。
「授業、どうだった?」
「ちょっと、疲れた...」
実質八時間はね、と弥生は苦笑しながら、てきぱきと何か飲み物を準備してくれた。
(やっぱり、何か変だ)
いつもなら、弥生はここでいちご大福を出すはずなのに...どうしてか、今日は飲み物の準備が先だ。
「...ねえ、弥生」
「ん?」
「弥生は、どうだった?」
飲み物を準備していた手が止まって、私の方をじっと見る。
やがて弥生はふっと息をはいて話しはじめた。
「正直、最初の方は前の高校のことを思い出してた」
「...うん」
やっぱり前の高校のことを考えずにはいられないのかもしれない。
(どんなことがあったのか、私は詳しくは知らないけど...)
そのまま言葉を待っていると、弥生は再び口を開いた。
「だけど、ここなら通学できそうだなって思ったよ」
「...!」
その表情は笑顔で、言葉には嘘がないのだとすぐに分かった。
「私の心配してくれてたの?」
「えっと...一応、は」
「一応はって...」
弥生は笑いながらいちご大福を差し出した。
私はそれを受け取り、カツサンドを渡す。
「今日はジンジャーエールを作ってみたから、喜んでもらえるか少しわくわくしてたんだ」
手渡してくれる弥生はもうすっかりいつもどおりの弥生で、私は少しほっとした。
「今日も星綺麗だね」
「そうだね」
「...ところで、さ」
一呼吸おいて、弥生は遠慮がちに告げた。
「葉月はどう思った?」
「え、私...!?」
「なんだか今日、顔色があんまりよくないような気がしたから...」
分からないようにしていたつもりだったけれど、弥生にはバレてしまっていたらしい。
(上手く言葉がまとまらないな...)
結局、一番シンプルな言葉しか出てこなかった。
「私も楽しかったけど、だけど...やっぱり不安だなって思った」
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